吉金亜希子 スーパーサブからスタメンへ
歩んできたキャリアと評価
吉金亜希子は、伊予銀行ヴェールズにおいて着実に存在感を高めてきた選手の一人だ。派手さよりも実直さで評価を積み重ねてきたその歩みは、まさにチームに欠かせないピースとしての成長の軌跡といえる。
地元の済美高から伊予銀行ヴェールズに入団して7年目を迎える。
吉金は学生時代、U-16やU-18の女子ソフトボール日本代表に選出された。U18では、後にTOP日本代表にも選出された鹿野愛音(タカギ北九州)、笠原朱里(日立)、山本星(豊田自動織機)も。
現在、JDリーグで主力を張っているこの世代。当然、吉金も大きな期待を寄せられ、地元・伊予銀行ヴェールズに入団を果たした。
151cmと小柄ながら、その身体能力の高さと野球センスには定評がある吉金。トップリーグの世界においても、適応力の高さで徐々に役割を広げてきた。

高校JAPANにも選ばれたご当地選手・吉金-Journal-ONE撮影
吉金亜希子 役割の変化とスタメン定着
内外野どこでも守れ、機動力もある吉金亜希子。その能力を買われ、これまではスーパーサブとしてチームに貢献してきた。
加えて、ベンチスタートであっても試合の流れを読む力に長ける吉金。終盤の重要な局面で投入されることも多かった。そうした経験の積み重ねが、現在の安定感につながっている。
しかし、今季は開幕からスタメン一塁のポジションを獲得。9番打者として上位に繋ぐ役割を果たしている。この交流戦が始まる前までの打率は2割3分8厘。2年連続プレーオフ進出を目指す伊予銀行ヴェールズにとっても貴重な選手だ。
これまでの“スーパーサブ”という役割に代わり、打線のリズムを整える重要な役割を期待される吉金。特に、チャンスに強い1番・辻井美波の前での攻撃の起点として価値が高まっている。
好調の要因について尋ねると、「どんなボールにも対応できるよう、フォーム改造に取り組んだ成果がでている。」と笑顔を見せる。
その言葉の裏には、シーズンオフから地道に取り組んできた技術改革の積み重ねがある。打撃フォームの見直しは簡単なものではないが、結果として数字に表れ始めている点は大きな自信となっている。

吉金の代名詞・ヘッドスライディングも健在‐Journal-ONE撮影
交流戦で示した“恐怖の9番”の存在感
吉金亜希子 躍動した初戦のインパクト
交流戦初戦となったNECプラットフォームズ レッドファルコンズ戦。一塁スタメンとなった第1打席、死球で出塁すると自慢の機動力を活かして本塁を陥れる。
試合の立ち上がりから積極性を見せ、単なる出塁にとどまらず得点に結びつけた走塁は、チームの雰囲気を一気に引き寄せた。
続く第2打席は一転、1死二、三塁のチャンスでレフトオーバーの同点適時三塁打。この一打でチームは勢い付き、逆転に成功した。
長打力も兼ね備えていることを示した吉金。この試合で、“9番打者”という枠に収まらない打撃の幅広さを印象付けた場面でもあった。
さらに、第3打席でも三塁強襲となる安打を放ち出塁。惜しくも打ち合いに敗れた伊予銀行ヴェールズだったが、“恐怖の9番打者”のイメージを東地区に植え付けた。
結果以上に、その存在感が相手チームに与えたプレッシャーは大きい。打順に関係なく、試合の流れを変え得る存在として認識され始めている。

交流戦では巧打を連発した-Journal-ONE撮影
続く2戦目もシュアな打撃で勝利に貢献
翌日の大垣ミナモ戦でも、第1打席では投手強襲となる内野安打。続く第2打席では、走者を得点圏に置いての鋭い右打ちを見せて適時三塁打。チームの勝利に貢献した。
打席ごとに異なるアプローチを見せる柔軟性は、まさに成長の証。単なる好調ではなく、確かな技術に裏打ちされた結果である。
「元々、パンチ力のある選手。チームにおける自分の役割を理解し、努力を積み重ねている。」と、木谷謙吾コーチもその成長に目を細める。
その評価は現場の信頼の厚さを物語っており、指導陣からの期待も確実に高まっている。

木谷コーチも吉金の成長に目を細める‐Journal-ONE撮影


-
伊予銀行 体育センター
- 山陽新幹線 JR岡山駅 - 予讃線特急 特急しおかぜ(約180分)‐ 松山駅 - 伊予鉄道(10分)‐ 松山市駅 - 伊予鉄バス(15分)- 余土中学校前 徒歩すぐ
- 取材・文:
- 編集部-矢澤( 日本 )













