
ルディケHCと前川GM(右)‐斉藤健仁撮影
我慢強く、選手たちに向き合ったルディケHC
そんなルディケHC、立川をチームに誘ったのは前GM(ゼネラルマネージャー)の石川充氏(現・ビジネスパートナーシッププロデューサー)だ。
クボタは東日本社会人リーグ時代から、伝統的に強力FWが武器。ルディケHCもFWを軸にチーム強化に着手した。ただ、2016-17、2017-18シーズンの12位、11位。なかなか結果を残すことはできなかった。
やはり、ルディケHCにとっては初の本格的な海外リーグでの指導。しかも完全なプロクラブではなく、当時は日本人選手の多くは働きながらプレーしていた。こういった環境にすぐになじむことができなかったのだろう。
ただ、スピアーズの首脳陣は結果の出なかったルディケHCを信頼し、指揮官は若手の成長を促しつつ、我慢強く、選手たちに向き合った。そして3シーズン目は7位と中位に入る。
さらにコロナ禍を挟んで、元日本代表の田邊淳アシスタントコーチが入閣後の5シーズン目。その2021年に3位になり、強豪チームの仲間入りを果たす。さらにリーグワンが始まると2022年も3位、そして2022-23シーズンには遂に日本一に輝いた。
若手を積極的に起用することで知られるルディケHC。1月のトヨタヴェルブリッツ戦の後も、「若手選手が躍動していることはエキサイティングだし、数年前リクルートした選手が毎シーズン成長している。廣瀬(雄也)、押川(敦治)、(山田)響、(松下)怜央のハードワークを見ることができてうれしい」と満足そうに話していた。

若手の日本代表CTB廣瀬‐斉藤健仁撮影
応援する人が誇りを持てるチームに
もちろん、練習や試合で高いパフォーマンスが要求される。それを発揮しない限り、試合で起用しない方針は徹底している。
また、コーチやスタッフを信頼しているルディケHC。役割を与えた後はあまり口うるさく言うことはなく、仕事を任せるタイプだという。
以前は採用を担当していた前川泰慶GMは「どんな選手を獲ってきてほしいとか、フランから言われたことはなかった。どういった新人を獲るかは自分で考えてやっていた」と話す。
また、「勝つラグビーをすることで、応援するみなさんに誇りに思ってもらえるように戦っていきたい」と話すルディケHCが好んで使う言葉で、トップリーグ時代からクラブのビジョンとなっているのが、『Proud Billboard』(誇りの広告塔)だ。
勝つラグビーを目指すことで、会社だけでなく、地域やスポンサーなどスピアーズに関わる、すべてのステークホルダーにとって誇りになる、という思いが込められている。
“オレンジアーミー”とともに築いたホームの誇り
トップリーグ時代の2019年から『えどりく』こと、『江戸川区陸上競技場』を使用。さらに、クラブカラーのオレンジから、スピアーズのファンは『オレンジアーミー』と呼ばれるようになった。
2022年、リーグワンになると、『えどりく』をホストスタジアムとして使用。つづく2023年3月にはネーミングライツで、『スピアーズえどりくフィールド』になった。なお、2019年から続くスピアーズの『えどりく』での不敗神話。こちらは2月末で「27」まで伸びている。ホストスタジアムでは無類の強さを発揮しているスピアーズだ。

『えどりく』こと、『スピアーズえどりくフィールド』‐斉藤健仁撮影
次のミッションは『連覇』と『ホストスタジアム』
また、スピアーズの運営もトップリーグ時代よりもプロ的になった。これにより、ホストエリアの活性化に積極的に寄与している。
2020年9月、江戸川区と連携協定を結んでいる。加えて、「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」も結んだ。ラグビーの体験イベントだけでなく、子ども食堂へ選手の派遣、ふれあいイベント、練習見学会… さらには、食品ロス削減に向けた取り組みまで、SDGsの活動を連携して行っている。
また、『えどりく』は5000人ほどしか収容できない。このため、昨年から1万5000人収容の球技場への改修が前向きに検討されている。いずれにせよ、スピアーズは今後も船橋市にあるクボタ京葉工場の練習場でトレーニング。そして、江戸川区でホストゲームを行っていく。
クラブが描く未来像と“黄金時代”へのロードマップ
石川氏は「GMの経験を還元しながら、新しいところにバンバン行って、関係性を作りたい。しっかりと、まず江戸川区にコミットして、江戸川区のファンを増やしたい。そして5年くらいを目処にホームスタジアムを持ちたい」と話している。

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