福田五志氏の経歴―日本リーグで築いた実績
昨シーズン、戸田中央メディックス埼玉をチーム史上初の東地区優勝へ導いた福田五志氏。Journal-ONEでは、今年1月に福田監督(当時)への独占インタビューを実施している。
福田氏は日本リーグにおいて長年にわたり複数のチームを率いてきた。トヨタレッドテリアーズでの経験を含め、国内トップレベルの現場で指導力を発揮してきた。
戸田中央メディックス埼玉では、個々の能力に依存しない組織的な戦い方を徹底。その結果、チームとしての完成度を引き上げた。それが結実した昨シーズン、戸田中央の東地区優勝という結果につながった。
この実績は単なる成績にとどまらない。“チーム変革を成功させた指導者”としての評価を確立する契機となった。

東京駅付近で独占取材に応じた福田氏-Journal-ONE撮影
福田五志氏の指導論―勝利を生む組織の作り方
指導哲学に見る“規律と積み重ね”
福田氏はチーム強化の核として「規律」と「積み重ね」を挙げる。日々の行動や練習の質を高めることで、結果につなげるという思想である。
短期的な成果ではない。継続によって競技力を高めていく姿勢が特徴である。こうした育成方針がチーム文化として浸透することで安定した強さを生み出す。
また、個の能力ではなく「組織として勝つ」ことを徹底する点も大きな特徴である。
データと戦術を融合した現代型マネジメント
福田氏は経験則だけでなく、データ分析と戦術を融合させた指導を行う。
試合内容の可視化と再現性のある戦い方の構築により、チームとしての精度を高める。
このアプローチは“五位一体”強化の中核を成している。それゆえ、中国代表の再建においても重要な柱となるはずだ。

福田イズムの浸透で中国代表の躍進が楽しみ‐Journal-ONE撮影
アジアに広がる日本式指導―韓国代表にも日本人監督
日本式ソフトボールの影響は、中国だけにとどまらない。
韓国代表も2024年4月から、監督に九門篤志氏、コーチに藤本あさ子氏を迎えている。愛知・名古屋でこの秋開催されるアジア大会でのメダル獲得。加えて、それ以降の成長を目指してチーム強化に関わっている。
昨夏、Journal-ONEは韓国を訪問し、世界のソフトボール事情を取材した。そのひとつとして、大韓野球ソフトボール協会のヤン・ヘヨン会長に話を聞くことができた。やはりそこでも、韓国はアジア大会でのメダル獲得を見据えていた。日本の指導者を招聘した理由も、福田氏招請のそれと全く同じものであった。
九門韓国代表監督の出身は愛媛県。JDリーグ西地区でプレーオフ進出を果たした、伊予銀行ヴェールズの本拠地だ。その縁もあり、就任直ぐに伊予銀行ヴェールズとの交流を始めた。これまで幾度もの交流を経て、選手たちの能力向上や意識改革は着実に成果を挙げている。
さらに、香港代表も日本人の大島田氏がチームを率いている。こちらも、JDリーグ・NECプラットフォームズ レッドファルコンズの門を叩き、世界トップレベルのエッセンスを注入している。
このように、アジアの主要国において、日本の指導者が中心的な役割を担っている現状。これは、アジア大会、ロサンゼルス五輪を経て、さらに大きな潮流になると予想される。

韓国代表の九門篤志監督(韓国ナショナルトレセンにて)-Journal-ONE撮影
アジア全体の競技力向上へ―日本ソフトボールの影響力
昨年末のWBSCランキングで世界1位となっている日本女子ソフトボール。オリンピックでも常に”結果”を残していることは周知だろう。北京、東京に続く3大会連続金メダル獲得へ。2年後に迫ったロサンゼルスでも期待される種目だ。
その強さは、上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)、後藤希友投手(戸田中央)に代表される個々の能力。それに加えて、戦術、組織力、育成システムといった総合力に支えられている。

愛弟子・後藤投手との対戦が楽しみだ‐Journal-ONE撮影
福田五志氏による中国代表の改革。そして韓国代表や香港代表における日本人指導者の存在。これらは、“日本のスタンダード”がアジアへ広がっていることを示している。














