「日本にいる時は日帰りで少し遠くまで出かけたりします。」
新しい景色を見ることでリフレッシュしている。
──趣味のミュージカル鑑賞について教えてください。
「日本に住んでいるときのことです。『オリバー!』を観た時に感動して、それから好きになりました。」
スポーツとは違う世界。だからこそ心が惹かれる。そう語る表情は競技者とは少し違って見えた。
──最近ハマっていることはありますか。
「犬ですね(笑)。犬と戯れるのが好きなんです。」
即答だった。
「本当は飼いたいんですけど、遠征が多いのでなかなか難しくて。」
それでも犬を見かけるとつい立ち止まってしまうという。

犬が大好きな佐藤選手は練習の合間にも癒しをもらっている-佐藤選手提供
──遠征先で必ず探してしまうものはありますか。
「その国のおいしい食べ物ですね。」
そしてもう一つ。スペインを拠点としている佐藤千文選手ならではのエピソードも。
「抹茶です(笑)。抹茶のアイスなんかも探します。でも、海外で手に入る抹茶はあまり美味しくないんです。」
そういっても世界中で抹茶商品を見つけると試したくなる。
「でも意外とおいしくなかったりするんですよ(笑)。」
世界を飛び回るアスリートが、日本らしいものについ触れたくなる想いを教えてくれた。
もしパデル選手でなかったら
──パデル選手になっていなかったら何をしていたと思いますか。
「看護師をしていたと思います。」
競技の道を選ばなければ、まったく違う人生があった。
それでも今の選択に後悔はない。
佐藤千文選手が語る「パデルの魅力」
パデルを一言で表すと、「見てもやっても楽しいスポーツです。」とシンプルだが、本質を突いた言葉が出る。では、アジア大会で初めて観る人たちへ、佐藤千文選手がパデルの魅力を教えてくれた。
──初めて観る人に注目してほしいポイントは。
「ガラスを使ったショットですね。あとはラリーが長く続くところです。壁を使うので、テニスよりも面白いプレーが生まれやすいと思います。」
壁を利用したダイナミックなプレー。思わず歓声が上がるようなトリックショット。それこそがパデルの醍醐味だ。
さらにもう一つの理由がある。
「ダブルスしかないスポーツなんです。」
自然と仲間ができる。コミュニティが生まれる。それが世界的な人気につながっていると教えてくれた。
──佐藤選手のプレーを観て、やってみたくなる方もいるでしょう。
「はい。パデルは、テニス経験者はもちろん楽しめます。でも未経験者も意外とラリーが続きやすいんです。」
新しいスポーツであるパデルは、誰でも気軽に始められるという。その敷居の低さも魅力だ。
「学校にパデル部ができたり、気軽に参加できるクラブやサークルが増えたりしたら嬉しいです。」
競技人口が増えること。次世代が育つこと。それが佐藤千文選手の願いだ。
佐藤千文選手が描くアジア大会後の未来
世間からの注目を集めるであろう、日本のパデル競技。一方で、アジア大会後に描く佐藤千文選手自信の未来についても語ってもらった。
目指すは世界100位
──将来的にどこを目指していますか。
「FIPランキング世界100位以内です。」
FIPパデルランキングとは、国際パデル連盟(FIP)が管理する、パデルのプロ選手の世界公式ランキングのこと。選手が直近で出場した大会のうち、成績上位22試合分の獲得ポイントを合計して順位が決まる。
さらに対象の大会の中でも最高峰に位置する「プレミアパデル」。テニスでいうグランドスラムにあたる大会で戦うことも目標に掲げている佐藤千文選手だ。
実現したいアカデミー構想
トップアスリートとして、パデル界でさらなる高みに到達するであろう佐藤千文選手。しかし、パデルで叶えたい夢についても教えてくれた。
──パデル界で実現したい夢はありますか。
「最終的にはアカデミーを作りたいです。」
自分が海外で得た経験を次世代へ伝える。それが夢だという。
「やっぱり楽しいからですね。」と、パデルを続ける理由を語る佐藤千文選手。
「この競技をやっていなかったら出会えなかった人がいますし、行かなかった国もあります。」
パデルが人生そのものを広げてくれた。その経験を少しでも多くの子どもたちに継いで行きたいという想いがアカデミー創設という夢に向かわせるのだ。

今後のパデル界を担う佐藤選手の夢はまだ終わらない-佐藤選手提供
佐藤千文選手の大切なもの
トップアスリートにとって、勝つことが自らの存在意義を示す。しかし、佐藤千文選手には勝つこと以上に大切なものがある。

















