実際、譲渡に関しては10社ほどが興味を示した。しかし、役員レベルまで案件が上がったのは「片手で数えられるくらい。」(太田GM)だったという。

大ベテランのPR瀧澤-斉藤健仁撮影
これまでもあったJR東日本とグリーンロケッツの関係性
「沿線地域の様々な問題を解決するのが役割の1つ」というJR東日本グループ。グリーンロケッツとは2021年度よりプロモーションパートナーとして、地域との連携を強化。JR常磐線沿線をともに盛り上げてきた関係にあった。
スポーツ観戦が好きだというJR東日本の喜㔟陽一社長。昨年9月、実際に我孫子事業所にあるグラウンドで試合と、練習施設などを見学した。その上で、7月からグリーンロケッツをJR東日本グループの企業スポーツの1つとして受け入れることを決めた、というわけだ。
なお、JR東日本グループには現在、5つの「企業スポーツチーム」がある。東京と東北に2つの野球部、秋田にバスケットボールチーム、八王子にランニングチーム、女子柔道部だ。加えて、ラグビー部が6つ目となる。
喜㔟社長は「多くの実績を持ち、多くの日本代表選手を輩出するなど、日本ラグビー界の発展に多大な実績を上げてきた歴史と伝統のあるチームを来シーズンから、私どもの仲間として、お迎えできることは非常にうれしく、来シーズンが待ち遠しく、今からワクワクした気持ちです」とコメント。
また、「私どもが運営する鉄道とラグビーの歴史には、100年にもわたる深く長い歴史がある。『One for all,All for one』の精神は私どもの企業活動にも通じています。競技人口の裾野の拡大とともに、スポーツの振興を通した健全な人材育成や地域の活性化に取り組んでまいります。」と挨拶した。

クーパーHC(左)と太田GM-斉藤健仁撮影
ホストエリアとの親和性、JR東日本が譲渡を受けた理由
さらにグリーンロケッツを受け入れることを決めた理由を聞かれて、喜㔟社長。
「(ホストエリアとなる千葉県の)8つの自治体(東葛飾周辺地域:松戸市・柏市・野田市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市・印西市・白井市)の皆さまとの連携協定を引き継いで、当社グループの事業活動とともに、地域の直面する様々な課題の解決に取り組ませていただきたい。」と語った。
また、「日本ラグビー協会が2035年のラグビーワールドカップの日本開催の招致を表明している。それゆえ、私どもとしてもグリーンロケッツを仲間に迎えることができたことを契機に、ワールドカップの日本開催に向けた機運醸成にも寄与していきたい。」と話した。
受け入れを決めたJR東日本。やはり、180万人ほどの人が住むグリーンロケッツのホストエリア(8自治体)とJR東日本沿線との親和性、関係性が大きかったようだ。

1年目のPR亀山-斉藤健仁撮影
有形無形、様々なものをNECから引き継ぐ新チーム
譲渡ということで、チーム名は変更になる。しかし、グリーンロケッツのリーグワンにおける地位はJR東日本が受け継ぐ。一方の、NECもパートナーとして引き続きチームの発展を支援する。加えて、我孫子事業場内にある練習場も貸与する。
千葉県内の8つ自治体との連携協定、ホストエリア、ホストスタジアム『柏の葉公園総合競技場』も変わらない。なお、我孫子の練習場はNECの敷地を通らずアクセスできるようになるという。また、柏市にはJR東日本の野球部の練習場がある。そのため、雨天の場合は室内練習場を借りる可能性もあるという。
現在のグリーンロケッツはプロ選手が7割、社員選手が3割ほど。しかし、JR東日本は「企業スポーツチーム」である。そのため、強化を進める一方で社員選手の割合を上げていく方向のようだ。若手の社員選手はJR東日本に転籍する場合もあれば、ベテラン選手はNECから出向も考えられる。
なお、JR東日本は鉄道省からの流れを組む、100年以上の歴史があるチームを保有している。トップイーストCグループに所属している「JR東日本レールウェイズ」というチームだ。こちらも同時に活動を続ける。近い将来、人事交流の可能性も出てくるかもしれない。
いずれにせよ、「NECグリーンロケッツ」というチーム名はなくなる。しかし、チームのレガシー、歴史は譲渡後も継続されることが決まった。

勝利に喜ぶクルー(グリーンロケッツファン)-斉藤健仁撮影

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