パデルを始めようとラケットを探すと、形も重さも価格帯もばらばらで、どれを手に取ればいいのか迷ってしまいます。テニスラケットのようにガットが張られていないぶん、見た目の違いが打ち心地にどう結びつくのかも想像しにくいところです。
この記事では、公式規則で決まっている部分と自分で選べる部分を切り分けながら、形・重さ・硬さ・価格の4つの視点で選び方を整理しました。最初の1本を選ぶ目安から、ラケット以外にそろえたい道具まで順番にご紹介します。
パデルラケットとはどんなもの?

パデルラケットは、テニスラケットともバドミントンラケットとも異なる独自の構造をしています。
見た目の自由度は高そうに見えますが、実際には国際パデル連盟(FIP)の規則で寸法の上限が定められています。選び方に入る前に、どんな用具なのか、どこまでが規格で決まっているのかを確認しておきましょう。
ガットがなく、穴の開いた板状の面で打つ
パデルラケットは、ヘッドとグリップが一体になった板状の用具です。テニスラケットのようなガットは張られておらず、打球面には小さな穴がいくつも開いています。表面にカーボンやグラスファイバーを使い、内側にEVAと呼ばれるスポンジ状の芯材を詰めた構造が一般的です。
面が硬い板であるぶん、ボールは自分の力で飛ばす感覚が強くなります。ガットの反発を借りられないため、スイングの速さよりも、打点の正確さやコースの取り方が結果に表れやすいでしょう。
もうひとつ押さえておきたいのが、打球面は張り替えができないという点です。傷んだ部分だけを交換するという発想がなく、ラケットそのものが消耗品になります。この性質は、のちほど触れる買い替えの判断にも関わってきます。
大きさとリストコードは公式規則で決まっている
ラケットの寸法は、FIPの競技規則で細かく上限が決められています。全長やヘッドの幅、厚さ、打球面に開ける穴の大きさまで規定されており、詳しくは下記の通りです。
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| 全長 | 45.5cm以下(ヘッド+グリップの合計) |
| ヘッドの幅 | 26cm以下 |
| 厚さ | 38mm以下(検査時は2.5%の公差が認められる) |
| グリップ | 長さ20cm以下、幅・厚さはそれぞれ50mm以下 |
| 打球面の穴 | 中央部は直径9〜13mm。縁から4cm以内は形や大きさが異なってもよく、20mmを超えない |
| 打球面 | 両面とも平面。表面は滑らかでも粗くてもよい |
| リストコード | 伸縮しない素材で35cm以下。グリップに固定し、手首に巻いて使うことが義務 |
| 重さ | 規定なし(上限・下限ともに定めがない) |
出典:国際パデル連盟(FIP)
市販されている大人用モデルはこの範囲に収まるよう作られているため、購入時に規格を気にする場面はほとんどありません。ただし、ひとつだけ必ず覚えておきたいのがリストコードです。グリップに固定されたひもを手首に巻いて使うことが義務づけられており、プレー中にラケットを落としたり、コードが切れたりした場合は、その時点で失点となります。
なお、重さについては規則に上限も下限もありません。軽いモデルも重いモデルも規格上は同じ扱いで、次章以降の選び方は、あくまで扱いやすさの話だとお考えください。
形で選ぶ|ラウンド・ティアドロップ・ダイヤモンドの違い

パデルラケットは、面の輪郭によって大きく3つのタイプに分かれます。形が変わるとスイートスポットの位置と重心の偏りが変わり、同じスイングでもボールの飛び方に差が出てきます。
それぞれどんな打ち味になり、どんな人と相性がいいのかを順に見ていきましょう。
ラウンド型は、コントロールと扱いやすさを優先したい人向け
ラウンド型は、面の上部が丸く、輪郭が円に近いタイプです。スイートスポットが面の中央付近に広く取られているため、多少打点がずれてもボールが素直に飛んでくれます。
重心もグリップ寄りに設計されたモデルが多く、振ったときに軽く感じられるのが特徴でしょう。ネット際でのボレーのように、とっさにラケットを動かす場面でも遅れにくくなります。腕や手首にかかる負担が比較的小さい点も、始めたばかりの時期にはありがたいところです。
その一方で、先端に重さが乗っていないぶん、スマッシュで球速を出す力ではダイヤモンド型に一歩譲ります。ただ、最初のうちは強く打つ機会よりラリーを続ける機会のほうが圧倒的に多いため、この差が問題になる場面はそう多くありません。
ティアドロップ型は、攻守のバランスを取りたい人向け
ティアドロップ型は、名前の通り涙のしずくのような輪郭で、ラウンド型とダイヤモンド型のちょうど中間に位置します。スイートスポットは中央からやや上寄りで、重心も面の中央付近に置かれることが多いタイプです。












