フランス代表との実力差が浮き彫りに
そして、欧州王者フランス代表との一戦。相手FWのセットプレー、特にドライビングモールと接点で強い圧力を受けた。前半だけで4トライを奪われ、試合の主導権を握られた。後半は、昨年から課題に挙げられてきた空中戦でもボールを確保できなかった。試合は終始フランス代表のペースで進み、日本代表は15-42で大敗した。

オーストラリア戦でも期待されるSH齋藤(左)、SO伊藤のハーフ団‐斉藤健仁撮影
ネーションズチャンピオンシップで露呈したモールと空中戦の課題
ネーションズチャンピオンシップ後半戦へ向けた改善ポイント
フランス代表戦後、ジョーンズHCは課題を挙げた。
「2つのエリアで相手が上回った。1つはモール。フランス代表は6つのトライのうち、5つをモールから奪った。そして、空中戦でも明確に相手が上回った。この2点は、我々にとって非常に大きな教訓」
日本代表はモールディフェンスを重点的に準備していた。しかし、弱点を分析してきたフランスの攻撃を、特に前半は止められなかった。
空中戦について、ボール確保率を「30%から40%に上げることができれば」。ジョーンズHCは大会前にこう話していた。イタリア代表戦では昨年よりも十分に競り合い、成長の跡を見せていた。それでも、フランス代表戦では完敗。後半に主導権を握られた大きな要因となった。
日本代表の大黒柱、FL(フランカー)リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は、
「1試合目のイタリア代表戦は感覚も準備の仕方も良かった。2戦目はラック周りで課題が出た。3戦目はまた別の課題が出て、モールと空中戦の競り合いが大きく試合に影響した。ハイボール、モールディフェンス、ラック周りの3つを改善すれば大きく変わる。すごくポジティブ」
と、3試合で明確になった課題を挙げながら前を向いた。

ジョーンズHC-斉藤健仁撮影
ネーションズチャンピオンシップで広がる若手の可能性
大学生2人を含む7人が初キャップ獲得
南半球シリーズでは、SO伊藤、PR大塚壮二郎、LOマイケル・ストーバーグ。さらに、SH上村樹輝、FL/LOエセイ・ハアンガナ、PRイジー・ソード。加えて、SO/FB上ノ坊駿介の7人が初キャップを獲得した。2027年のワールドカップに向け、選手層を広げられたことは大きな収穫だろう。
中でも大学生の伊藤と大塚は存在感を示した。
2人は昨年から『JAPAN TALENT SQUADプログラム』に参加。これを通じて、日本代表コーチ陣の指導を受けてきた。今季もU23日本代表、日本選抜、JAPAN XVで経験を積み、日本代表デビュー。世界の強豪を相手に堂々とプレーした。

7月のテストマッチ3試合で先発し、一気に中軸となったSO伊藤(明治大学4年)-斉藤健仁撮影
大舞台で示した大学生コンビの可能性
ジョーンズHCも、
「2人がシニアレベルのテストマッチでプレーしたのはまだ3試合。質の高いフランス代表を相手に見せたパフォーマンスは、本当に傑出していた。継続して育成し、大学側もハイパフォーマンスのトレーニングができれば。加えて、最高レベルの経験を積める環境を確保できれば。2人がどこまで良い選手になれるのか、まだ誰にも分からない」。
と2人の可能性を高く評価した。
そして、3試合連続で10番を背負った伊藤。
「初戦のイタリア代表戦は、すごく良いスタートができたと思う。ただ、アイルランド代表、フランス代表と、強度やスピードのレベルが上がっていった。その中で、いかに自分たちから崩れず、準備してきたものを出せるかが鍵になる。うまくいっていない時間帯をどう切り抜け、自分たちのペースに持っていけるか。本当に難しいが、それができる選手になりたい」。
と、強豪国との対戦で感じた課題を語った。
加えて、フランス戦で初先発し、代表初トライを挙げた大塚。
「マオリ・オールブラックス、イタリア代表、アイルランド代表、フランス代表と戦ってきた。そこで、フィジカルでは勝負できると思った。ただ、疲れてきた時には相手より劣る。今後もスクラムとラインアウトのセットプレー、自分の役割を一番大事にしたい」。
と、手応えを口にした。
ネーションズチャンピオンシップへ向けた網走合宿
日本代表は約1週間の休養を挟み、7月25日から8月6日まで北海道網走市で合宿を行う。8月8日に東大阪市の花園ラグビー場で。さらに、15日にオーストラリア・タウンズビルで。オーストラリア代表との2連戦に向けた強化合宿だ。

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