そうなのだ。
先に湖を歩いて、実際に体験したからこそ、この展示が「答え合わせ」になる。灯台の意味も、橋の意味も、すべてが腹に落ちる。

ムーミン谷のジオラマ② © Moomin Characters™
ムーミン谷の物語の核心に触れる。
あの灯台で、ママの孤独を感じた。あのテントで、スナフキンの哲学に触れた。あの屋敷で、寛容と自己保全のバランスを知った。
そして今、このジオラマを見ながら、それらがすべて、一つの物語の中で繋がっていることを、体で理解している。これが、羽毛田さんが言っていた「仕掛け」なのだ。

ジオラマでは、時間になると現れるムーミン一家の暮らしが現れる。—Journal-ONE撮影
パーク全体が、一つの大きな物語。その物語を、順を追って体験し、最後にこの場所で、全体像を見る。すると、自分が歩いてきた道のりが、物語の一部だったのだと気づく。自分が、物語の中にいたのだ。展示の最後には、ムーミンの物語を象徴するメッセージが掲げられていた。
「愛と寛容と家族と友情」
ムーミンの物語が、一貫して描いてきたテーマである。そして、それは、このパークそのものが体現しているテーマでもある。

展示コーナーの黄色い壁面には「愛と寛容と家族と友情」と記さてれいた。コケムス2F_展示エリア © Moomin Characters™
お約束の場所へ。世界最大級のグッズショップ「ムーミン谷の売店」

ここだけのオリジナルグッズも揃う「ムーミン谷の売店」© Moomin Characters™
展示を出ると1階に大きなショップがあった。「世界最大級のムーミングッズショップなんです」と羽毛田さんが笑った。
ああ、郵便局で言っていた場所だ。店内は、想像以上に広かった。マグカップ、ぬいぐるみ、文房具、アパレル、食器。ありとあらゆるムーミングッズが並んでいる。
ここでなら、時間がいくらあっても足りない。けれど、それでいいのだ。急ぐ必要はない。ゆっくりと、選べばいい。

ムーミングッズが充実するムーミン谷の売店② © Moomin Characters™
「コケムス」を出て、再び湖畔に立つ。
宮沢湖が、静かに光を湛えている。朝、この湖を見たときには、ただ美しいと思っただけだった。けれど今、この湖を見ると、物語の舞台としての意味が見える。
ムーミン谷の、あの湖。ムーミンたちが暮らし、冒険し、愛し、悩み、笑った、あの湖。その湖が、ここにある。そして、私も、その物語の一部として、この場所に立っているのだと気づいていた。
「全部見てから、コケムスに入ると繋がる」
羽毛田さんの言葉の意味が、今、完全に理解できた。繋がったのだ。すべてが。物語と現実が、湖の水面のように、静かに、深く、溶け合っていた。

物語の余韻を湛えて、静かに光る宮沢湖。—Journal-ONE撮影













