テニス経験者がまず面食らうのが、サーブの決まりごとです。パデルでは上から打ち下ろすサーブが認められておらず、打ち方そのものが根本から違います。さらに2026年には打点まわりの規定も整理されました。3つのポイントに分けて確認していきましょう。
サーブはワンバウンドさせて腰より下で打つ
パデルのサーブは、下から打つアンダーハンドサーブに限られます。ボールを自分のコートで1度バウンドさせ、腰より低い位置で打つのが決まりです。対角のサービスボックスをねらう点と、2回まで打てる点はテニスと同じになります。
テニスのようにトスを上げて頭上から打ち下ろす動作は認められていません。ジャンプしながら打つことも不可です。サーブでいきなり決めるのではなく、あくまでポイントを始めるための一打として設計されています。
そのぶん、テニスで見られるような一発で終わるサービスエースは起こりにくく、ラリーが始まりやすい競技になっています。
バウンド後に金網へ当たるとフォルトになる
サーブが相手のサービスボックスに入ったあと、壁に当たった場合の扱いも押さえておきたいところです。ボールが正しくバウンドしたあとにガラスへ当たるのは有効ですが、金網に当たった場合はフォルトになります。同じ「壁」でも扱いが分かれる点に注意が必要です。
また、ネットに触れてから正しいサービスボックスに入った場合は、テニスと同じくレットとなり、打ち直しになります。
ラリー中は壁を自由に使える一方、サーブだけは壁の扱いが厳しく決められています。ここを知らずにプレーすると、判定でもめる原因になりがちです。
2026年から打つ前のボール位置が厳しくなった
FIPの規則は2026年1月1日に改定され、サーブの規定が明確化されました。打つ瞬間より前に、ボールがサービスラインやセンターラインを越えてはならない、という内容です。ラインが引かれていない部分については、その延長線で判断されます。
実際の動作としては、体の前へボールを放り出すのではなく、真下に落として打つ形に整える必要があります。バウンドはサービスボックスの内側で、ラインから余裕をもたせた位置にとどめるのが安全です。
大会に出るなら早めに直しておきたい部分でしょう。最新の規定はFIPの公式サイトでご確認ください。
ラケットとボールの違い

コートの次に目につく違いが、手にする道具です。パデルのラケットは形も大きさもテニスとは別物で、ボールも見た目が似ているだけで中身が異なります。それぞれ何がどう違うのか、順に見ていきます。
ラケットはガットのない穴あきの板になっている
パデルのラケットは、ガットを張らず、表面に穴のあいた板状になっています。FIPの規則では全長45.5cm以下、幅26cm以下と定められており、テニスラケットの上限である全長73.66cmと比べると、かなり短い設計です。
穴があいているのは、空気抵抗を減らしてスイングしやすくするためです。面のどこに当たってもある程度まっすぐ飛ぶため、初めてでもボールを返しやすいとされています。
もう一つ、テニスにない決まりが安全コードです。手首に通す非伸縮性のひもをグリップに固定することが義務づけられており、これは競技ルール上の必須装備にあたります。市販のパデルラケットには標準で付いています。
ボールは見た目が似ていても空気圧が低い
パデルボールは、色も形もテニスボールによく似ています。並べても区別がつきにくいほどですが、内部の空気圧が低く設定されており、そのぶん反発力が小さくなっています。
FIPの規定では、直径6.35〜6.77cm、重さ56.0〜59.4gとされ、2.54mの高さから落としたときの跳ね返りは135〜145cmの範囲に収まる必要があります。弾みが抑えられていることで、狭いコートでもボールが行き過ぎず、壁を使ったラリーが成立しやすくなるわけです。
見た目が近いため代用できそうに思えますが、跳ね方が変わってプレーが成立しません。パデル用のボールを使ってください。
得点方式と試合形式の共通点

ここまで違いを見てきましたが、試合の進め方そのものはテニスとよく似ています。
スコアの読み上げ方がそのまま通じるため、経験者なら初日からゲームの流れについていけるはずです。共通する部分と、パデルならではの選択肢を整理しておきましょう。
ポイントの数え方はテニスと同じ
パデルのスコアは、15・30・40と進んでゲームを取る形で、テニスとまったく同じです。4ポイント先取でゲームが決まり、ゲームを積み重ねてセットを取る流れも変わりません。
試合形式は3セットマッチの2セット先取が基本になります。テニスのように5セットマッチが組まれることはほとんどありません。
つまり、スコアの数え方や審判のコールについて新しく覚えることはないわけです。テニス経験者にとっては、ここが入りやすさにつながっています。初めてコートに立つ人でも、得点のルールだけは説明がほぼ不要でしょう。












