デュースの処理は3つの方式から選べる
テニスと分かれるのが、40対40になったあとの扱いです。パデルでは複数の方式が認められており、2026年版の規則にはアドバンテージ、ゴールデンポイント、スターポイントの3つが選択肢として示されています。
なかでもスターポイントは2026年に加わった新しい方式です。アドバンテージを2回まで行い、それでも決まらなければ次の1ポイントで決着させます。長引きすぎるのを防ぎつつ、1球で終わる唐突さも避けるねらいがあります。
3方式の違いをまとめると、下記の通りです。
| 方 式 | 40対40になったあとの進み方 | 特 徴 |
|---|---|---|
| アドバンテージ | 2ポイント差がつくまで続ける | テニスと同じ進み方。ゲームが長引きやすい |
| ゴールデンポイント | 次の1ポイントでゲームが決まる | 試合時間が読みやすい。1球の重みが大きい |
| スターポイント | アドバンテージを2回まで行い、なお決まらなければ次の1ポイントで決める | 2026年から加わった選択肢。両方式の中間にあたる |
どの方式を使うかは大会や主催者の設定によって変わります。出場前に、その大会の要項で確認しておくと安心です。
公式ルールではダブルスで行う
パデルは2対2のダブルスで行う競技で、公式ルール上シングルスは想定されていません。コートが壁で囲まれている以上、1人で守り切るのは現実的ではないためです。
テニスのようにシングルスとダブルスを選べるわけではないので、プレーするには4人そろえる必要があります。ここは始めるうえでのハードルに感じるかもしれません。
ただ、施設によっては1人からでも参加できる体験会やレッスンが用意されています。ペアの組み替えを前提とした交流会も多く、人数がそろわなくてもコートに立つ機会は確保しやすくなっています。
テニス経験者がパデルで戸惑うポイント
ルールを頭で理解しても、実際に打ち始めると感覚のズレに驚く場面が出てきます。テニスで身につけた判断がそのまま裏目に出ることもあり、ここを先に知っておくと立ち上がりが楽になります。よくあるつまずきを5つ挙げておきます。
強打がそのまま決め球にならない
テニスでは深く速い球を打ち込めば主導権を握れますが、パデルでは事情が変わります。強く打ち込んだ球はバウンドしたあと背面のガラスまで届き、跳ね返ってきたところを相手が悠々と打ち返せるからです。
むしろ、力を抜いて壁まで届かせない球のほうが相手を困らせます。ボールの空気圧が低く弾みにくいのも、強打が決まりにくい理由の一つでしょう。
テニス経験者ほど、最初は「打っているのに決まらない」もどかしさを感じます。スピードではなくコースと高さで崩す競技だと切り替えられるかどうかが、最初の分かれ道になります。
スマッシュが壁で返ってくる
上がってきたロブに対して、テニスの感覚でスマッシュを叩き込むと、これも壁に阻まれます。強く打つほど跳ね返りが大きくなり、相手に時間を与えてしまうためです。
そのためパデルには、スマッシュ以外に上から打つショットが複数あります。日本パデル協会の解説でも、上のボールに対する打ち方はスマッシュ、バンデッハ、ビボラなど6種類あるとされています。
決めにいくのではなく、相手をコート後方に押し戻して優位を保つ打ち方が重視されるわけです。テニスにはない発想なので、ここは新しく覚え直す部分になります。
打たずに見送って壁の跳ね返りを待つ場面がある
テニスでは、追いつけるボールは基本的に打ちにいきます。しかしパデルでは、あえて打たずに見送り、壁で跳ね返ってきたところを打つ判断が有効な場面が少なくありません。
後方に抜けていく速い球は、無理に体勢を崩して打つより、跳ね返りを待ったほうが余裕を持って返せます。壁は攻めの道具ではなく、守りで時間を稼ぐためのものだと考えると理解しやすいでしょう。
この「見送る勇気」が身につくと、守備範囲が一気に広がります。テニス経験者にとっては、最も意識の切り替えが必要な部分かもしれません。
相手側の壁に直接当てると失点になる
壁を使えるといっても、使えるのは自分のコート側だけです。返球はネットを越えて相手コートの床に落ちる必要があり、床より先に相手側の壁へ直接当たった場合は失点になります。
テニスにはそもそも壁がないため、経験者は「壁は使えるもの」と大まかに覚えてしまいがちです。自陣と相手陣で扱いが逆になる点は、最初に押さえておきたいところでしょう。
ラリー中のコートの境界は、ラインではなく壁とネットで決まります。サービス時以外はラインを気にしなくてよいという点も、慣れるまでは戸惑う部分です。
2026年からラケットを落とすと失点になる
パデルのラケットには、手首に通す安全コードの装着が義務づけられています。テニスにはない装備なので、経験者ほど軽く考えがちな部分です。












