マカオでの3試合とも苦しい場面があった。それでも、悠然としたところがぶれなかったように見えた宇都宮。この理由を、チーム一筋の36歳、遠藤祐亮はこのように話した。

現地で宇都宮ブースターが掲げた祝勝ボード‐永塚和志撮影
日本勢3連覇、EASLの成長、そして国際リーグの未来
決勝戦に先んじて行われたのが、琉球とアルバルクとの3位決定戦だった。試合は琉球が77-76という接戦で制した。
展開は、21度もリードが変わる激しいシーソーの様相を呈した。その中で、最終クォーターの残り数秒。1点リードのアルバルクはタイムアウト明けの速い攻めからセバスチャン・サイズがリング下からシュートにいく。
ところがこのシュートが外れ、すかさず琉球がファストブレーク。右サイドを上がっていた佐土原遼にパスがつながる。すると、佐土原は「ピノイステップ」などとも呼ばれる巧みなユーロステップを駆使。アルバルクのブランドン・デイヴィスのブロックをかわしレイアップシュートを決めた。こうして琉球は、逆転に成功した。

3位決定戦終了後 喜ぶ琉球ゴールデンキングス、ジャック・クーリー‐永塚和志撮影
激戦を制した琉球と、悔しさを抱えたアルバルク
残り約5秒。アルバルクは再逆転を試みるも、小酒部泰暉が放った3Pが外れ、試合は終了した。
劇的な最終盤を経て、ブザーが鳴る。すると、琉球のジャック・クーリーはコートの中央で体を震わせるように動かしながら、歓喜に吠えた。大量のアドレナリンが体内で湧き出していたに違いない。
昨年のFinal 4(今シーズンは出場チームが4から6に増えたためFinalsと改称された)、琉球は1つの勝ち星も挙げることができずに失意の4位に終わった。
目指していた優勝ではなく、順位は1つ上がっただけかもしれない。だが、「銅メダル」を首に帰国できることは琉球にとって大きな意味があった。
クーリーが語ったEASLの意義
「初日(準決勝)に敗れたから僕らが激しく戦わないことだってありえた中で、今日は自分たちらしく40分間、すべてをぶつけて戦うことができたことは本当に誇らしい。それにここからBリーグに戻っても大切な試合がたくさんある。ここでこのようにやるべきこができたことはこの先にもつながっていくと思う。」
シーズンでは平均の出場時間が25分弱ながら、この3位決定戦で35分以上コートに立ったクーリーは、このようにマカオでの戦いを振り返った。琉球在籍7年目の大黒柱は20得点、8リバウンドを記録して、試合のMVPとなった。
対して、アルバルクは口の中の苦い味とともに帰国することとなった。今月末、ビッグマンで帰化選手のライアン・ロシターがBリーグのインジュアリーリスト(故障者リスト)入り。そのため、EASL Finalsでも苦戦は予想されていた。

この試合のMVPに輝いたジャック・クーリー‐永塚和志撮影
商業成長を続けるEASLと、国際リーグとしての課題
準決勝の桃園戦では76-102と大敗。しかし、3位決定戦では粘り強く戦いながら接戦に持ち込んだ。しかし、最後は運が見方にしなかった部分もあって、敗れた。
「めったにない負け方で、チームとしてもショックを感じました。」と吐露したのは、アルバルクのベテランの1人、安藤周人。一方で、今シーズンが初参戦となったEASLのシーズンやFinalsを経て「技の種類が違う」各国のチームと対戦することで「日本では味わえない」ものを経験することができたと述べつつ、前を向いた。
こうしたEASLの3シーズン目に幕が下りた。優勝金額が前年から1.5倍の150万ドルへと増額された今シーズン。試合中視聴者数も同じく1億9200万回から2億4000万回となり、スポンサーの数が24から55と増えた。リーグの商業的な成長は如実に表れている。
売上がおそらくは大きく増えているだろう。とはいえ、投じている金額も規模の拡大等に比例して大きくなっていることが想像される。

勝敗は別に大きな経験値を得たと話した安藤周人-永塚和志撮影

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