GWどこ行く?2026年は伊勢日帰り旅!

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髙田真希は試合終了の瞬間吠えた‐永塚和志撮影
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髙田真希はこの試合、8本のフリースローを放ち、そのすべてを決めた。もっといえば、ファイナルでの4試合で放った計23本のフリースローはすべてリングをくぐった。富士通レッドウェーブとのセミファイナルを含めても、1本しか外していない。

そのことが優勝をもたらしたと断言めいたことなど言えるはずもない。しかし、髙田の落ち着き払った、頭脳的なプレーぶりは若い選手の多いデンソーに安心感と心強さ、勇気をもたらしていたように感じられた。

髙田真希は効果的なファウルを誘った‐永塚和志撮影

ファールを誘発する髙田の頭脳プレー‐永塚和志撮影

主柱不在でも揺るがなかったチーム力

髙田真希のことばかりを書いたが、無論、髙田以外の選手の貢献がなければ、勝利はなかった。とりわけ印象的だったのが、第4戦で髙田がベンチに下がっている間のチームのプレーぶりだった。

第3クォーターの序盤、髙田が3つ目のファールをしてしまい交代となる。この時点で試合はトヨタ自動車が41-38とわずかにリード。髙田がいない間に点差を開く好機だったトヨタ自動車。それに対し、デンソーはシラ ソハナ ファトージャのブロックショットや長めの2Pシュートを放つ。さらに、薮未奈海のドライブからのレイアップなどで、それを許さなかった。

ソハナや藪の躍動を引き合いに出しつつ髙田は、「1人、1人が役割をしっかり果たしたことが結果につながった」と強調した。

髙田真希不在の時間を支えたソハナ‐永塚和志撮影

髙田真希不在の時間を支えたソハナ‐永塚和志撮影

涙の準優勝──トヨタ自動車が直面した現実

対して、トヨタ自動車は、4年ぶりのリーグ制覇を逃した。大会終了後、同チームの大神雄子ヘッドコーチや多くの選手が目を赤くした。

レギュラーシーズンではレギュラーシーズンをわずか5敗(23勝)。2位のデンソー(18勝10敗)以下に差をつける形で終えたが、ファイナルの最後の2試合を連敗。こうして、1年を終えた。

準優勝に終わったトヨタ自動車アンテロープス‐永塚和志撮影

準優勝に終わったトヨタ自動車アンテロープス‐永塚和志撮影

レギュラーシーズン最強ディフェンスの誤算

トヨタ自動車がレギュラーシーズンで安定した強さを誇ってきた。その大きな理由の1つは、平均失点53点(結果が「0-20」となる没収試合が2試合あったこともある)のディフェンスだった。

しかしファイナルでは、第2戦でこそ41失点に封じるも、その他の試合ではデンソーのオフェンスを完全に押さえ込むことができなかった。(4試合での平均失点は63.8)

大神HCが自身の選手時代から長年ともに歩み、「心中する」と絶大な信頼でチームを任せてきたエースの山本麻衣。その彼女の爆発を、デンソーに許してもらえなかった。それもまた、トヨタ自動車にとって厳しい戦いを強いられた原因となった。

ファイナルの最初の2試合での平均得点が19.5だった山本。しかし、最後の2試合でのそれは4.5だった。そもそもデンソーの守備の前にシュートを打たせてもらえなかった。フィールドゴール試投数は最初の2試合における平均16.5本から最後の2試合では10.5本に制限された。

山本麻衣が語った大神HCへの思い

「シンさん(大神HC)がプレーヤーの時からの付き合い。自分が試合に出られない時もアシスタントコーチだったシンさんがずっと見てくれた。それがあっての2回優勝した時(2020-21、2021-22)には自分がPGをやらせてもらい、シンさんのサポートがあってPGとしての成長がありました。そこからシンさんがHCになられて、キャプテンを任せてもらった。本当にシンさんを信じていたからこそ、今回の準優勝は自分が情けない。チームを勝たせられずに本当に申し訳ないなという思いでいっぱいです」。

大神HCとの関係性について問われた山本は、こう語った。ファイナル終了から時間は数十分経っていたが、背番号「23番」の目は変わらず赤かった。相手の守りがどれだけ厳しくても、エースと呼ばれる山本。ゆえに、それでも攻めきらねばならなかったという思いがあったに違いない。

ちなみに山本は、バスケットボールで世界各地を転戦する新設大会「プロジェクトB」に参戦する。そのため、トヨタ自動車を退団する可能性がある。

試合後に涙をぬぐわれる山本-永塚和志撮影

試合後に涙をぬぐわれる山本-永塚和志撮影

大舞台が若いチームに突きつけた課題

もちろん、山本の出来だけがファイナルの敗因だったわけではない。トヨタ自動車は若い選手が多い。

■記者プロフィール
永塚 和志
フリーランススポーツライター。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、FIBA W杯や米NCAAトーナメントを取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

「X」アカウント https://x.com/kaznagatsuka
アクセス
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  • 東海道新幹線 東京駅 - JR中央線(14分)- 新宿駅 - 京王線特急(16分)- 調布駅 - 京王線各停(3分)- 飛田給駅 - 徒歩5分
Journal-ONE記者の永塚和志氏
取材・文:
永塚 和志( 日本 )
この記事に関連する人物
大神雄子

1982年生まれ、山形県出身。日本女子バスケットボール界のレジェンドPG。日本人女子選手として初めてプロ契約を結び、2008年にはWNBAフェニックス・マーキュリーでプレー。世界最高峰の舞台で23試合に出場し、スピードとゲームメイク力で存在感を示した。2013年には中国リーグでも活躍し、国内外で豊富な経験を積む。日本代表としては2004年から2014年までプレーし、アテネ五輪や世界選手権、アジア選手権などで中心選手として活躍。引退後はトヨタ自動車アンテロープスの指導者に転身し、2022年にヘッドコーチ就任。就任初年度からチームを準優勝に導き、現在も勝利を追求しながら若手育成にも力を注ぐ。2023年にはFIBA殿堂入り(日本人3人目)を果たし、日本バスケット界の歴史に名を刻む存在となった。

山本麻衣

1999年10月23日/広島市安佐南区出身、ポイントガード。桜花学園高でインターハイ、ウインターカップ、国体3冠達成。2018年よりトヨタ自動車アンテロープスに加入し、2020–21、2021–22でWリーグ連覇&プレーオフMVP(21–22)。日本代表として3×3(東京)、5人制(パリ)ともに活躍し、2024年パリ五輪最終予選MVP、東京2020オリンピック(5位)、2024パリ出場。3×3 U23ワールドカップ(2018銀/2019金)でも逆転優勝とMVP。身長163cmながら3Pやドライブ力で持ち味を発揮。2025年2月にはWNBAダラス・ウィングスのキャンプにも参加し、日本人5人目の挑戦者に。

平下愛佳

2002年1月14日生まれ、愛知県出身、スモールフォワード。桜花学園高校ではキャプテンとしてインターハイ・国体・ウインターカップの高校三冠を達成し、2020年1月にアーリーエントリーでトヨタ自動車アンテロープスに加入。WJBLでは2021–22シーズンに優勝、翌22–23年もプレーオフ進出に貢献。2022年に代表デビューし、FIBA女子ワールドカップ、2023年杭州アジア大会では銀メダルを獲得。3×3でもU16~U19代表に選出され、好成績を収める。2025–26シーズンは平均得点、リバウンド、シュート成功率も高水準をキープ。2026年には地元・愛知名古屋で開催されるアジア大会出場にも意欲を見せている。身長177cmのスモールフォワードとしてペイントの駆け引きや3P長距離ショットに強さをみせ、「走り勝つ」スタイルは大神監督も高く評価。「シュートは仕事」と語る姿勢は、日本代表でも重要な役割を担います。

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