こうした面子も鑑みながら、大神氏のチームが見せるゲームはそれに応じたものとなってくる。
昨年はゲインズHCの指揮するチームで初めてA代表デビューを果たした赤木里帆(富士通)は、大神氏の指揮する今回の合宿では「また新しいバスケットの形を学ぶことができていて、すごく充実している。」と話した。
どういった点が「新しいバスケット」なのかを問われた赤木。味方を衝立とする「ピック」によってできる攻撃の間隙(ズレ)の作り方を例として挙げた。赤木によれば、大神HCのチームでは1度のピックプレーによってできるズレを、他の選手も流動的に絡んでいくことでより大きくしていくことに取り組んでいるという。
他方、身長が他国を比べて劣るとはいっても、リバウンドはバスケットボールの試合の勝敗を分ける大きな要素の一つ。こちらも、決して軽視するわけではない。むしろ、大神HCのチームではこの点をかなり重視していることが、合宿の様子や大神氏や選手たちの声からもわかる。

大脇晴(左)と粟谷真帆‐永塚和志撮影
悪いシュートを打たせる守備の徹底
単純な高さ勝負では叶わない。となれば鍵は、相手に対して心地よいシュートを打たせないことだ。
アンテロープスでも大神HCの指揮下でプレーをする岡本美優は、「(相手に)悪いシュートを打たせてそこからディフェンスリバウンドを取りきる。速い展開に持っていくのが大事だ。」と話す。
加えて、「私も今日、何回か練習中に言われました。リバウンドのところはもっと、もっと意識して、絶対に相手に取らせないぞという気持ちでやらなきゃいけない。」と述べた。

館山(左)、岡本美優(右)-永塚和志撮影
若手選手の成長とロスター争い
A代表定着を狙う若手の挑戦
今年のアジア大会は32年ぶりとなる日本開催だ。バスケットボール競技は男女とも昨年開業したばかりの愛知国際アリーナ(IGアリーナ)で行われる。
ワールドカップと同時期の開催により選手の編成などで難しさは生じてはいる。それでも、大神HCは合宿に参加している選手たちへの願望も吐露する。
それは、アジア大会だけでなく「中長期でモチベーションを持って」。こうして、将来にわたっても道を切り開いていってほしいということだ。
実際に、昨年のユニバーシティゲームズ(ユニバーシアード、ドイツ・ラインルール開催)に出場した岡本も
「次はA代表に絡んでいかないと、代表のこの場所には来られない」。
今年のアジア大会を皮切りにさらに代表への定着を狙っていきたいと話した。

岡本と共にアンテロープスから選出された田中平和‐永塚和志撮影
合宿で見せる個々の成長と未来への布石
2024-25のWリーグファイナルで際立った活躍をしたことで代表招集につなげた赤木。
しかし、その後は「自分が求められていることを表現できなかった」ことが継続しての大会出場につながらなかったと話す。この合宿やアジア大会を通して自らの力量を発揮していきたいと語った。
女子日本代表はアジア大会で過去5大会連続でメダルを獲得している。しかも、中国杭州開催の前回大会では決勝戦で中国に72-74とわずか2点差で敗退。銀メダルに終わった。
同チームの合宿は先月より始まり、同29日からは第3次合宿が行われている。
経験は少ないかもしれないが、日本のこれからを担う可能性のある才が集まった。明るい雰囲気の大神HCの指導の下、ここから最終的にどの選手がアジア大会のロスター入りを果たすのだろうか。

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