「関大での投球の組み立てよりも変化球が多く、リズムが良くなかった点も話し合った。さらにバッテリー間のコミュニケーションを深め、こうした細かいところも埋めていければ。」と、本番に向けてさらなる上振れを期待した。

選手権MVPの米沢(関西大)も復調に向け順調だ‐Journal-ONE撮影
攻守で新たな戦力の台頭
リリーフの切り札候補に浮上した左腕・大城海翔
この合宿を通じ、一気に注目が高まった選手たちも初優勝に欠かせないピースとなるだろう。
まず投手では、仙台大学の左腕・大城海翔(3年・滋賀学園)だ。170cmと小柄な大城だが、ストレートの威力は抜群。
リリースポイントをできるだけ前にした投球フォームの大城。その低いリリースポイントから放たれたボールは、地を這うような球筋で低め一杯に構えた捕手のミットに吸い込まれていく。球速もMAX152km/hと常時150km/h超えを記録。変化球を見せ球に使いながら、東芝打線を1イニング三者三振に切って取った。
試合後、鈴木監督も「独特の球筋で、打者は打ち難いですよね。」と大城の快投に目を見張った。シート打撃から素晴らしい投球を見せていた大城は、この実戦でも見事に結果を出した。その結果、鈴木監督は勝利を締める重要な局面でのリリーフ登板を示唆している。

侍ジャパン大学日本代表 実戦で結果を残し注目される大城(仙台大)-Journal-ONE撮影
侍ジャパン大学日本代表に新たな武器 鈴木湧陽の俊足と守備力
一方、野手陣で目立ったのは、中京大学から選出された鈴木湧陽(3年・松商学園)だ。選考合宿の50メートル走で、全選手でトップとなる5秒78を記録して侍ジャパン入りを果たした。
東芝戦で9番・二塁でスタメン出場すると、セーフティバントの構えを見せるなど粘って四球で出塁。するとその直後に自慢の俊足でニ盗を成功させるなど、機動力野球に欠かせないプレーを披露した。
加えて、その俊足を活かしてスタンドを唸らせたのは、広い守備範囲だ。投手の横を抜け、セカンドベース付近を通過する打球に追いつくと、正確なスローイングで打者走者をアウトに。今度は一塁線上がったポップフライに誰よりも素早く反応。ファーストとライトが間に合わない中、あっという間に落下点に到達して捕球して見せた。
大城、鈴木湧も共に3年生。下級生ならではの思い切ったプレーが魅力でもある。この大会で活躍し、一躍全国に名を轟かせる予感がする。

機動力に加え守備力でも大きな力となる鈴木湧(中京大)-Journal-ONE撮影
侍ジャパン大学日本代表、いざ台湾へ
6日間の国内最終調整を終えた選手たちは、いよいよ決戦の地・台湾へ。現地で最終調整の練習試合を1試合行い、本番に臨んでいく。
初開催となる大会だけに、どの国・地域も手探りの中での戦いになることが予想される。「急激な天候不順で、突然イニングが短くなったり、ダブルヘッダーになることも珍しくない。」と、鈴木監督も国際大会の難しさは分かっている。

侍ジャパン大学日本代表を率いる鈴木英之監督(関西国際大)-Journal-ONE撮影
しかし、日本代表には大学野球日本一を争う舞台で鍛えられた選手が揃う。侍ジャパンの名にふさわしい戦いを見せ、歴史に名を刻む初代王者の座をつかみたいところだ。
侍ジャパン大学日本代表の初戦は、7月11日(土)の19:30からチャイニーズ・タイペイと対戦。翌12日(日)には13:30と詰まった日程で韓国と対戦する。そして、最後のアメリカ戦は13日(月)の13:30試合開始だ(試合時間はいずれも日本時間)。
さらに予選ラウンド終了後、休む間もなく14日に準決勝。加えて、翌15日に決勝と3位決定戦が行われる超強行軍だ。「現地でも色々なことが起きるかもしれない。28人全員が体調万全んで臨むことも難しいだろう。」と、鈴木監督も選手の好不調を見極めながらの過酷な試合になると予想している。
しかし、大学野球の新たな世界大会の幕開けだ。侍ジャパン大学日本代表がどのような戦いを見せるのか。その一挙手一投足に注目が集まる。














