と評価した。
さらに松井稼頭央さんも、
「変化球のキレが良く、ボールを見る時間が短くなっている。」
と女子投手陣の成長に驚きを示した。
女子野球の成長は、もはや結果だけでは測れない。実際に、世界を知るレジェンドたちが、その変化を実感する段階に入ったのである。

神戸弘陵の柱、山戸投手(左)と福田選手-Journal-ONE撮影
イチロー氏が目指した女子野球の未来
かつて、この試合は女子野球の存在を知ってもらうための舞台だった。
ところが、今は違う。
「いつかKOBE CHIBENと戦いたい。」
そんな夢を抱いて女子野球を始める子どもたちが数多く生まれている。
実際に、イチローさんたちが掲げてきた「子どもたちの未来を照らす」という目標は、確実に成果を生み始めている。
今回の東京ドームでは、福田稟選手という未来のスター候補が誕生し、山戸優菜投手をはじめとする女子投手たちの成長も証明された。
女子野球は「知ってもらう競技」から、「憧れの対象となる競技」へと変わり始めている。こうして、KOBE CHIBENが目指してきた取り組みは、新たなフェーズへ入ったと言えるだろう。

イチロー氏との対決を夢見て野球を続けた選手も-Journal-ONE撮影
レジェンドたちが示した50代からの挑戦
女子野球の未来を照らす。それが、この試合の大きな目的だ。
その一方で、東京ドームで一日を追いかけたジャーナルワンは、もう一つの価値を感じていた。
それは、グラウンドで全身全霊をかけて真剣勝負するレジェンドたちの姿が、中高年や高齢者にも前向きな力を与えていたことだ。
52歳のイチローさん。一学年下の松井秀喜さん。さらに一学年下で50歳となった松井稼頭央さん。日本人がMLBで活躍することを「特別」から「当たり前」へ変えたヒーローたちである。
かつて少年たちの憧れだったヒーローたちも、今は人生の後半戦を歩んでいる。人生100年時代と言われる今、多くの人が健康維持や体力づくりという課題に向き合っている。
もちろん、この試合がそうした社会課題の解決を目的に掲げているわけではない。
それでも、老いと向き合いながら挑戦を続けるイチローさんたちの姿は、観客席にいた多くの人へ「まだできる」という前向きなメッセージを届けているように映った。

イチロー氏の打席でのルーティンも健在-Journal-ONE撮影
イチロー氏の136km/hが語るもの
試合後、イチローさんはこう語った。
「女子高校野球の投手は最速133km/hと聞いた。この歳で140km/hを目指すのは無理。そろそろ投手イチローの役割も終わりかな。」
しかし、そう笑ったイチローだったが、その日のパフォーマンスは驚異的だった。
127球。17奪三振。完封勝利。そして、昨年記録した自己最速135km/hを上回る最速136km/h。
「衰え」とは正反対の数字が並んでいた。
一方で、イチローさんは、その裏側にある準備の大変さも隠さなかった。
コンディションを整えること。トレーニングを継続すること。故障を防ぎながら身体を仕上げること。
50歳を超えて本気で野球に向き合うことは、想像以上に過酷な挑戦なのだ。

試合後、座り込んで記者の質問に答えるイチロー氏-Journal-ONE撮影
イチロー氏と松井稼頭央氏が語った学び
さらに、松井稼頭央さんも継続することの難しさを語った。
「現役を退いてからもトレーニングはしているが、少しずつ継続することが大事。」
そして、
「この歳で来年に向けた課題を得ることはモチベーションが上がる。」
と話した。
加えて、イチローさんも、
「この歳になり、人に頭を下げることが少なくなっているじゃないですか。それが、この試合をするにあたり色々な人に頭を下げる。試合のアプローチでも現役時代にはなかった、勝てないのではないかというネガティブな意識で試合に臨む。そうした学びを得られるのは素晴らしいこと。」
と語った。
挑戦を続けることで得られる学びがある。それは年齢を重ねても変わらない。

華麗な守備に左右両打席も披露した松井稼頭央氏-Journal-ONE撮影
















