こうして東スポーツセンターで生まれた光景は、初代アジア女王誕生の瞬間であると同時に、パデルという競技が日本に新たなスポーツ文化として根付き始めたことを象徴する場面となった。

優勝を決め涙で抱き合う塚本・徳本ペア‐Journal-ONE撮影
塚本・徳本インタビュー|初代女王が語った思い
激闘を終えた塚本早紀と徳本佳恵は、達成感に満ちた表情で取材エリアに姿を現した。
徳本はまず、会場を埋めた観客への感謝を口にした。
「正直、これほどたくさんの方が応援してくれたおかげで、金メダルを獲ることができました。本当にありがとうございました。」
そして初代女王という称号について問われた塚本。
「金メダルを取ると目標を立て、この大会に臨みました。その目標を達成できて嬉しいです。しかし、それ以上にパデルが多くの方へ届いたことがうれしい。パデルって面白いスポーツなんだと感じてもらえたなら。だまされたと思って、是非一度、プレーしてみてください。」と、笑顔を見せた。
二人は今回の金メダルがゴールではないことも強調する。
「この大会をきっかけに、パデルをやってみたいと思う人が一人でも増えてくれたらうれしいです。」
世界への挑戦を続けながら、日本にパデル文化を根付かせる。その思いこそが、初代アジア女王となった二人の次なる目標だった。

笑顔で会見に臨んだ塚本・徳本ペア‐Journal-ONE撮影
パデル メダル授与式|日の丸とともに刻まれた新たな歴史
試合の熱気が残るコートに表彰台が設置されると、観客席から大きな拍手が沸き起こった。
銅メダル、銀メダルの授与に続き、「優勝、日本」のアナウンスが響く。その瞬間、東スポーツセンターはこの日最大級の歓声に包まれた。
塚本早紀と徳本佳恵は満面の笑みを見せ、手をつないで表彰台の中央へ上った。長年、日本パデル界をけん引しながら世界へ挑戦し続けてきた二人。その努力が報われた瞬間だった。
金メダルを掲げ、君が代を歌う。観客席では多くのファンがスマートフォンを掲げ、歴史的な光景を記録していた。午前中から観戦していた熱心なファンはもちろん、この大会で初めてパデルを知った観客も少なくない。
この日表彰台の中央に立った二人は、単なるアジア大会王者ではない。日本パデル界の新たな歴史を切り拓いた存在として、多くの人々の記憶に刻まれることになるだろう。

アジア大会 パデル女子のメダリストたち‐Journal-ONE撮影
パデルが日本に残した大きなギフト
愛知・名古屋アジア大会は、メダルの色だけでは計れないレガシーを残した。
日本中にパデルという競技の存在を知らせたことである。
世界では競技人口が急増し、欧州や中東を中心に爆発的な成長を遂げるパデル。その魅力が、今回のアジア大会をきっかけに日本でも広く知られるようになった。
塚本早紀と徳本佳恵が目指した金メダルは、自分たちのためだけのものではない。
これからラケットを握る子どもたち、パデルコートを訪れる未来のプレーヤーたち、そして新しいスポーツとの出会いを求める多くの人々のための挑戦でもあった。
アジア大会の熱狂で終わらせてはいけない。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持ったなら、ぜひ一度パデルコートを訪れてほしい。














