色とりどりの傘が輝く、アンブレラスカイ 2026。Journal-ONE取材版がお届けする、ムーミンバレー完全攻略レポート【第一弾、第二弾、先行公開中!】

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夕暮れの天保山にそびえる天保山大観覧車。カラフルなライトに彩られた巨大な観覧車が大阪港の空に浮かび上がる。
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不意打ちの大観覧車——大阪港駅への道

地下鉄の、あの薄暗い車内に閉じ込められていたかと思うと、電車は突然、機嫌よく坂を駆け上がりはじめる。まばゆい光とともに視界が一気にひらけて、大阪の町が左右へとダイナミックに飛び込んできた。気がつけば、すぐ隣を高速道路が並走していて、都会の真ん中を空中散歩しているような気分だ。

大阪港駅へ向かう電車の車窓から見える天保山大橋と大阪港の風景

地下鉄が地上へ出ると、車窓の向こうに天保山大橋が現れた。
そして港町の気配が濃くなっていく。—Journal-ONE撮影

しばらくして、ビル群の隙間から待望の海が顔を覗かせ、港町の気配が近づいてくると、いよいよフィナーレ。大阪港駅のホームへ、電車がするすると滑り込んでいく、まさにその時。

右側の車窓の向こうに、それはもう、不意打ちみたいに、どんと派手に現れた。

天保山大観覧車。夏の光を浴びて悠然と回り続けるその巨大な輪が、視界いっぱいに飛び込んでくる。そのただならぬ存在感に、胸の奥がざわりと動いた。

海遊館へ取材に向かう前日の夕刻、私はひとり大阪に降り立った。相棒のキャリーカートを、コロコロと転がしながらの、ひとり旅だ。

夕暮れの大阪港エリアにそびえる天保山大観覧車。街並みの向こうに巨大な観覧車が姿を見せている。

大阪港の街並みの向こうに現れた天保山大観覧車。雲間から差し込む光を受けながら、
その巨大な輪は静かに回り続けていた。—Journal-ONE撮影。

迷子の午後——天保山、山を探して

日本一低い山を探す旅

 

「天保山」。

その名前を聞いて、多くの人は水族館の隣にそびえる大観覧車か、天保山マーケットプレースのにぎわいを思い浮かべるかもしれない。だが、この地にはもう一つ、とびきり奇妙な名所がある。日本一低い山、標高4.53メートルの天保山だ。

ホテルに荷物を置き、夕方の風の中を歩きはじめた。大阪は六月四日に梅雨入りが発表されていた。この日はまだ雨こそなかったが、気温二十二、三度の空気はどこかねっとりと肌に絡みつく。まとめ髪の首筋に、湿り気を帯びた風がわずかにあたる。

前を歩くカップルの女性が、港から吹き抜けた風に髪がたなびくのをそっと手で押さえた。私は腕と首元に風を感じるだけで十分だった。

左手のどこかから太鼓の音が聞こえてくる。部活の練習だろうか。街路樹の葉がさわさわと擦れ合い、それが風のある証拠だと気づく。強くはない、背後からゆっくりと押してくる港の風だ。

サンタマリア号と、夕暮れの港

海遊館の方角を目指して歩いていたはずが、気づけば目の前に海が広がっていた。停泊するサンタマリア号。岸壁に腰を下ろし、思い思いに水面を眺める人々——どちらかといえば外国からの旅人が多い。その傍らに、ひとりの人魚の像が海の方を向いて佇んでいた。夕日が沈んでゆく水平線を、ひたと見つめるように。背中から風が吹いている。海へ向かって、陸の側から静かに。

広場をひとめぐりして写真を撮っているうちに、ふと気がついた。天保山へ行く時間が、なくなりかけている。

天保山の岸辺から望む夕暮れの大阪港。停泊するサンタマリア号の向こうに、夕日に照らされた海と港の景色が広がる。

天保山の岸辺では、停泊するサンタマリア号の向こうに夕日が広がる。
海を眺める人々の姿が、大阪港の穏やかな時間を感じさせてくれる。—Journal-ONE撮影

山頂標識は、ずっとそこにあった

Googleマップを頼りに歩きはじめると、なぜか海と平行に進んでいる。こんな平らな場所に、山があるのだろうか。歩くほどに体が熱を帯び、まとめ髪の生え際にじわりと汗が滲んだ。

天保山公園付近から見上げる天保山大橋。橋脚の手前に緑地と天保山エリアの風景が広がる。

天保山を探して歩く途中で見上げた天保山大橋。
まだこのときは、目当ての山頂標識がすぐ近くにあることに気づいていなかった。Journal-ONE

天保山公園に着いたとき、少しだけ安堵した。細長い公園の奥に大きな石柱のような塔が立っている。あの近くに山頂があるのだろう——そう見当をつけて歩きはじめたものの、それらしきものが見つからない。ぐるぐると探し回るうちに体はすっかり上気して、うなじにじっとりとした汗を感じる。

舟つき場の近くに出ると、数人の人が静かに船を待っていた。平日の夕方六時半に、ここからどこへ向かうのだろう。

「あの、天保山はどこにあるんですか」

思い切って、傍らのおばあさんに声をかけた。

「ああ、あそこの大きな塔がありますやろ? 右端見てみ?」

振り返れば、石碑と小さな山頂標識は、ずっとそこにあった。歩き回った末に気づくのは、なんとも天保山らしい結末だと思った。

標高4.53メートル。二等三角点が鎮座するその小山に立つと、大阪港の夕空がゆっくりと茜色に染まっていくのが見えた。汗の引いた首筋に、港の風がひとすじ、涼しく流れた。

天保山公園に設置された二等三角点の案内板と標石。標高4.53メートルの天保山を示している。

天保山はすぐそこにあった。歩き回った末にたどり着いたのは、
標高4.53メートルの小さな頂だった。—Journal-ONE撮影

天保山|アクセスと山頂について

天保山は大阪市港区に位置する、標高4.53メートルの二等三角点を持つ山。大阪港駅から徒歩約10分。天保山公園内にあり、山頂標識と石碑が目印。見つけにくいため、公園スタッフや周辺の人に聞くのが確実だ。

■記者プロフィール
編集部-小谷
ナイトランが好きなインドア派。旅と朝カフェ、鮮魚コーナーを愛するJournal-ONE編集部員。メーカーでのアートディレクター・商品企画を経て、気づけばメディア運用側へ。
取材・文:
編集部- 小谷( 日本 )
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