色とりどりの傘が輝く、アンブレラスカイ 2026。Journal-ONE取材版がお届けする、ムーミンバレー完全攻略レポート【第一弾、第二弾、先行公開中!】

色とりどりの傘が輝く、アンブレラスカイ 2026。Journal-ONE取材版がお届けする、ムーミンバレー完全攻略レポート【第一弾、第二弾、先行公開中!】

埼玉県飯能市のムーミンバレーパーク。青い壁のムーミン屋敷の前に、色とりどりのシャボン玉が舞っている。手前には小川が流れ、背景には初夏の豊かな新緑が広がっている。
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「週末は家族連れでいっぱいになるんですよ」と羽毛田さんが教えてくれた。物語の中でヘムレンさんが子どもたちに遊園地を開放した場面が、この現実に再現されているわけだ。さぞや賑やかで平和な光景だろうと想像しつつ、こちらはひとまず、きのこの下でどっこいしょと腰を下ろし、乱れた呼吸を整えさせてもらう。

 

「スナフキンの前」で荷物を下ろす

おさびし山を下り、しばらく行くとテントが見えた。スナフキンのテントである。そして、まるで「まあ、お座りなさいな」とでも言いたげに、誘い文句のようなベンチが置かれている。スナフキンと向かい合うようにどっこいしょと腰を下ろして、焚き火の跡をぼんやり眺める。

「大切なのは、自分のしたいことを、自分で知ってるってことだよ」

スナフキンの名言が、頭の奥をかすめた。ここは、そういう場所なのだ。立ち止まって、考える場所。何かに追われるように生きている都会の日常から離れ、焚き火の残り火を前に、自分と向き合う。それが、この場所の意味なのだろう。

埼玉県飯能市のムーミンバレーパークにあるスナフキンのテント。手前には、黄色い花冠を帽子に乗せ、パイプをくわえて焚き火に手をかざすスナフキンの像が置かれている。

ベンチに座ればスナフキンの像と薪を囲むことができる—Journal-ONE撮影

「灯台」に漂うパパとママの日常

スナフキンテントを後にし湖畔の道をゆけば、灯台が見えた。湖に突き出た岬の先に立つ、白い「灯台」である。

「ムーミンパパは海に行きたがるんですよ」と羽毛田さんが教えてくれた。

「で、ムーミンママは花が好きで、特にバラが好きなんですけど、海には花がないでしょう? だから寂しくて、灯台の壁にペンキで花を描いたんです」

「灯台」の1階を覗き込むと、壁に花の絵が描かれていた。バラ、キンセンカ、パンジー、しゃくやく、りんごの木。ムーミンパパが「バラだね」と声をかけると、ムーミンママは「ちがいますよ、あれはしゃくやくよ」と不満そうに答える――そんな夫婦のやりとりが、目に浮かぶ。

ムーミンママの孤独を思うと、どこの世界も夫婦というものは一筋縄ではいかないのだと、妙に胸に迫るものがある。ムーミンパパが海を求め、ムーミンママが花を求める。その距離を、花の壁画が埋めようとしている。けれど、埋まらない部分も、きっとある。

埼玉県飯能市のムーミンバレーパーク。おさびし山の斜面に立つ白い灯台。背後には初夏の清々しい青空と豊かな新緑が広がっている。

ムーミンパパが家族と移り住んだ、白い「灯台」。—Journal-ONE撮影

遠くて近いフィンランド。水浴び小屋と宮沢湖

灯台を後にし、湖の対岸に目を向けると、湖畔に慎ましい木造の小屋を見つけた。

「あれが水浴び小屋です。ムーミンパパの作った水浴び小屋で、夏の間にムーミンたちは、泳いだり、釣りをしたり、ここでひと休みしたりします。冬には、別の住人・トゥーティッキの住処となります。トゥーティッキはトーベ・ヤンソンのパートナーであるトゥーリッキ・ピエティラがモデルなんですよ。」と羽毛田さんが指さす。

冬の物語に登場するトゥーティッキの住処でもあるこの小屋には、トーベ・ヤンソン自身がパートナーのトゥーリッキ・ピエティラと暮らしたクルーヴハル島での記憶も重なっているのだろう。

ムーミンバレーパークの宮沢湖の桟橋の先にある水浴び小屋

宮沢湖の桟橋の先にある水浴び小屋 © Moomin Characters™

歩いた距離が「コケムス」で意味を持つ

船も、山も、テントも、灯台も、すべてが物語の舞台である。けれど、それが全体の中でどういう意味を持つのか、パズルのピースはまだバラバラのままだ。

「全部見てからコケムスに入ると、『あ、ここ行った』って繋がるんですよ」と羽毛田さんが笑う。

なるほど、手の込んだ伏線である。今しがた歩き回り、息を切らし、水しぶきを浴びたこの現実の体験が、後で展示を見たときに一つに結びつく。この粋な仕掛けにまんまと乗りながら、私は物語の「解法」を求めて、次なる扉へと向かうのである。

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北欧の雰囲気を感じさせるモダンな3階建ての展示施設、KOKEMUS(コケムス)。—Journal-ONE撮影

「ムーミン屋敷」:寛容のドアと、それぞれの居場所

そして、いよいよ、「ムーミン屋敷」へ向かった。

青い屋根の円筒形の建物は、外から眺めるだけでも十分に愛らしいが、一歩中へ足を踏み入れれば、その細部の作り込みには、ただただ息を呑むばかり。入口は地下からだ。階段を下りて、薄暗い地下室に足を踏み入れる。

■記者プロフィール
編集部-小谷
ナイトランが好きなインドア派。旅と朝カフェ、鮮魚コーナーを愛するJournal-ONE編集部員。メーカーでのアートディレクター・商品企画を経て、気づけばメディア運用側へ。
アクセス

ムーミンバレーパーク

  • 住所
    〒357-0001 埼玉県飯能市宮沢327-6 メッツァ
  • TEL
    0570-03-1066(ナビダイヤル)
  • アクセス

    ① 東京駅 - 直行バス 約90分 - ムーミンバレーパーク

    ② 池袋駅 - 西武池袋線特急(Laview)約50分 - 飯能駅 - バス約13分

  • その他
    【営業時間】平日 10:00~17:00、土日祝 10:00~18:00 ※季節やイベントにより、変動あり  【休館日】不定休 【入園料金】1デーパス:大人 4,300円(前売 3,900円)、4歳~高校生 1,300円(前売 1,000円)  【その他】有料駐車場あり(約1,000台)平日 1,000円(2時間まで無料)、土日祝 1,500円
取材・文:
編集部- 小谷( 日本 )
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