前半戦が終わりサマーブレイクへ
ついに9月4日から女子ソフトボール・JDリーグの後半戦が始まります。愛知県刈谷市を拠点とする豊田自動織機シャイニングベガ(以下、豊田自動織機)は、22試合を終えて17勝5敗、勝率.773。西地区の首位を走る豊田自動織機は、昨年の地区優勝・年間優勝を果たしたトヨタレッドテリアーズにも3勝差をつけています
そんな豊田自動織機は前半戦終了時点で、ポストシーズン出場が決定。全16チームの中で最も早く、年間優勝に向けての道が開けたのです。

現在西地区首位の豊田自動織機シャイニングベガ-JDリーグ撮影
うまくいきすぎた前半戦
今季で豊田自動織機の指揮官となって10年目を迎えた永吉 慎一監督。前半戦を振り返る永吉監督の口から出てきたのは、意外な言葉でした。「うまくいきすぎですね。そこまで仕上がったチームではないけど、うまくいきすぎてるなというのは感じています」
選手たちの頑張りは「100点満点」と評価する一方で、指揮官としては冷静な視点。「次代を担う選手たちがまだ十分に育っていない中でのこの成績というのは、勘違いしなければいいが…」好調なチームにあっても、決して現状に満足しているわけではない。そんな永吉監督の言葉からは、後半戦を見据えた確かな危機感も感じられました。
それでも ”今年の豊田自動織機は何かが違う” ということは選手たちも感じているよう。では、その好調を支えているものはなんでしょうか。尋ねてみると、「今までにはないチーム作り」が大きな要因だと教えてくれました。
「毎年、選手のメンバー構成を考えたうえで守備のチーム、打撃のチームと大まかな方向性を決めています。それでも守備を鍛えつつ、やはり打撃にも力を入れなければならない…と考えたり。1点取った後に逃げ切るため、もう少し守備に時間をかけようか…と使い分けていましたが、今年はどちらにも十分な時間をかけているんです」

チームが好調の理由はチーム作りに違いがあった-JDリーグ撮影
攻守のバランス
守備か打撃か。これまではチームの特徴や状況に応じて、どちらかに重点を置くこともあったといいます。しかし今年は、走攻守すべてに時間をかける。そんなチーム作りを大きく支えているのが、移籍2年目にして主将に抜擢された沢 柚妃選手です。
「沢がチームをうまいことまとめてくれているんです。なので走攻守、さらに沢のチームをまとめる力というのがプラスされているので、今の結果に繋がっているんだと思っています」
永吉監督は沢選手について語る際に「人として信頼ができる存在」言いました。練習への取り組み方や人間性を見たうえで、主将を任せるなら「沢しかいない」と決断したそう。「あそこで踏み切って沢にして良かった」その言葉からは、沢選手への厚い信頼と、主将に託した思いが伝わってきます。

移籍2年目という沢選手の存在が今年は大きいようだ-JDリーグ撮影
投手の成長
さらに、前半戦17勝という成績を支えたのが、投手陣の活躍です。今年は若手の左腕・山下 千世投手と、現在西地区防御率ランキング4位のレクシー・キルフォイル投手。そして浅井 茉琳投手と堀脇 千晴投手の4人で前半戦22試合を戦い抜いてきました。
豊田自動織機の投手起用に新たな風が吹いたのは、昨年11月に行われたダイヤモンドシリーズ。トヨタとの準決勝という大舞台で先発を任されたのは、まだ経験の浅い山下投手でした。豊田自動織機のこれからを担う若手に大事な一戦のマウンドを託した永吉監督。 試合には3-0で敗れたものの、その堂々たる投球は永吉監督も「立派だった」というほどだったのです。
当時、「この悔しさを活かせたら」と話していましたが、今回のインタビューで「山下は去年の経験がちゃんと活かされていると思います」とコメント。 外国人投手の存在感が大きかったチームに、新たな変化がうまれたのです。
一方で山下投手だけではなく、キルフォイル投手に対しても「いい仕事をしている」と評価。 「昨年は登板数が少なかったので、今年はどうかなと思っていました。でも、ポイントをしっかり押さえて仕事をしてくれていますね」と振り返ります。 さらに「堀脇や浅井など、ショートイニングではありますが自分の役割を分かって準備してくれているので、そこは安心しています」















