佐藤選手が作り出したチャンスを、小澤選手がフィニッシュする。
二人の役割分担は明確であり、その完成度こそが日本女子パデル界最強ペアと呼ばれる理由だ。

力強いスマッシュを放つ小沢琴巳選手-Journal-ONE撮影
パデル日本代表女子が試合開始から主導権を掌握
試合後、佐藤選手はこう振り返った。
実際に、その言葉通り立ち上がりの日本代表は無理な攻撃を仕掛けなかった。
まずは、長いラリーを続けながら相手にプレッシャーをかけることを優先する。その結果、カタールペアのミスが増え始め、日本代表は少しずつ主導権を握っていった。

笑顔を見せる佐藤千文選手-Journal-ONE撮影
慎重な立ち上がりから流れを引き寄せた第1セット
徐々にペースを掴んだ佐藤・小澤ペアは相手コート深くへボールを集め始める。
相手を後方へ押し込んだかと思うと、今度は佐藤選手がネット際へ絶妙なドロップショット。前後へ揺さぶられたカタール代表は次第に守備範囲が広がり、対応が遅れ始める。
そこへ小澤選手の強烈なスマッシュが炸裂。特にガラス壁コーナーを狙ったショットは観客席から大きなどよめきを引き起こした。
本場スペイン仕込みのゲームメイクとアジア屈指のパワー。両者の持ち味が噛み合った日本代表は、第1セットから終始主導権を握った。

注意深く相手を観察する小沢琴巳選手-Journal-ONE撮影
「積極的に点を取りに行く」挑戦を選択した第2セット
試合のハイライトは第2セットだった。
日本代表は4-1と大きくリードしていた。このため、安全策を選択することもできた。しかし、二人はあえて挑戦を選んだ。なぜなら、今後の強豪国との対戦を見据え、攻撃的なプレーの精度を確認したかったからだ。
その結果、一時は4-3まで追い上げられた。しかし、彼女たちに焦りはなかった。
小澤選手のショットは徐々に本来の威力を取り戻し、佐藤選手のボールコントロールも精度を増していく。積極的なトライによって見つけた手応えをそのまま次のポイントへつなげ、日本代表は再び流れを掌握。
終盤はカタールペアに反撃の隙を与えず、6-4で第2セットも奪った。
結果はセットカウント2-0。試合時間わずか58分。日本代表女子が理想的な形で大会初戦を終えた。

コミュニケーションも良くとれている佐藤・小澤ペア-Journal-ONE撮影
パデル日本代表女子が58分で快勝 大歓声が後押し
試合後、小澤選手は笑顔を見せた。
「日本代表女子の最初の試合として、先ずは勝てたことが何より。」
その表情からは安堵感が伝わってきた。
一方の佐藤選手も、「日本開催で特別な想いがあった。緊張はしなかったが、少し硬くなってしまった。」と率直な心境を明かした。
また、小澤選手は会場について、「コート周りのスペースが広いが、観客との距離も近い最高のロケーションだった。」と振り返る。大歓声が大きな力になったという。
そして次戦を見据えた佐藤選手は、「次戦は今大会で警戒しなければならない相手。今日試した色々なプレーと、たくさんの応援を背に自分たちのプレーにフォーカスして頑張りたい。」と力強く語った。

試合後、笑顔でインタビューに答える佐藤・小澤ペア-Journal-ONE撮影
パデル日本代表とともに広げたいパデルの魅力
今回の勝利は、日本代表女子の強さを示した試合だった。しかし、佐藤選手や小澤選手の挑戦はメダル獲得だけにとどまらない。
実は、二人が見据えているのは日本におけるパデルの普及でもある。実際に、大会前の独占インタビューで佐藤選手は「この大会をきっかけに日本でパデルを知ってもらいたい。」と語っていた。
つまり、アジア大会での活躍は単なる勝利以上の意味を持っている。だからこそ、一人でも多くの人に会場でパデルを体感してほしいのだ。


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- 取材・文:
- 編集部-矢澤( 日本 )













