大垣ミナモは、望月孝雄監督のもとで再建への歩みを進めている。
大垣ミナモの現在地とリーグ序盤の戦い
4月開幕から約一ヶ月。JDリーグは同地区同士の対戦が一巡し、各チームの戦略が見えてきた。各カードを通じて戦術や投打の軸が明確となり、各チームともに課題と強みが浮き彫りになりつつある段階だ。
昨シーズン、開幕から27連敗を喫するなど地区最下位に沈んだ大垣ミナモ。そのチーム再建を託されたのが、2022年までチームを率いた望月孝雄監督だ。
一度チームを知る指揮官の帰還は、単なる采配の刷新ではなく、組織文化そのものを取り戻す意味合いも持っている。
今シーズンはこの時点ですでに勝ち星を挙げた大垣ミナモ。昨シーズン、プレーオフ進出を果たした東地区の強豪・ホンダリヴェルタとの接戦をものにした。しかし、それ以外の同地区ライバルに後塵を拝している。
勝利の価値は高いものの、リーグ全体で見ればまだ安定した戦いには至っていないのが現状だ。
その結果、ここまでの戦いぶりについては、「全体的に他チームとの実力差があります。特に技術面ではまだまだ及ばない」。望月監督は厳しい表情で、そう告げた。
このコメントからは、表面的な勝敗以上に、内部の課題を冷静に見つめていることがうかがえる。

2022年以来の采配となる望月監督-Journal-ONE撮影
指揮官・望月監督の哲学と育成論
高校女子ソフトボールの名門、東海学園高校を率いた望月監督。教え子には、今や日本のエースとなった後藤希友(戸田中央メディックス埼玉)がいる。
その育成実績は国内トップクラスであり、選手の基礎形成と精神面の強化に定評がある。
加えて、神戸親和大学監督のキャリアを含め、様々なレベルで選手たちを指導してきた経験を持つ望月監督。学生から社会人まで幅広いカテゴリーでの指導経験が、現在のチーム改革に活かされている。
「90km/h程度のボールであれば、来た球に反応すれば打てる。しかし、JDリーグの様に100km/hを超えるボールに対しては、配球を読むなどの工夫が無いと打てない。」と、現在の大垣ミナモ打線の課題を口にする。
この指摘は単なる技術論ではなく、「思考する打撃」への転換を求めるものでもある。
さらに望月監督は、現代ソフトボールにおいては身体能力だけでなく状況判断力が勝敗を分けると強調する。打者が相手バッテリーの意図を読み取ることができれば、打撃の成功率は大きく向上するからだ。

チャンスに選手を集めて指示を出す望月監督-Journal-ONE撮影
大垣ミナモ再建への試行錯誤とチーム改革
この日、デンソーブライトペガサスとの二度目の対決では、序盤に3本の単打を集めて得点機を作った大垣ミナモ。しかし、後続が続かず先取点のチャンスを逸すると、大黒柱のサム・ショウが連打を浴びて失点。後続の投手陣も流れを引き寄せらせず悔しい敗戦となった。
流れを掴みきれない展開は、現在のチーム状態を象徴するものでもある。
そんな大垣ミナモだが、現在は再建に向けてチームを立て直しているところ。「残していった伝統が、すべて失われていた。」と話す望月監督だったが、望月ミナモを知る井上美樹をレギュラーに抜擢。さらに、控えに甘んじていた小林眞莉亜を3番に起用するなど、新生・大垣ミナモの体制が整ってきた。
かつての文化を知る選手と新戦力を融合させる編成が進められている。

ヒットを打った井上(左)と小林-Journal-ONE撮影
それでも、「試合中に考えたり悩んだりする選手が多く、メンタル面での意識改革もまだまだ。」と、望月監督の求めるものはまだ多い。プレーの迷いは結果に直結するため、精神的な強さの構築が急務となっている。
核弾頭として期待する新外国人選手、エヴァ・フォールトマンもその一人だと言う。「足は速く、ボールをコンタクトする能力も高いのですが…。日本のソフトボールを理解するのに苦労しているようです。」と、あまり考えすぎないように目をかけていることを教えてくれた。
環境適応という新たな課題も、チーム再建の重要な要素だ。

日本のソフトに適応中のフォールトマン-Journal-ONE撮影
大垣ミナモが求める成功体験
「まだまだ経験不足の選手が多い。とにかく成功体験を重ねてキャリアを積ませることが大事。その過程で、ミスが出るのは仕方ない。」と話す望月監督は、控え選手も次々とフィールドに送り込んでいく。





















