伊予銀行ヴェールズ 交流戦で巻き返しを期す
伊予銀行ヴェールズ は、JDリーグ2026シーズンの交流戦を目前に、前半戦の戦いを振り返りながら巻き返しへの強い意欲を示している。
6月を目前に控え、各チームが14試合を消化して前半戦が一区切りを迎えた。ここまで順調に勝ち星を積み重ねたチームがある。その一方で、思うように波に乗れず後半戦での反転攻勢を誓うチームもある。
交流戦は、そうしたチームの勢いを大きく変える重要な期間である。各チームが強い意気込みを持って臨む舞台だ。
昨季、チーム史上初となるプレーオフ進出を果たした伊予銀行ヴェールズ。クラブとして新たなステージに踏み出す重要なシーズンとして2026年を迎えた
しかし今季は、交流戦前の時点で5勝9敗と黒星が先行し、西地区5位に位置している。昨季の勢いを知るファンにとっては物足りない成績だが、チームはここからの反転攻勢を強く意識している。
石村寛監督は、開幕からここまでの戦いを振り返りながら「このまま勝てないのではないかと思ってしまう瞬間もあった。」と率直な胸の内を明かす。
監督の脳裏には、開幕節を終えてから8連敗を喫した2024年シーズンの苦い記憶がよぎったという。それでも、昨季の交流戦で勝ち越しを果たし、そこからチームが再浮上した経験があるだけに、今年も同じように流れを変えたいという思いが強い。

伊予銀行ヴェールズの石村寛監督-Journal-ONE撮影
伊予銀行ヴェールズの”カギ”|投手陣の課題と新戦力の台頭
伊予銀行ヴェールズ 投手陣の現状と課題
今季のヴェールズは、戦力面で大きな変化があった。投手陣では、エース・庄司に次ぐ柱として、日立サンディーバから田内愛絵里を獲得した。
田内は二刀流としても注目されており、打撃では目下、打率.276、3本塁打と打撃面でも存在感を示している。
しかし、チーム全体の防御率は4.11と安定感を欠いており、石村監督は「田内への期待は打力より投手力。少し慎重になりすぎている。」と語り、持ち味である強気の投球が戻ることを期待している。

日立から移籍の“二刀流”田内-Journal-ONE撮影
新星・曽我部由楽の衝撃デビュー
曽我部由楽の鮮烈デビューと背景
そんな中、前半戦で最もファンの心をつかんだのが、新人投手・曽我部由楽の台頭だ。
愛媛県の西条高校から今季入団したばかりの18歳は、5月23日の日本精工戦でJDリーグ初先発にして初完封という鮮烈なデビューを飾った。
曽我部は「前日に先発を告げられたのですが、緊張して全く眠れずに試合に臨みました。」と笑いながら振り返る。しかし、その裏には新人らしい不安と、それを乗り越える強い気持ちがあった。
実は曽我部は、2年前にJR四国と伊予銀行ヴェールズが取り組む地域創生プロジェクト「四国を元気に!」でJournal-ONEが取材していた選手でもある。
当時から地元で注目されていた逸材は、その後も全国からのオファーがありつつ、結果として地元のチームへ入団することとなった。
その伊予銀行ヴェールズへ入団が決まった今、「地元の方々も喜んでくれています。」と曽我部は笑顔を見せた。

交流戦でも活躍を誓う曽我部(伊予銀行)-Journal-ONE撮影
新人としての成長と先輩からの学び
プロの世界に飛び込んだばかりの高卒ルーキー・曽我部。「データを活用して戦うことが初めてで、対戦相手の名前と顔がまだ覚えられなくて…」と新人らしい悩みも明かす。
それでも、庄司や田内といった百戦錬磨の先輩投手たちから多くを学ぶ日々に充実している。
「先輩方はとても面白いです(笑)。そして、いつも私のことを気にしてくれています。練習のちょっとした合間にいただけるアドバイスが、自分を成長させてくれます。」と、チームの温かい雰囲気に支えられながら成長を続けている。
曽我部の持ち味は、コーナーを丁寧に突く精度の高い投球。球速だけに頼らず、配球と制球力で勝負するスタイルは、交流戦でも大きな武器となるはずだ。
「交流戦でもチームに貢献できるよう頑張りたい。」
そう語る曽我部の表情には、若さの中に確かな覚悟が宿っていた。

投手陣の精神的支柱でもある庄司-Journal-ONE撮影













