ありがとう青学の最終章は劇的な結末に
運命の最終クォーター、サンロッカーズ渋谷にモメンタムをもたらしたのは野﨑だった。その直後から、鮮やかな3ポイントシュートを決めた野﨑。続いても、ディフェンス、ルーズボールと献身的な動きを見せた。
この野﨑のシュートで勢い付いたサンロッカーズ渋谷は、ホーキンソンも会心の3ポイントシュート。追いすがるアルティーリ千葉だったが、ここからロウザダが2本の3ポイントシュートを決めるなど試合を支配したサンロッカーズ渋谷。その後、アルティーリ千葉に追いつかせることなく、79-69でメモリアルゲーム初戦を制した。

3ポイントを決めてポーズを取るホーキンソン-Journal-ONE撮影
ブースターに、青山に、想いを伝える
日本語に込めたマルティッチHCの「ありがとう」
青山記念会館での最終節で勝利したサンロッカーズ渋谷。その後、ブースターの前でマイクを持ったゾラン・マルティッチヘッドコーチは、流ちょうな日本語で“特別な試合”で勝利を掴んだ喜びを現した。
メモリアルな一戦で、マルティッチHCが“敢えて”日本語で語り掛けた想いについて、試合後に話を聞いた。
「郷に入れば郷に従え。日本のファンに、このメモリアルな試合に来ていただいた感謝の意を日本語で伝えたいのです。」と教えてくれたのは、矢代雪次郎アシスタントコーチ兼通訳だ。
マルティッチHCは日本語学校に通い、自らで日本語のコメントを作りあげると言う。「日本語のイントネーションや、表現が相応しいかどうか。その確認を依頼されることはあります。しかし、殆どが自分で日本語のコメントを考え、日本のファンに想いを伝えようとしています。」と、日本を理解しようとするマルティッチHCの熱意を教えてくれた。

欧州バスケの名将・マルティッチHC-Journal-ONE撮影
ありがとう青学は、“日本のファン文化”への敬意
そもそも、マルティッチHCは輝かしい実績を持つ指導者だ。ウクライナ、北マケドニア、ポーランド、スロベニアで指揮を執った名将は、千葉ジェッツのアシスタントコーチから日本のバスケットボールに触れた。
「日本のバスケットボールは、私の知るヨーロッパのそれとは異なる特色があります。」と、語り始めたマルティッチHC。その最たるものが、日本のファンの温かさだと言う。
「シーズン終盤、私たちにプレーオフ進出のチャンスはありません。相手のアルティーリ千葉も同様です。それなのに、この試合のチケットはソールドアウト。立ち見まで出るほどファンが見に来てくれました。」と、大きなジェスチャーを交えて驚きを表現した。
「加えて、ファンのチームに対する温かさにも驚かされます。」と続けたマルティッチHC。これは、試合に負けても誰も誹謗中傷の類の表現をせず、前向きに応援してくれる姿勢のことだと教えてくれた。
「今シーズンは本当に良いゲームが出来ませんでした。それでもファンは、ネガティブな言葉を発さずに応援し続けてくれます。そのファンの応援に感銘を受けました。」と、サンロッカーズ渋谷ブースターたちに最大限の賛辞を贈っていた。

日本のファンは特別と語るマルティッチHC-Journal-ONE撮影
青学が育んだ“ブースターとチームの絆”
この素晴らしいブースターたちに感謝の意を伝えたい。そのためには、通訳を介さず、自らが考え抜いた日本語で伝えたい。これが、この試合後に発せたれた日本語でのスピーチの理由だった。ファンと共に戦い続けるサンロッカーズ渋谷の象徴ともいえる行動だった。
「直前までは試合に集中していました。ですから、試合が終わりホッとしたところで、覚えていた日本語が少し飛んでしまいました(笑)。」と、少し恥ずかしそうな笑顔を見せたマルティッチHC。それでも、その想いは満員のブースターたちには十分に伝わっていた。この瞬間があるからこそ、サンロッカーズ渋谷のブースターは、最後の最後までチームを応援し続けるのだ。

日本語スピーチを披露したマルティッチHCと矢代AC兼通訳-Journal-ONE撮影
来季はトヨタアリーナ東京へ
来季、サンロッカーズ渋谷はトヨタアリーナ東京にホームを移す。Bプレミアという、一層華やかなリーグでブースターと共にどういった進化を遂げるのか。























