富田のゲームメイクと畠山の豪快ショットが炸裂
第2セットに入ると、試合の流れは大きく変わる。富田選手が本領を発揮し始めたのだ。
相手の勢いを削ぐ絶妙なゲームコントロール。コート全体を動かす巧みなボール配球。
そして畠山選手が待っていましたとばかりに強烈なショットを次々と打ち込んだ。特にネット際では畠山選手の破壊力が際立った。
一方で富田選手は無理な攻撃を避けながら堅実にラリーを組み立てる。
その結果、流れを変えようとしたタイペアはリスクを冒したプレーが増え始めた。
しかし、それが裏目に出る。状況を打開しようとしたタイペアはミスを連発し、日本ペアは試合の主導権を完全に掌握した。
その後も流れを渡さなかった富田・畠山ペアは第2セットを6-2で奪取。結果として52分という短時間で試合を終わらせ、圧巻のストレート勝利を収めた。

ショットを決めてガッツポーズの畠山選手-Journal-ONE撮影
パデル日本代表男子が語った自国開催への特別な想い
試合後、富田選手と畠山選手は笑顔で報道陣の前に姿を現した。
まず畠山選手は、「ワクワクしすぎて、少し力んでしまいました。」と、自国開催ならではの高揚感を明かした。
さらに富田選手も、「ちょっとしたことで流れが変わるのがパデル。そういった流れになりかけたが、持ち直せたことが良かった。」と、司令塔らしく試合を冷静に振り返った。
また畠山選手は、地元・札幌から大応援団が駆けつけてくれたことも明かす。
そして、「雰囲気を楽しみながら勝てたことが良かった。」と笑顔を見せた。
スペインや南米にルーツを持つパデルらしい陽気さと、日本代表としての責任感。その両方が伝わるコメントだった。

パデル日本代表男子 富田一輝 畠山成冴-Journal-ONE撮影
JOC橋本聖子会長も視察 高まるパデルへの注目
この日の会場には、日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子会長も訪れた。
試合後には富田選手、畠山選手ら日本代表選手たちとコート内で記念撮影を行う場面も見られた。
畠山選手は橋本会長との交流について、「初めてパデルの試合を観戦されたとうかがいました。ガラス越しに間近でプレーを観られるという臨場感に感動されていました。」と明かした。
確かにパデルは観戦スポーツとしても魅力にあふれている。
ガラス壁に囲まれたコートによって観客席と選手の距離は近い。
スマッシュが決まる瞬間の迫力。壁に当たったボールが再び生き返る独特のラリー。そしてトップ選手たちの駆け引き。
初めて観戦した人が魅了される理由がそこにはある。

富田・畠山選手に挟まれ笑顔の橋本JOC会長と中塚JPA会長-Journal-ONE撮影
日本パデルの歴史を変える挑戦はここから始まる
実は富田・畠山ペアが初めてペアを組んだのは、昨年10月にカタール・ドーハで開催された第1回アジアパデルカップ(FIP Asia Padel Cup)だった。
しかし二人に不安はない。
「対戦相手を含め、最高峰のFIPツアーで対戦しているので、それぞれのプレースタイルは熟知している。」
そう語る通り、世界の舞台で互いを知り尽くしているからだ。
そして次戦はいよいよ今大会最大の山場とも言える強敵との戦いになる。
しかし二人は気負わない。「自分たちのプレーを出し切るだけ。」そう前を向いた。

富田選手の後ろで観戦する橋本JOC会長-Journal-ONE撮影
2032年ブリスベン五輪への夢
パデル界では、2032年夏季オリンピック・ブリスベン大会での正式種目採用を現実的な目標とする声が高まっている。
世界的な競技人口の増加に加え、近年ではアジアや中東でも急速に競技基盤が整備されている。
その中で開催されている今回のアジア大会は、単なる国際大会ではない。パデルがオリンピック競技へ近づくための重要なステップでもある。
そして今、日本代表は男女合わせて3連勝。開催国として理想的なスタートを切っている。
しかし、日本パデル協会の中塚アントニオ浩二会長は気を緩めていない。
「ここまでの戦いは順調。しかし、次戦から一気に対戦相手の強度も上がる。選手たちが一層のパフォーマンスを発揮するためにも、多くの応援が欠かせない。」














