夏の北海道を代表する風景といえば、美瑛・富良野に広がるラベンダー畑ではないでしょうか。紫の絨毯が丘一面を覆い、その先には十勝岳連峰の稜線が連なります。
ただ、ひとくちにラベンダー畑といっても、美瑛町から上富良野町、中富良野町、富良野市まで南北およそ40キロにわたって点在しているため、どこをどう回ればいいか迷ってしまう方も多いはずです。
この記事では、主要なラベンダー畑の見頃と料金、アクセスや混雑の避け方まで、最新情報をもとにまとめました。
美瑛・富良野のラベンダー畑の特徴

美瑛・富良野のラベンダー畑は、同じ紫の風景でありながら、町ごとに成り立ちも見え方も少しずつ異なります。
なぜこの土地に畑が広がっているのか、いつから観光地として知られるようになったのか。そして美瑛と富良野で何が変わるのか。まずはエリア全体の輪郭をつかんでおくと、行き先選びがぐっと楽になります。
富良野盆地と美瑛の丘に畑が点在している
ラベンダー畑が集まっているのは、北から美瑛町、上富良野町、中富良野町、富良野市と続く南北およそ40キロの一帯です。西に夕張山地、東に十勝岳連峰を望む富良野盆地と、その北側に広がる丘陵地帯にあたります。水はけのよい傾斜地と昼夜の寒暖差という条件が、ラベンダーの栽培に適していました。
畑の多くは丘の斜面を利用しているため、下から見上げても、高台から見下ろしても絵になります。移動は基本的に国道237号を南北にたどる形になり、主要なスポットは道沿いか、そこから数分入った場所に並んでいるので、1日で複数の畑を巡ることも難しくありません。
香料用の作物から観光の主役へと変わった
富良野地方でラベンダー栽培が始まったのは昭和の初め頃で、当初の目的は観賞ではなく、香水や化粧品の原料となる香料の採取でした。発祥の地とされるのが上富良野町の東中地区で、現在ラベンダーイーストが広がっている一帯にあたります。
ところが1970年代に入ると、安価な輸入香料に押されて産業そのものが衰退し、畑を手放す農家が相次ぎました。転機となったのは1976年、国鉄のカレンダーにラベンダー畑の写真が採用されたことです。これをきっかけに観光地として全国に知られるようになり、いまでは夏の北海道を象徴する風景として定着しました。畑を残した人たちの判断が、この景色をつないだといえるでしょう。
美瑛は丘の風景、富良野はラベンダーが主役になる
同じエリアとして語られがちな美瑛と富良野ですが、花畑の性格ははっきり分かれます。美瑛は起伏のある丘そのものが見どころで、四季彩の丘のように数十種類の花を帯状に植えた花畑が中心です。ラベンダーは彩りを構成する要素のひとつという位置づけになります。
一方、中富良野町や上富良野町では、ラベンダー単体で広い面積を占める畑が主役です。日本最大級とされるラベンダーイーストは約14ヘクタールにおよび、視界のほとんどが紫に埋まります。紫一色の風景を求めるなら富良野側、色とりどりの丘を楽しみたいなら美瑛側と考えると、行き先が絞りやすくなります。
各エリアの位置関係と拠点となる駅は、下記の通りです。
| エリア | 代表的なラベンダー畑 | 最寄り駅 | 旭川空港から車で |
|---|---|---|---|
| 美瑛町 | 四季彩の丘、ぜるぶの丘 | JR美瑛駅、JR美馬牛駅 | 約30分 |
| 上富良野町 | ラベンダーイースト、日の出公園ラベンダー園、かんのファーム、フラワーランドかみふらの | JR上富良野駅 | 約40分 |
| 中富良野町 | ファーム富田、北星山ラベンダー園 | JR中富良野駅、ラベンダー畑駅(夏季のみの臨時駅) | 約45分 |
| 富良野市 | 麓郷展望台(ふらのジャム園) | JR富良野駅 | 約50分 |
※所要時間は目安です。夏の観光シーズンは渋滞により余分に時間がかかる場合があります。
北から順に下っていく形で並んでいるため、旭川空港を起点に美瑛から富良野へ南下するルートが、もっとも無理のない動線になります。
ラベンダーの見頃と品種ごとの開花時期

富良野・美瑛のラベンダーは、6月下旬から8月上旬にかけて順番に咲いていきます。
ひと口に見頃といっても、植えられている品種によって1か月近い開きがあるため、いつ行くかで見られる景色は変わります。品種ごとの開花時期と、刈り取りのタイミングを押さえておきましょう。
濃紫早咲は6月下旬から色づきはじめる
シーズンの口火を切るのが、早咲きの代表格である濃紫早咲3号です。名前の通り濃い青紫が特徴ですが、実際に色が濃いのは開花前のガクの部分で、咲いた花はやや淡い青紫になります。つぼみの状態でも十分に紫が濃く見えるため、開花前から写真映えするのがこの品種の強みです。
開花が始まるのは6月下旬頃で、見頃を迎えるのは7月上旬。上富良野のかんのファームは、周辺でもっとも早く色づく畑として知られています。6月中の旅行になる場合は、早咲きの作付けが多い畑を選ぶと空振りを避けられるでしょう。












