
早実のリーダー陣。左からSO野口、NO8金子、HO村山主将、CTB中山副将、WTB飯泉‐斉藤健仁撮影
早稲田大学との『高大連携』で強化を図る
少数精鋭・早稲田実業の強さの秘訣の1つは、早稲田大学との『高大連携』にある。大谷監督は早稲田実業と早稲田大学のラグビー部のOB。ラグビー面で、大谷HCをサポートする8人のコーチ陣の全員も、早稲田実業か早稲田大学ラグビー部のOBである。
早稲田大学のコーチも務めた経験のある大谷HCは「早稲田大学はなかなか人材を確保できない。そのためには系列校を強くしないといけない。」と感じ、母校である早稲田実業の指導を引き受けた。 だが、大谷HCは放送局に勤務しているため、週末中心しか指導できず、大会は有給休暇を使って指揮を執っている。
大谷HCやコーチが不在の時はワセダクラブに週2回、早稲田大学の監督を務めた後藤禎和氏などを派遣してもらい、コーチをしてもらっている。
また、後藤氏だけでなく、早稲田大学元監督の山下大悟氏、相良南海夫氏、さらに現在の大田尾竜彦監督と、大学のラグビー部と密に連携をとっている。月1回のペースで、早稲田実業は早稲田大学の上井草グラウンドに出稽古を敢行し、大学生の胸を借りている。

スクラム練習を行うFW陣。この日はワセダクラブから石井裕大コーチが派遣されていた‐斉藤健仁撮影
フィジカル面での体制や施設の整備が進む
また、早稲田実業ではアスレティックトレーナーが、2005年から常駐させている。アメリカの高校では一般的だが、日本の高校で常駐しているのは4校ほど。そのトレーナーは小出敦也さん。NBAやバスケットボールの男子日本代表チームのトレーナー経験もある。2014年から常勤講師として週6回勤務している。
学校のグラウンドのすぐ横にある建物に『トレーナールーム』があり、ラグビー部だけでなく、他の部活も含めてケガなどをした場合、すぐに応急処置したり、必要に応じてスポーツドクターを紹介したり、さらにリハビリのメニューを作ってもらったりすることが可能だ。
また、ラグビーに欠かせないウェイトトレーニングは週3回ほど実施している。そのうち2回ほどは、ストレングスコーチの森下茂さんの指導の下で行っている。他にも保護者向けの栄養講習をするなど、全国の強豪校と対戦するための土台となる、身体作りにも余念はない。
大谷HCは「早実は自分たちよりフィジカル、体格も大きい相手や能力の高い相手に勝つためのラグビーが前提にある。相手がどんなに強くても決して逃げず、決して諦めない。ディフェンスとキックを軸にチームを作り上げ、勝つための方法論や準備を突き詰めるのが早稲田のDNAだと思う。」と話す。

リハビリを指導する小出トレーナー‐斉藤健仁撮影
選抜大会ではBKの決定力を活かすラグビーを
もちろん、大学のラグビー部に良い人材を送ることだけでない。早稲田実業としても勝つラグビーを目指している。特に新チームは、BKの縦のランが持ち味で、元トップリーガーのSH(スクラムハーフ)中山浩司さんを父に持つ副将CTB中山、セブンズのユース代表にも選ばれているWTB(ウィング)飯泉敢太(2年)の2人がいる。
「新チームは中山と飯泉という才能のある選手が、BKに2人いるので、その2人を活かしたい。また、昨年度のベースがあるので、強みのBKを活かしたい。そのためにも、FW(フォワード)のセットプレーを武器にしないといけない。」(大谷HC)。
BKリーダーも務めるエースのWTB飯泉は「BKは昨年度から主なメンバーが残っているので、選抜大会ではBKが勝負のポイントになる。アタックの精度が大切になってくる。」と意気込んだ。
FWリーダーでキャリーに長けたNO8(ナンバーエイト)金子昂生(2年)が言葉に力を込める。「昨年度からモールをコツコツと積み上げてきたつもりでした。しかし、(関東新人大会の)國學院栃木戦でトライされてしまった。選抜に向けて、もう一度基礎からモールディフェンスをやり直さないといけない。」

関東新人ではボールキャリーでFWを引っ張ったNO8金子(中央)‐斉藤健仁撮影
自主性を重んじた早稲田実業のチームづくり
大谷HCは昨年度から、選手たちへのアプローチを変えた。コーチがゲームプランのすべてを決めるトップダウンではない。対話を通して、プランやアタック、ディフェンスなど主なエリアで、選手たちに議論をさせる。選手にアウトプットさせるスタイルにチャレンジしたという。

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