また毎年このチームはレギュラーシーズンで上位の成績を上げ、優勝候補として数えられてはきた。しかし、昨シーズンはポストシーズン進出を逃している。
一言でいえば、緊張を強いられより激しく体をぶつけ合わねばならない優勝決定シリーズ。この舞台で、十全に力を出し切ることができなかった。
唯一の白星が示した可能性
ファイナルでトヨタ自動車が唯一上げた白星は第2戦でのものだった。試合後、大神HCは前日にはこわばっていたところのあった選手の表情がこの日は違っていたと話す。
「ロッカールームでも声は出ていました。ウォーミングアップのシューティングの時もみんな、笑顔がみられていたので、『ああ、今日は良い入りをするだろうな』。」と感じていた。
その見立て通り、トヨタ自動車の選手は粘り強いディフェンスと思い切りの良いプレーぶりが際立った。

最後の最後まで粘りを見せたトヨタ自動車-永塚和志撮影
余裕を失った最終局面と指揮官の責任
ところが、第3戦を取られ後がなくなったトヨタ自動車。そのプレーからは余裕が徐々に削られていったようにも感じられた。とりわけ第4戦の最終クォーターは、チームメートとの呼吸が合わずにパスミスでターンオーバー。こういった、集中力の足らないプレーが目立った。その結果、このクォーターで同チームはわずか2得点に終わった。
「Wリーグに入って初めてファイナルの舞台に立つっていう選手が多い。その中、レギュラーシーズンとは違うプレッシャーはやっぱり、あったのかなと思います」。
大神HCはファイナルでのチームにいてそう総評した。それと同時に、大舞台で肩にのしかかるものが多いことを前提に声かけなどを選手にしてあげられなかった責任が自身にあると話した。

安間の負傷退場後、小野寺がゲームメイクを支えた-永塚和志撮影
わずかな差を分けた「覚悟」と「波」
もっとも、デンソーとトヨタ自動車の差はわずかだったようにも思えた。実際、ファイナルのいずれの試合においても互いに波が訪れ、競る場面があった。
悲願の初優勝へ向けての気迫に勝ったデンソーが、勝負どころで良い波を捕まえたというのが勝敗を分けたとしていい。

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