富田一輝選手と畠山成冴選手のペアがタイ代表を相手にセットカウント2-0で快勝。第1セットこそ競り合いとなったものの、第2セットは持ち前の総合力を発揮して完全に主導権を掌握し、試合時間52分で勝利を収めた。
アジア大会で正式競技として初採用されたパデル。その歴史的な舞台で、日本男子最強ペアが存在感を見せつけた。

パデル日本代表男子の富田一輝・畠山成冴ペア-ジャーナルワン撮影
パデル日本代表男子を支える絶対的エースと超攻撃型アスリート
日本代表としてコートへ立ったのは、日本パデル界を代表する二人だった。
まず富田一輝選手は、日本パデル界のパイオニアとして長年第一線を走り続ける絶対的エースである。
全日本選手権で数多くの優勝を経験し、世界選手権でも日本代表として活躍。国内外を問わず豊富な経験を持つ日本パデル界の顔だ。
富田選手の真骨頂は卓越した戦術眼にある。
コート全体を俯瞰しながら瞬時に状況を判断し、相手の足元へ沈める精密なボレーを放つ。さらに絶妙なロブを駆使して相手を後方へ押し込み、ラリーの主導権を握る能力にも長けている。
また、ペアの長所を引き出すゲームメイクは秀逸だ。畠山選手が思い切り強打できる状況を整えることで、試合全体をコントロールする司令塔として機能している。

日本パデル界屈指の司令塔・富田選手-Journal-ONE撮影
パデル日本代表男子の破壊力を生む畠山成冴のフィジカル
一方の畠山成冴選手は異色の経歴を持つ。
駒澤大学サッカー部出身であり、かつてはJリーグ入りも期待された超一流アスリートだった。
しかし、その身体能力はパデルでも大きな武器となった。
サッカーで培った強靭な下半身から生み出される爆発的なスピードは、誰も追いつけないボールを拾い上げるほど。さらにネット際では高い打点から繰り出すジャンピングスマッシュが威力を発揮する。
近年はアジア太平洋ツアー(APPT)をはじめとした国際大会でも結果を残し、すでにアジアトップクラスの実力者として高く評価されている。
富田選手が作り出したチャンスを畠山選手が豪快に仕留める。この明確な役割分担こそが、日本男子の大きな強みである。

畠山選手のフィジカルは秀逸だ-Journal-ONE撮影
タイ代表の急成長ペアとの注目対決
対戦相手となったタイ代表も侮れない存在だった。
近年のタイではバンコクを中心にパデルコートが急増。さらに欧州のトレンドを積極的に取り入れながら競技レベルを急速に高めている。
Arnav Rawal(アルナブ・ラワル)選手は、ジュニア時代からITF国際大会を転戦してきた実力者。そしてStefano Mocciola(ステファノ・モッチョラ)選手は欧州にルーツを持ち、幼少期から本場のパデル文化や戦術を吸収してきたプレーヤーだ。
男子パデルらしく、パワフルな展開が予想されたこの試合。ラワル選手と畠山選手による迫力満点のスマッシュの応酬はもちろん、壁を利用した細かな駆け引きやコンビネーションにも注目が集まった。
また、日本の司令塔である富田選手がどのように主導権を握るのかも大きな見どころとなった。

タイ代表ペアも特異な能力を誇る-Journal-ONE撮影
パデル日本代表男子は慎重な立ち上がりから試合を支配
ところが、試合は事前予想とは異なる展開でスタートした。
開始直後からタイペアが積極的な攻撃を仕掛け、日本ペアは一時的にモメンタムを奪われる。
試合後、畠山選手は、「慎重に入った。」と振り返った。しかし、その慎重さは不安の裏返しではなかった。
むしろコートコンディションや試合の流れを確認するための“慣らし運転”だったのである。
実際に第1セットは接戦となったが、日本ペアは要所を締めて6-4で先取した。

パデル日本代表男子 ルースボールを追い場外に飛び出す富田選手-Journal-ONE撮影


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- 取材・文:
- 編集部-矢澤( 日本 )













