慶應義塾大学が大学選手権ベスト4に進出。安定した試合運びで“勝つべくして勝った”慶應野球の本質に迫る。加えて、昨年王者・東北福祉大学との一戦を前に、その展望を予想する。

ベスト4に進出した慶應義塾大学-Journal-ONE撮影
慶應義塾大学の春季リーグ戦と大学選手権への流れ
東京六大学野球の春季リーグ戦を制したのは、慶應義塾大学だった。打率3割を超える打者を6人抱える超攻撃的な野球を展開して完全優勝。その結果、5年ぶり17回目の全日本大学野球選手権への出場を果たした。
今春の東京六大学は、話題の多いシーズンだった。まずは、東京大学が2017年秋以来9年ぶりとなる勝ち点を獲得。しかも、法政大学から勝ち点を奪取したのは、春のリーグ戦に限れば1997年以来29年ぶりという快挙だった。
加えて、天皇陛下ならびに愛子内親王が御覧になられた天覧試合が32年ぶりに行われた。この試合で勝てば、史上初の展覧試合での優勝であった慶應義塾大学。しかし、そこは早稲田大学が劇的なサヨナラ勝利で意地を見せて、翌日の3回戦で慶應義塾大学が優勝を決めた。
そんな慶應義塾大学は、大学野球選手権でもリーグ戦の勢いそのままに安定した試合を展開し、ベスト4に進出した。2回戦の函館大学(北海道学生野球連盟)戦、準々決勝の日本体育大学(首都大学野球連盟)戦。いずれも慶應義塾大学らしい攻守の噛み合いが際立ち、頂点へ向けた歩みが確かなものになった。

5年ぶりに選手権出場を果たした慶應義塾大学-Journal-ONE撮影
函館大学戦──初戦の難しさと勝負強さ
初戦で見せた慶應義塾大学の対応力
しかし、「色々な意味で入りの難しさがあった。」と函館大学戦後に、堀井哲也監督がコメントしたとおり。リーグ戦から間隔の空いた初戦は、打線が本来の力を発揮しきれなかった。
その一方で、試合巧者の慶應義塾大学は、先発の渡辺和大(4年・高松商高)がテンポの良い投球を披露。最速146km/hの直球と、ツーシーム、チェンジアップを巧みに織り交ぜ、函館大学打線に付け入る隙を与えなかった。

函館大戦で力投する渡辺和大-Journal-ONE撮影
拙守を逃さない“慶應の形”
すると打線は2回、1死満塁から丸田湊斗(3年・慶應義塾高)の犠飛で先制。続く3回にも、失策と四球で出塁すると、林純司(3年・報徳学園高)の適時二塁打、吉開鉄朗(4年・慶應義塾高)の犠飛で加点し、試合の主導権を握った。
「相手のミスにも助けられた。」(堀井監督)と、函館大学の拙守と与四球も効果的に得点に繋げた慶應義塾大学。主軸の中塚遥翔(4年・智辯和歌山高)を怪我で欠くなど、万全ではない打線が繋ぎに徹して函館大学にプレッシャーを掛け続けた。
その結果、終わってみれば、8回途中のコールド勝ち。好投したエース・渡辺も試合後、「(大学選手権は)負けたら終わり。行けと言われれば行きます。」と、連投も辞さない優勝への決意を語っていた。

先制の犠飛を放つ丸田-Journal-ONE撮影
日本体育大学戦──本来の力を取り戻した慶應義塾大学
しかし、慶應義塾大学は連戦となった日本体育大学(首都大学野球連盟)との準々決勝では、早くも投打が本来の力を取り戻した。
初回、この日1番に打順を上げた丸田が安打で出塁すると、4番・今津慶介(4年・旭川東高)の左線二塁打で先制。さらに、7番・吉野太陽(4年・慶應義塾高)の適時打で加点して一気に流れを掴んだ。
その後も、毎回得点を重ねた慶應義塾大学は、先発の広池浩成(4年・慶應義塾高)も好投。4回無失点の好投し、エース・渡辺を温存してコールド勝ちでベスト4へと駒を進めた。

3回に本塁打を放った吉野-Journal-ONE撮影
準決勝・東北福祉大学戦の展望と勝利の条件
慶應義塾大学が示す完成度と準決勝への追い風
第75回大学野球選手権での慶應義塾大学は、ここまで“勝つべくして勝つ”内容で試合を支配した。打線は野手の間を抜く基本に忠実な打撃に終始し、相手のミスや四球を確実に得点に繋げてきた。どの投手も危なげない投球で試合を支配してきたディフェンス力も注目に値する。













