最後は、浦川円花が反撃を1点に封じ、佐久長聖が6-5で逃げ切った。
佐久長聖の主砲・阿部里音が見せた進化
殊勲の同点打を放った阿部は、試合後に警戒される立場になったことを振り返った。
「前日に見た京都外大西さんのインスタからも、警戒されていることが伝わってきた」。
攻めの変化に対応して臨んだ夏
「センバツ優勝後から、外角で勝負されることがとても多くなりました。」と、阿部は自身に対する攻めの変化を口にした。
自分のバットで少しでも勝利に貢献したいと考えた阿部。
「それで、夏に向けては外角のボールをしっかりと打つ技術を磨いてきました。それがここ一番で結果となって良かったです」。
そう話し、努力が実を結んだ打席を振り返り、笑顔を見せた。

“逆方向”に同点適時打を放つ阿部-Journal-ONE撮影
土壇場で放った価値ある一打
「途中で『このまま負けるのかな』という気持ちも少しありました。でも、ここまで3年間やってきたことや、みんながつないでくれたことを考えたら、自分が決めるしかないと思いました」。
さらに阿部はこう続けた。
「今まで打てていなかったので、『ここで打つために今日まで打てなかったんだ』と思って打席に入りました。みんなが回してくれたチャンスだったので、自分を信じて振り抜きました」。
野々垣監督も阿部への信頼を口にする。
「阿部はとても集中力の高い選手。今日のように打てていない試合でも、ここぞという場面で必ず結果を出してくれる選手です」。

試合後に笑顔を見せた阿部(左)と鈴木の殊勲コンビ-Journal-ONE撮影
佐久長聖を救った鈴木杏奈の決勝打
加えて、逆転劇を完遂させた5番・鈴木杏奈も打席を振り返る。センバツで何度もヒリ付く場面を経験してきた鈴木に打席に入る心境を聞いた。
すると、「センバツの経験があっても、あの場面では緊張しますよ。」とそう笑顔を見せた鈴木。それでも打席ではシンプルな考えを貫いた。
「自分のバッティングだけを心掛けて打席に入りました」。
その結果が、佐久長聖をベスト16へ導く決勝適時打となった。

緊張の打席で逆転適時打を放った鈴木-Journal-ONE撮影
佐久長聖が見据えるのは次の一戦だけ
この勝利で決勝トーナメント進出を決めた佐久長聖。順当に勝ち上がれば準決勝で神戸弘陵学園との再戦も見えてくる。
しかし、野々垣監督は先を見ていない。
「先を見る余裕はありません。選手たちも大人しい性格なので、センバツで優勝したとは思えぬほどいつもどおり野球に取り組んでいます。とにかく目の前の試合に全力を尽くすことだけ考えてこの夏を迎えています。」

「常に挑戦者」と変わらぬ長聖野球をする野々垣監督-Journal-ONE撮影
一方の阿部は、神戸弘陵学園への敬意を口にする。
「どのチームもですが、特に神戸弘陵さんは全てにおいて私たちを上回る実力を持っていると思います」。
しかし、あくまでも目の前の野球に全力を尽くすことだけを考える。
「本当に目の前の一戦に全力で臨むだけです。(対戦が実現しても)自分たちの野球を100%出し切りたいです」。
その結果、決勝トーナメントに進出した佐久長聖の次戦の相手は旭川明成(北海道)となった。試合は7月23日に行われる。無欲で戦う春の王者・佐久長聖。その次なる挑戦にも注目が集まる。














