

熊野山 石手寺
石手寺の特徴・魅力
愛媛県松山市に佇む石手寺は、四国八十八箇所霊場の第五十一番札所である古刹である。
その先の国宝の仁王門をくぐれば、歴史の深みが静かに息づく境内が広がる。ここでは、子宝や健康を祈る人々の篤い信仰が今も絶えない。たとえば、お遍路の旅人、地元の氏子、遠来の客人──多くの人々がこの聖地に心を寄せている。
石手寺の特徴
とりわけ、最大の眼目は、鎌倉時代・文保二年(1318年)に建立された国宝仁王門である。くわえて、二層入母屋造りの荘厳な姿は、時を超えて訪れる者を圧倒する。
何といっても、本堂、三重塔、鐘楼、五輪塔に至るまで、境内ほとんどの堂塔が国宝・重要文化財に指定されている。ゆえに、四国霊場随一の文化財の宝庫と称されるのも当然である。さらには、遍路の元祖とされる衛門三郎伝説に由来する寺名が、深い物語性を添えている。
石手寺の魅力
石手寺の真髄は、単なる古刹を超えた“祈りの場”としての力強さにある。
たとえば、訶梨帝母天堂では、安産・子宝を願う人々が石を積み重ね、感謝の想いを形にする。加えて、阿弥陀堂の“ぼけ封じ”祈願、洗い石、落書き堂といった風変わりなスポットも、参拝者の心を和ませてくれる。
くわえて、日本最古の湯・道後温泉がすぐ傍にある立地は、湯と祈りの贅沢な一日を約束する。ゆえに、四国遍路の巡礼路にも自然に組み込めるため、歩き遍路、車遍路を問わず多くの旅人が立ち寄るのである。
石手寺へのアクセス
石手寺のアクセスは、公共交通機関の場合は、伊予鉄道道後温泉駅より徒歩約20分、あるいはJR松山駅より伊予鉄道バス「石手寺前」下車、徒歩3分。
あるいは、松山自動車道・松山インターチェンジより国道33号を市街地方面へ。さらに、天山交差点を右折し環状線へ入り、国道317号最初の信号を左折すれば、荘厳な仁王門が正面に現れる。
ちなみに、駐車場は普通車40〜50台分を無料で用意しており、道後温泉からの足まわりも至便である。
石手寺の施設概要
境内には歴史的価値の高い建造物が連なり、宝物館では寺宝が常時公開されている。
拝観時間
8時より17時まで。年中無休。
本堂・国宝仁王門
本堂は重要文化財、本尊は薬師如来。仁王門は高さ7メートルの威容を誇り、左右の仁王像が参拝者を迎える。さらに、三重塔、鐘楼が配され、境内全体が立体曼荼羅のごとき調和を見せている。
拝観料
境内自由。宝物館は大人200円、中高生150円、小学生100円。
石手寺のその他詳細情報
本尊真言「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」。開基は行基菩薩、天平元年(729年)創建。宿坊はないため日帰りが基本である。公式サイト http://nehan.net/
利用案内
古来より続く祈りの場であることを心に留め、静粛を保ちたい。
注意事項
境内では大きな声や走ることは慎み、撮影は許可された範囲で。さらに、ペット同伴、飲食はご遠慮いただき、ゴミはお持ち帰りいただきたい。文化財に触れることなく、目に心に焼き付けていただくのが礼儀である。
お遍路情報
四国八十八箇所第五十一番。御詠歌「西方を よそとは見まじ 安養の 寺に詣りて 受くる十楽」。さらに、衛門三郎再来の伝説が巡礼の原点を語り継ぐ。納経所にて朱印をいただき、旅の証としていただきたい。
石手寺の近隣スポット情報
石手寺の近隣には魅力的なスポットが点在。たとえば、道後温泉(徒歩約20分)はもちろん、ホテル道後やや(徒歩約20分)、道後飛鳥乃湯温泉(徒歩約20分)も程近く、湯めぐりを楽しむ贅沢が叶う。さらに、松山城も近く、歴史と湯を巡る優雅な一日が自然に描ける。加えて、愛媛の美食もすぐそばに揃い、心ゆくまで満喫できる一日が約束されている。
石手寺の初詣情報
新年の祈りを四国霊場の名刹に託す──それが石手寺の初詣である。
また、大晦日には「世界平和万灯会」が催され、数千のろうそくが境内を幻想的に照らす中、除夜の鐘が響き渡る。そして、元日零時より初祈祷が始まり、厄除け、安産、健康を願う参拝者で賑わうのである。
例年通り、元日は0時より20時頃まで、2日・3日は8時より20時頃までの長時間受付となる。ミシュラン一つ星の仁王門の下、新たな年の門出を静かに祝福していただきたい。多くの参拝者が心新たに故郷へ帰る、格別の初詣体験がここにある。
スポット基本情報
スポット情報
- 住所愛媛県松山市石手2丁目9-21
- TEL089-977-0870
- アクセスJR松山駅 - 伊予鉄道市内電車(路面電車) 約25分 - 道後温泉駅 - 徒歩16分 - 石手寺
- その他【営業時間】07:00~17:00(宝物館:08:00~17:00) 【定休日】無休 【駐車場】 有り (普通車 約40~50台)

- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )















