トヨタ紡織|ここで得た経験で、さらに強くなる
第3戦の大差という結果は、若いチームにとってあまりにも重い現実だった。それでも、このセミファイナルでトヨタ紡織サンシャインラビッツが得たものは確かにある。
若いチームが直面した現実と、指揮官が示した次への視線
ルーカス・モンデーロHCは試合後、まず選手たちを労った。
「チームは若く、プレーオフという舞台のプレッシャーに、3試合目まで耐え切れなかったと思う」。
その一方で、今回のプレーオフを前向きな財産として捉えていることも強調した。
「ただし、初めてのプレーオフで1勝を挙げることができた。その事実は、必ずチームに持ち帰りたい」。
敗因については、感情に流されることなく冷静に分析する。
「まず必要なのはメンタルと集中力だ。アーリーエントリーの朝比奈、西も、まだこの舞台に慣れていく必要がある。シューターは揃っているし、普段はもっと高い確率で打てるチーム。1/26という3ポイントの数字は、正直なところ事故に近い」。
課題と同時に、進むべき方向は明確だ。
「来季に向けては、ディフェンスをベースにしたチーム作りと、3ポイントの精度向上。その両方を強化していきたい」。
敗戦の中にも、次へ向かう視線はすでに定まっている。選手の言葉からも、このシリーズが確かな経験となったことが伝わってくる。

モンデーロHCは来年に繋がる経験だったと振り返る-Journal-ONE撮影
選手たちの言葉が示す手応えと、来季につながる確信
東藤なな子は、第3戦を振り返りこう語った。
「出だしで完全にやられてしまった。途中から気持ちを切り替えて立て直したけれど、結果的にはもう手遅れだった」。
それでも、その表情は前を向いていた。
「プレーオフで本当に良い経験ができたと思う。ベスト4に残れたことは、チームとして素直に嬉しい」。
さらに若いチームメートの成長にも目を向ける。
「若い選手も多い中で、伊波(美空)は若いのにリーダーシップをとってくれた。3戦目のプレッシャーは本当に凄かったけど、この経験は必ず来季につながる」。
この敗戦は、終わりではない。トヨタ紡織は、ここからさらに強くなっていく。

チームのトップ4入りに貢献したエース・東藤-Journal-ONE撮影
トヨタ自動車|積み重ねが示した「王者の現在地」
大神雄子HC|積み重ねの先にある“任せられるチーム”
一方、シリーズを締めくくったトヨタ自動車アンテロープスの言葉には、揺るぎない手応えがあった。
大神雄子HCは開口一番、穏やかな笑顔でこう語る。
「言うことはありません。13人全員が、本当によく頑張ってくれました」。
淡々と、しかし誇らしげに続ける大神HC。
「アメリカ遠征から始まった今シーズン。加えてレギュラーシーズンでも積み重ねてきたものが、今日の試合にすべて出たと思う。選手たちは“勝って成長したい”という思いで、毎日強度の高い練習をしてきた。それを支えてくれたスタッフも含めて、今の強さがある」。
試合運びについても、今季の成熟を象徴するエピソードを明かした。
「今日、私がタイムアウトを取ったのは一度だけ。あとは選手たちだけで試合を進めてくれた。プレーヤーズ・プレイで戦えたことを、とても誇りに思っている」。

一年の成果が出た試合と振り返る大神HC-Journal-ONE撮影
山本麻衣|揺るがない集中力と、シリーズを締める覚悟
コート上でその中心にいた山本麻衣も、チームの状態を冷静に語る。
「昨日負けても、誰一人ヘッドダウンしなかった。常に次の1本、次のプレーに集中して戦えたと思う」。
そして、シリーズを通しての覚悟もにじませた。
「トヨタ紡織に1勝1敗。勝ってケリをつけたいと思っていた。自分たちの可能性はここで終わらないし、これからもWリーグを引っ張っていくのはトヨタだと思っている。その意味でも、今日の勝ちは大きかった」。
最後に、ファイナルを前に自然と表情もほころぶ。
「久しぶりの舞台なのでとても楽しみ。若い選手も多いけれど、全員が自分の役割を楽しんでプレーしてほしい」。
平下愛佳|ディフェンスで示したチームの一体感
平下愛佳もまた、チーム全体の一体感を強調した。
「最初の5人も、途中から入った5人も、全員が気持ちを出してやり切れた試合だった」。
ディフェンスについて振り返り、「(東藤なな子に)第2戦で勝負どころの3ポイントを決められた。今日は絶対に止めるという気持ちで臨んだ。」と明かす。




















