先頭の増田有莉紗(4年・折尾愛真高)が先頭打者本塁打を放ち先制。その後も、良い場面で長打が生まれた至誠館大学が、効率的に得点を挙げて大量リードを奪った。
それでも、明治大学も意地を見せる。9点リードされた3回表、先頭の柴田が中前安打で出塁すると、1死一、二塁とこの大会初めて、得点圏に走者を進める。
この場面で、打席に入った4番・加藤結子(3年・愛知淑徳高)が右前に適時打。明治大学の記念すべき硬式野球大会初得点を挙げると、応援に駆け付けた明治大学高知県父母会の応援団から大歓声が沸き起こった。
「新たな変化球を試す余裕もなかった。」と、試合後に語った柴田は力投を見せたが、そこは一枚上手の至誠館大学打線。カウントを取りに来たボールを積極的に打ち返し、12安打15得点の猛攻で明治大学の挑戦を退けた。

チーム史上初の打点を挙げた加藤-Journal-ONE撮影
新潟医療福祉大学からのエール
明治大学女子硬式野球クラブ参戦への期待
「東京六大学のユニフォームが、女子野球に加わったことは素晴らしいこと。」と、試合後に健闘を称えたのは、新潟医療福祉大学の後藤桂太監督だ。自身も、2024年に同大学女子硬式野球部が立ち上がったばかりの経験を振り返りつつ、明治大学にエールを送る。
「年々競技人口が増える女子野球ですが、大学まで続ける選手となるとまだまだ数は少ない。」と、選手たちが集まる大学女子野球のさらなる拡大尽力している。

明大戦で好投した先発・松永(新潟医療)-Journal-ONE撮影
女子硬式野球に励む選手の多様性
新潟医療福祉大学は、全16学科で国家資格の取得などを目指せる大学。
それゆえ、後藤監督は「どうしても、部活動をやり切ることが難しい生徒もいます。しかし、勉強で活動が出来なくても、最後まで両立しようと励ましています。」と、充実した大学女子野球生活が送れるように心がけていることを教えてくれた。
さらに、「新潟医療福祉大学も、大学で硬式野球を本格的にやるようになった部員もいます。」と話す後藤監督。
スタメン遊撃手の綱取美華(2年・千葉経済大附属校)は、高校時代は女子ソフトボールで活躍した。途中、一塁手として出場した後藤菜々子(2年・佐渡高)も高校時代は野球部のマネージャーだったという。

綱取は高校時代、ソフトボールで全国大会に出場-Journal-ONE撮影
明治大学女子硬式野球クラブの未来
取り組みの成果を実感しさらなる成長へ
「まだ投げる、打つ、捕るといった基本的なことではありますが、選手たちは成長した」。
初の硬式野球の公式戦を終えた藤﨑監督は、こう話して選手たちの成長に目を細めた。野球初心者が半数を超える明治大学だが、この大会ではゴロやフライの捕球はもちろん、100km/hを超える相手投手の速球にも臆さずバットを振る姿が印象的だった。
それでも、「他の大学さんは、楽しい大学生活の“何か”を捨てて野球に打ち込んでいる。私たちも、足りないことが多い分、そういった覚悟を持って硬式野球に向き合わなければ。」と、さらなる奮起を選手たちに促した。

円陣で選手たちに語りかける藤﨑監督-Journal-ONE撮影
“支える人”たちへ忘れぬ感謝
一方、富山県に続き、ここ高知県でも明治大学関係者の温かい応援は、伝統校としての矜持が見られた。藤﨑監督も、「差し入れを頂いたり、平日にかかわらず応援に駆けつけて頂き、熱い声援を最後まで送ってくれた。おかげで、選手たちも点差に関係なく最後まで戦い抜くことができた。」と、感謝する。
加えて、野球王国・高知ならでは。明治大学の遠征に際し、地域の野球発展に貢献する企業が手を差し伸べた。県内屈指の建設会社、ミタニ建設工業の子会社のヤイロ商事だ。室内にずらりと打席が並ぶ、バッティングセンターを経営している。
今回の初遠征に際し、そのバッティングセンター(ドーム23)内にある会議室を宿泊箇所として提供。さらに、営業中はバッティングマシン練習も開放した。地元出身の藤﨑監督率いる明治大学の背中を押したわけだ。

明大の選手たちは高知県でも関係者の声援を受けた-Journal-ONE撮影














