麺で味わう旭川の名物

旭川の麺料理は、全国に知られる醤油ラーメンだけではありません。
旭川産の米粉を使った焼きそばや、ホルモンをのせたラーメンなど、この街でしか出会えない一杯がいくつも生まれています。それぞれ成り立ちも食べられる店も違うので、順を追って見ていきましょう。
旭川ラーメンはWスープと焦がしラードで最後まで冷めにくい
旭川ラーメンの土台は、この街の産業の歴史そのものです。明治末期から昭和20年ごろにかけて養豚業が盛んだった旭川では、廃棄していた豚骨を活用しようとスープが考え出されました。
そこに骨の匂いを抑える工夫として煮干しや昆布などの魚介を合わせたものが、現在のWスープの原型になったと公式には説明されています。醤油味が基本になった背景には、豊かな水資源を生かした酒や醤油の醸造業がありました。
麺はスープとよく絡む低加水の縮れ麺で、仕上げに浮かべる豚脂は表面に膜を張り、熱を逃がさない役目を果たします。氷点下の外気にさらされても最後の一口まで温かいのは、この一手間があるからです。
名店の顔ぶれは2026年に入って動いた
旭川ラーメンを語るうえで欠かせないのが、1947年創業の旭川らぅめん青葉です。この本店が2026年8月6日、長く営業してきた2条ビル名店街から、買物公園沿いの4条通8丁目へ移転しました。
ローソン旭川買物公園店の隣にあたり、外観のサインは「RAMEN HOUSE AOBA」と掲げられています。旧店舗より広くなり、店内には歩みを紹介する展示も設けられました。
移転からまだ日が浅いため、旧住所を掲載したままの情報も多く残っています。訪問前には公式の案内で最新の場所と営業時間をご確認ください。なお、名店を一度に食べ比べたい方には、永山にあるあさひかわラーメン村という選択肢もあります。
旭川しょうゆ焼きそばは三つの決まりで定義されている
旭川しょうゆ焼きそばは、2010年の北の恵み 食べマルシェで試験的に販売され、翌年に正式デビューしたご当地グルメです。名乗るためには三つの条件を満たす必要があり、麺は旭川産の米粉と道産小麦を配合したもの、味付けは旭川産のしょうゆダレ、具材には旭川や道北産の食材を1品以上使うと定められています。
米粉が入ることで麺はもちもちとした食感になり、ソース焼きそばとはまったく別の料理に仕上がります。
出汁を効かせた和風のあっさり味もあれば、白醤油に焦がしバターを合わせたものもあり、店ごとの解釈の幅が広いのも特徴です。太麺から細麺まで麺の種類も分かれるため、複数店を回る楽しみ方もできます。
常時食べられる焼きそばの店は9店に絞られる
提供店の情報は、旭川しょうゆ焼きそばの会の公式サイトで確認できます。掲載されているのは11件ですが、このうちアートホテル旭川とたこやき ころのいえの2件はイベント時の移動販売のみの扱いです。
したがって、旅程に組み込めるのは常設の9件と考えておくと計画が立てやすくなります。飲食店だけでなく、KOKO HOTEL 旭川駅前やプレミアホテル-CABIN-旭川といった宿泊施設のレストランでも提供されており、朝食や夕食のついでに味わえるのは旅行者にとって利点です。
ただし、ホテル内での提供時間は限られる場合があります。訪れる前に各店へ直接ご確認ください。
旭川しょうゆホルメンはラーメンとホルモンを掛け合わせた
旭川しょうゆホルメンは、市内のラーメン店主たちが2012年に立ち上げたご当地メニューで、特許庁の商標登録も受けています。名乗るための決まりは四つあり、ホルメンレッドと呼ばれる赤い丼を使うこと、ラーメンは醤油味であること、やわらかく煮込んだホルモンをのせること、味の決め手に国産コラーゲンと旭川醤油を使うことが共通ルールです。
使われるのは豚の直腸で、臭みが出ないよう下処理された食感は独特です。スープや麺、ホルモン以外の具材は各店の裁量に委ねられているため、あっさり系からこってり系まで印象が大きく変わります。提供店は入れ替わりがあるので、公式サイトで現在の店舗をご確認ください。
旭川しょうゆ焼きそばを提供している店舗は、下記の通りです。
| 店舗名 | 一皿の特徴 | 提供形態 |
|---|---|---|
| 粉もんず 2条昭和通店 |
比布町の卵を使った目玉焼きをトッピング。道産小麦に旭川産米粉を配合した麺を、出汁の効いたしょうゆダレで仕上げます。 | 常設 |
| 粉もんず 豊岡本店 |
2条昭和通店と同じく目玉焼きをのせた一皿。厨房で調理したものを熱した鉄板にのせて提供されます。 | 常設 |
| 大雪地ビール館 | 旭川産のいも豚と近郊の野菜を使い、中華風にアレンジした焼きそば。旭川駅にほど近い宮下通にあります。 | 常設 |
| とり丸亭 本店 |
旭川産米粉でサクサクに揚げた塩ザンギをトッピング。オリジナルの醤油と魚粉で味を締めています。 | 常設 |
| とり丸亭 千代ヶ岡2号 |
本店と同じ塩ザンギのせ。テイクアウトにも対応しています。 | 常設 |
| めん丸 | 焼きそば麺を製造する須藤製麺工場の関連店。シンプルな元祖しょうゆ焼きそばに温泉玉子を合わせます。 | 常設 |
| 湯らん銭 旭川店 |
愛別産のきのこと地元精肉店のホルモンを、旭川のしょうゆダレで炒めた一皿。入浴のあとに立ち寄れます。 | 常設 |
| KOKO HOTEL 旭川駅前 |
旭川産米粉と道産小麦のもちもち麺に、ブランド豚の大雪さんろく笹豚を合わせています。 | 常設 |
| プレミアホテル-CABIN-旭川 レストラン ハレル |
にんにくを少し効かせたしょうゆダレに旭川産の笹豚を使用。きくらげが食感のアクセントになります。 | 常設 |
| アートホテル旭川 | 米粉麺と道産豚トロを香ばしく炒め、濃厚な醤油ダレで仕上げた一皿です。 | イベント時の移動販売 |
| たこやき ころのいえ |
人気の広島風お好み焼きを「旭川風お好み焼き」として提供しています。 | イベント時の移動販売 |












