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練習中に笑顔も見せる高知農業ナイン-Journal-ONE撮影
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高知農業は21世紀枠でつかんだ甲子園初出場を機に、地域に根ざした高校野球の姿を全国へ示した。そして、センバツ後は25人体制で歩みを始めた高知農業。新入部員7人を加え、課題克服と成長を積み重ねながら夏へ向かっている。

高知農業が21世紀枠でセンバツに選ばれた理由

高知農業が歩んできた歴史と地域性は、この選出理由を語る上で欠かせない視点となる。

まず、高知農業が21世紀枠に選ばれた決定的な理由は、秋季高知県大会準々決勝で示した“強豪校を本気で揺さぶる力”にあった。

相手はのちに優勝する明徳義塾。誰もが苦戦を予想したが、高知農業は一歩も引かず、延長10回のタイブレークまでもつれ込む死闘を演じた。結果は惜敗だったものの、守備の粘りとエース・山下蒼生の力投、そして終盤に追いつく執念が高く評価された。

さらに、農業高校として地域に根差した教育活動を続けながら、限られた環境で鍛え上げた“地力”が光った点も選考委員会の心を動かした。

甲子園未経験校でありながら、強豪を追い詰める競技力と、地域に支えられた学校文化が融合した姿。これは、まさに21世紀枠の理念に合致するものだった。

甲子園で力投する高知農業のエース・山下-Journal-ONE撮影

甲子園で力投する高知農業のエース・山下-Journal-ONE撮影

高知農業がセンバツで“収穫”したもの

強豪・日本文理高校への挑戦

高知農業が甲子園で初めて挑んだ大舞台は、序盤から相手の強さを真正面から受け止める展開だった。

初陣となった日本文理戦は、序盤から相手の攻撃力を痛感する展開となった。2回に2点を先制され、4回にも2点を追加されて0-4。しかし、それでも高知農業は崩れなかった。

4回裏、1死一、三塁とこの日最大の好機をつくると、6番・栗山典天が右前へ運ぶ。これが学校創立以来初の甲子園得点となり、一塁側アルプスは歓声と涙が入り混じるように揺れた。

栗山は塁上で小さく拳を握り、三塁走者が生還した瞬間、ベンチも総立ちに。点差はまだあったが、強豪相手に食らいつく姿勢は揺るがない。その後は日本文理の地力に押され追加点こそ奪えなかったものの、“歴史的な一打”が球場全体に鮮烈な印象を残した。

初出場の甲子園を行進する高知農業ナイン-Journal-ONE撮影

初出場の甲子園を行進する高知農業ナイン-Journal-ONE撮影

学校と地域の大きな後押し

高知農業の応援席には、地域と学校が一体となった独特の温かさが満ちていた。

アルプススタンドを埋めた高知農業の大応援団は、まさに“学校総出”の熱量だった。農業高校らしく、普段は実習服で畑に立つ生徒たちが、この日ばかりは緑の校章入りジャンパーを揃え、太鼓とトランペットの音に合わせて声を張り上げる。

応援団は試合前から「農を学び 農で学ぶ」の横断幕を掲げ、初得点の瞬間には涙ぐむ保護者や地域の農家の姿もあった。吹奏楽部は人数こそ多くないが、音の厚みより“気持ち”で押す演奏が特徴で、選手の背中を押すように校歌と応援曲を響かせた。

高知から遠征してきた地域住民も多く、スタンドには学校のカラーである緑色のメガホンや、農業高校らしい稲穂の飾りも見られた。初出場校とは思えない一体感が、球場の空気を温かく染めていた。

”農を学び 農で学ぶ”の横断幕と緑一色の高知農業アルプス‐Journal-ONE撮影

”農を学び 農で学ぶ”の横断幕と緑一色の高知農業アルプス‐Journal-ONE撮影

センバツで成長した高知農業

高知農業が春に経験した惜敗は、夏へ向けた成長の土台となる試金石でもあった。

センバツの経験を胸に臨んだ第79回春季四国地区大会の県代表順位決定戦。ここでもいきなり強豪の高知商業との対戦となった。しかし、序盤から互角に渡り合い、4回には一時同点に追いつく粘りを見せた高知農業。

その後、7回に勝ち越しを許した高知農業は、最速148km/hを誇る好投手・北添颯志に反撃及ばず2-4と惜敗した。

続く四国大会でも、愛媛の強豪・新田高校と対戦。先制点を挙げたものの、その後小刻みに得点を許した高知農業。それでも6回表、同点に追い付いた高知農業は、その後得点を与えず延長タイブレークへともつれ込んだ。

しかし、ここでも得点を奪えずに悔しいサヨナラ負け。内容としては互角以上の時間帯も多かったが、ここ一番で打線に一本が出ず。強豪校は勝負どころでの集中力が一枚上だった。

とはいえ、センバツで得た経験が確実にチームの底力を押し上げており、“高知農業は確実に強くなっている”と県内外の指導者から評価される春となった。

練習中に笑顔も見せる高知農業ナイン-Journal-ONE撮影

練習中に笑顔も見せる高知農業ナイン-Journal-ONE撮影

■記者プロフィール
編集部-矢澤
1995年早大卒、JR東海で国内外からの観光誘客に関する企画・宣伝を主に、百貨店、レンタカー、旅行代理店、広告代理店でも働く。趣味はスポーツ観戦と旅行。メジャーリーグ(MLB)は28球団のBall Parkで観戦済み(全30球団)。
アクセス
高知農業高校
  • 高知駅 - 土讃線(18分)- 後免駅 - 徒歩12分
取材・文:
編集部-矢澤( 日本 )
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