


広島平和記念公園
平和と歴史を体感する観光名所、広島平和記念公園
1945年の原爆投下の記憶を刻み平和を願う象徴的な場所、広島平和記念公園。広島平和記念資料館は2024年度に200万人以上が訪れ、訪日外国人の約35%が歴史や核兵器の影響を学ぶ。
原爆ドームや慰霊碑は過去の惨禍を伝え、8月6日の平和記念式典は世界の注目を集める場所となっている。
平和学習と歴史的背景
原爆の歴史と平和の大切さを伝える中心地、広島平和記念公園。広島平和記念資料館では、2024年度に200万人以上が入館(そのうち約70万人は訪日外国人)。展示を通して核兵器の影響や当時の広島を学んでいる。
また、原爆ドームは1996年12月7日にユネスコの世界遺産に登録された建造物で、原爆の爆心地近くに立つ原爆死没者慰霊碑では、毎年8月6日に広島平和記念式典が行われる。
広島平和記念式典では、核兵器廃絶と世界平和を願う強いメッセージを発信する場になっていて、学生や平和活動家にとっても貴重な学びの機会になっている。
体験型コンテンツで歴史を体感
広島平和記念資料館では、VR技術を活用した展示「PEACE PARK TOUR VR」が高い人気を集めている。この体験型コンテンツでは、被爆前の広島の街並みをリアルに再現。VRゴーグルを通じて当時の暮らしや風景を臨場感たっぷりに体感することが可能だ。
本ツアーでは、原爆投下後の惨状や復興の過程も描かれており、戦争の悲惨さと平和の尊さを直感的に理解できる構成。
ツアーの所要時間は約80分。1回あたり最大6名まで参加可能だ。料金は大人(12歳以上)が3,500円、子ども(6〜11歳)が1,000円である。
対象年齢は6歳以上で、英語対応も行われているため、外国人観光客も利用しやすい。ツアーは広島平和記念公園レストハウスを発着点としており、事前予約が推奨される。
このように、「PEACE PARK TOUR VR」は、歴史を“知る”だけでなく“感じる”ことができる、現代ならではの平和学習体験である。
被爆資料と企画展で深まる平和学習の場
広島平和記念公園内にあるレストハウス地下1階の展示室では、被爆当時の広島の街並みや人々の暮らしを再現した資料が展示されており、戦争の悲惨さと平和の尊さを肌で感じることができる空間となっている。
実物資料や再現模型、映像コンテンツなどを通じて、当時の生活や被爆の実態を多角的に学ぶことができる有意義な学びの場である。
また、3階の多目的室では、定期的に平和や人権、戦後復興などをテーマにした企画展が開催されている。展示内容は時期によって変わるため、何度訪れても新たな発見があり、リピーターにも好評である。
国内外のアーティストや研究者による特別展示が行われることもあり、視野を広げる機会にもなっている。
桜並木と自然の魅力
広島平和記念公園は、都市の中心にありながら、約12万平方メートルの広大な緑地を有する自然豊かな空間。園内には約300本のソメイヨシノが植えられており、春になると一斉に咲き誇る。
特に3月下旬から4月上旬にかけては、花見スポットとして地元住民や観光客に人気があり、原爆ドームや元安川を背景にした桜の風景は、写真映えする絶景としても知られている。
園内はバリアフリー対応が進んでおり、ベンチや遊歩道も整備されているため、家族連れや高齢者でも安心して散策を楽しむことができる。春の桜だけでなく、夏の新緑、秋の紅葉、冬の静寂と、四季折々の自然が感じられるのもこの公園の魅力である。
平和記念式典の意義と国際的な注目
毎年8月6日に広島平和記念公園で開催される平和記念式典は、原爆によって命を奪われた人々を追悼し、核兵器廃絶と恒久平和を願う場として、国内外から大きな注目を集めている。
2025年の式典は、被爆80年という節目にあたり、例年以上に厳粛な雰囲気の中で執り行われる予定である。広島市は、国内外の来賓や青少年代表の参列を促進し、平和の理念を広く共有する取り組みを進めている 。
また、2025年7月には天皇皇后両陛下が広島を訪問され、原爆死没者慰霊碑に御献花のうえ、被爆遺構展示館をご視察された。このご訪問は、被爆地・広島に対する深い思いと、平和への祈りを象徴する出来事となった。
さらに、被爆地・広島出身の政治家として前首相の岸田文雄氏は、2024年8月6日の平和記念式典において恒久平和の実現に向けてのメッセージを述べられた。
この式典には、地元住民や被爆者遺族、国内外のメディア、各国の外交団も多数参加しており、広島から発信される平和のメッセージは、世界中に向けて広がっていくもの。
若い世代にとっては、過去の悲劇を学び、未来に向けて平和を築く意識を育む貴重な機会といえる。
広島平和記念公園の近隣スポット情報
広島平和記念公園周辺には「原爆ドーム」(徒歩約1分)、「広島平和記念資料館」(徒歩約3分)、「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」(徒歩約4分)、「広島国際会議場」(徒歩約5分)など、歴史や平和について学べる施設が集まっており、国内外から多くの観光客が訪れる人気エリアだ。
また、「広島城」(徒歩約15分)では城郭と庭園の美しさを楽しめ、「縮景園」(徒歩約20分)では四季折々の風景が広がる日本庭園を堪能できる。地元グルメでは「お好み村」(徒歩約10分)などで広島名物のお好み焼きを味わえるので、ぜひ立ち寄ってみたい。
スポット基本情報
スポット情報
- 住所広島市中区中島町1および大手町1-10
- TEL082-504-2390(広島市緑政課)
- アクセス
① 東京駅 - 新幹線 約4時間(東海道・山陽新幹線「のぞみ」、広島駅直通) - 広島駅 - 広島電鉄(路面電車)約15分(2号線または6号線「原爆ドーム前」下車) - 徒歩約5分
② 大阪駅 - 新幹線 約1時間30分(山陽新幹線「のぞみ」、広島駅直通) - 広島駅 - 広島電鉄(路面電車)約15分(2号線または6号線「原爆ドーム前」下車) - 徒歩約5分
③ 名古屋駅 - 新幹線 約2時間20分(東海道・山陽新幹線「のぞみ」、広島駅直通) - 広島駅 - 広島電鉄(路面電車)約15分(2号線または6号線「原爆ドーム前」下車) - 徒歩約5分
④ 博多駅 - 新幹線 約1時間5分(山陽新幹線「のぞみ」、広島駅直通) - 広島駅 - 広島電鉄(路面電車)約15分(2号線または6号線「原爆ドーム前」下車) - 徒歩約5分
⑤ 札幌駅 - 飛行機 約2時間10分(新千歳空港から広島空港) - 広島空港 - リムジンバス約45分(広島駅下車) - 広島駅 - 広島電鉄(路面電車)約15分(2号線または6号線「原爆ドーム前」下車) - 徒歩約5分
- その他【営業時間】常時開放(園内の広島平和記念資料館を除く) 【休館日】年中無休 【その他】有料駐車場有り(※大型バスに限る)

- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )