
ふいに上空からスポットライトを浴びたにわか雨が、七色の光を放ちながら苔の平原へと注がれる。そのきらめきを目で追ううち、私たちは日常の重力をいつの間にか忘れてしまう。
ここでは、《太陽と雨の中の永遠の存在》と《開いた小宇宙の中のメガリス》——石造りの記憶と、光が生む天候とが、同じ空間の中で共存していた。
光に触れる

奥へ進むと、卵形の光のオボイドがいくつも配置された部屋にたどり着く。《呼応する小宇宙 – 固形化された光》だ。部屋に入ると、小学生くらいの背丈をした光のドームが、静かに私たちを待っている。 そっと手を添えると、じわりと色を変え、心地よい音色を響かせて周囲へ繋がっていく。
大きな相手に包まれるのではなく、自分より少し小さな存在と目線を合わせ、手のひらを通じて心を通わせるような、独特の優しさがこの距離感にはある。
豊洲『チームラボプラネッツ TOKYO DMM』でも、長居植物園『チームラボ ボタニカルガーデン 大阪』でも、同じ作品を経験しているはずなのに、こうして再び出逢ってみると、対話の奥行きがまるで違って聞こえるから不思議だ。
闇の中に浮かぶ太陽

そして最奥。暗い通路の先に、真っ赤な光が浮かんでいるのが見えた。吸い込まれるようにその光へと歩みを進める。行き止まりかと思いきや、道はまだ続いていた——チームラボメンバーが、迷いかけたこちらにさりげなく先を教えてくれる。館内にマップは存在しないが、要所要所にチームラボメンバーが立っているという安心感が、この巨大な空間を歩き通せた理由のひとつだったのかもしれない。
《質量のない太陽と闇の太陽》。光だけでできた球体をじっと見つめ続けると、やがてそこに「闇の球体」が立ち現れる。カメラには決して写らない。人間の脳と身体だけが完成させる、この日いちばん不思議な体験だった。
太陽が闇の中に現れる、この日いちばん不思議な体験を最後に、館内の巡回は終わりを迎えた。だが、チームラボ バイオヴォルテックス 京都の余韻は、出口を抜けた先にも続いている——自分の描いた絵が、その場でギフトに生まれ変わる場所へ。
▶第4部「東寺とチームラボ—1200年の時間を超えた対話(思想比較・締め)+施設情報」へ続く













