三遠ネオフェニックスは、13連勝という偉業を成し遂げた。それにもかかわらず、2025-26シーズンをポストシーズンの舞台で終えることはできなかった。
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三遠ネオフェニックスに訪れた「届かなかった」シーズン
連勝と希望、そして他力本願の終盤戦
どれだけ強いチームであっても、故障という強敵には太刀打ちできないこともある。三遠ネオフェニックスの場合、それをもし運だとしていいのならば。今シーズン、少しそれが足りなかったかもしれない。
過去2年連続で地区優勝を果たし、昨シーズンはBリーグ決勝進出まであと一歩まで迫った三遠。だが今季、ポストシーズンを戦わずに2025-26シーズンを終える。
シーズン終盤にかけて13連勝をマークした。下位にあった西地区での順位を上げ、上位に迫った。しかし、4月25日に行われたシーホース三河との連戦初戦に敗れたことで、ポストシーズン進出の芽が摘まれた。
他の上位チームの結果いかんという「他力本願」の形ながら、まだかすかにチャンピオンシップ(CS)出場の可能性を残していた三遠にとっては愚直に勝ち続けるしかなかった。
この三河との試合、出だしはディフェンスで相手に強いプレッシャーをかけた。攻撃面ではヤンテ・メイテンが厳しいシュートを力強く決めるなど、魂のこもったプレーぶりだった。
ところが、すでにCS進出を決めさらに上位のシードを狙う三河が攻守の強度を上げる。すると、試合が彼らのホームであるウイングアリーナ刈谷であったこともあり、風は三河の背中を強く押した。

三遠ネオフェニックスの司令塔・大浦-Journal-ONE撮影
三遠ネオフェニックスが突きつけられた現実
後半に入ると、三河のベンチから出てきた選手たちの躍動もあって点差は徐々に開いていった。三遠ネオフェニックスもデイビッド・ヌワバやキャメロン・ジャクソンらが奮闘を見せる。しかし、徐々に三河に飲み込まれていった。
「ディフェンスでのインディビジュアル(個人の役割)のミス。コミュニケーションのミス。だいぶ自信をなくしてオフェンスで焦って……。(三河の)ゾーンに対してのオフェンスのところに関してはこちらのミスもあったかなと思うんですけど、まず自分たちのディフェンスのところのスタンダードが全然、できていなかったと思います」。
三遠の大野篤史ヘッドコーチは試合をこう振り返った。その後も記者の質問を受けた大野HC。チームでは事前に三河に対しての準備をしたにもかかわらず、選手たちが適切な状況判断や打開ができずに終わってしまったことを嘆く回答をした。
プレーオフの可能性のある中での試合だった。しかし、それ以上に、シーズンの最終盤で1年間積み上げてきたものが出せなかった。そのことについての失望のほうが、おそらくは大きかった。

三遠ネオフェニックスの大野HC‐永塚和志撮影
三遠ネオフェニックスを襲った故障という強敵
主力離脱が重なったシーズン前半の苦悶
先述した通り、13連勝があった。今シーズンのB1では最長タイの記録だ。ただ、それでもポストシーズン進出に手が届かなかった。シーズン前半から中盤にかけて主力にケガ人が続出したのが、惜しまれる。
ポイントガードの佐々木隆成は昨シーズンのCS・セミファイナルの最中にアキレス腱を断裂。つづく、今シーズンの12月に復帰も直後に再び負傷。その他、メイテンや吉井裕鷹、河田チリジらも故障により試合を欠場した。
いるメンバーを使いながら手を替え品を替えつつ戦いをした三遠ネオフェニックス。それでも、開幕から12月末までの戦績は11勝17敗と大きく負け越すなど、苦悶を強いられた。
故障者が復帰しロスターがあるべき姿に戻ると、そんな窮状からチームは徐々に本来の力を見せるようになる。13連勝はそれを示した、彼らの意地だった。

開幕前の愛知セントラルカップでは優勝-Journal-ONE撮影
三遠ネオフェニックスが故障の連鎖で失った時間
ただ、大野HCと三遠が追い求めてきたものは勝ち負け以上のものだった。大野氏はそのことを「カルチャー」という言葉を用いながら、訴えてきた。
勝てば、ファンは増える。勝つことが最大のファンサービスであるという考えを示す者もいる。確かに、そこに正面から異を唱えることなどできない。
しかし、それだけでもあるまい。勝つことを必死に追い求める姿を見せる。そのことで、応援してくれる人たちの基盤――ファンベース――を作ることこそが肝要なのだ。

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