パデルがアジア大会の歴史に新たな1ページを刻んだ。
その瞬間、パデルが正式競技として初めて採用されたアジア大会の初代女王が誕生。こうして、日本パデル界は新たな時代の幕開けを迎えた。

アジア大会 パデル女子のメダリストたち‐Journal-ONE撮影
パデル日本代表・塚本早紀&徳本佳恵が挑む歴史的一戦
愛知・名古屋アジア大会で金メダルにあと1勝と迫った塚本早紀、徳本佳恵の日本代表ペア。
両者は2025年のFIP Asia Padel Cupを制したアジア王者。国内では全日本選手権優勝、海外ツアーでも実績を積み重ね、日本女子パデル界をけん引してきた存在だ。
徳本は日本代表キャプテンを経験し、長く世界大会に挑戦し続ける日本パデル界のパイオニア。塚本も世界選手権出場経験を持ち、安定したラリー力と卓越した戦術眼で国内外の強豪と渡り合ってきた。
二人が築き上げてきたキャリアは、日本パデル史そのものと言っても過言ではない。アジア大会で初めて正式競技となったパデル。その最初の女王となるチャンスが今、目の前にある。

スマッシュを放つ徳本-Journal-ONE撮影
インドネシア代表は急成長を遂げた難敵
決勝の相手はファドナ・クスマワティ(KUSUMAWATI Fadona)、フィトリアニ・サバティニ(SABATINI Fitriani)組。こちらは、今大会屈指の勢いを持つペアである。
ともにテニスから転向した選手であり、近年急速に競技レベルを高めてきたインドネシア・パデル界の象徴的存在だ。
高い身体能力を生かした攻撃的スタイルを持ち、ネットプレーやスマッシュで一気に流れを引き寄せる破壊力が最大の武器となる。
日本ペアが積み上げてきた経験と戦術力に対し、インドネシアペアは勢いと攻撃性で立ち向かう。
アジアパデルの未来を占う頂上決戦にふさわしいカードが実現した。
経験と戦術の日本 vs 勢いと攻撃力のインドネシア
パデルは単純なパワー勝負ではない。壁を使った駆け引き、ポジショニング、相手の心理を読むゲームメーク能力が勝敗を左右する。
塚本・徳本組の強みは徹底した試合運びだ。
相手の得意パターンを消しながらラリーを支配し、少しずつ主導権を握っていく。
対するインドネシアは攻撃的なネットプレーと強打を武器に試合の流れを変える力を持つ。
世界大会を経験してきた日本の総合力が上回るのか。それとも新興勢力インドネシアが歴史を塗り替えるのか。
アジア初代女王を決める一戦に注目が集まった。
パデルが愛知・名古屋に生んだ新たな景色
塚本・徳本組が登場する決勝の試合開始は午後4時。しかし、会場となった名古屋市東スポーツセンターには、午前11時開始の3位決定戦を前から長蛇の列ができた。
「朝から熱心にお待ちいただいていて申し訳ない。」と話すのは、中塚浩二日本パデル協会会長。
開門予定だった午前10時を待たずに、集まったファンを会場に招き入れた。
客席はもちろん、立ち見スペースも立錐の余地もない中、市内から訪れた30代女性はこう話した。
「アジア大会で初めてパデルという競技を知った。地元で初の金メダルを目指す選手たちを応援に来た。」と笑顔。
会場では家族連れや若者のグループが目立ち、日本代表の名前入り応援ボードを持つ姿も見られた。
これまで競技名すら知らなかった人々が足を運び、世界レベルのプレーに熱狂する。それこそが、このアジア大会が日本にもたらした大きな価値である。
パデルは今、確実に日本社会へ浸透を始めている。

日本の大応援団を背に戦う塚本・徳本ペア‐Journal-ONE撮影
歴史の扉を開いた瞬間
金メダルの瞬間 塚本と徳本が抱き合い名古屋が沸いた
勝利が決まった瞬間、会場は大歓声に包まれた。しかし、塚本早紀と徳本佳恵はしばしその場に立ち尽し、主役の時間だけが止まったようだった。
そして、ゆっくりと互いのもとへ歩み寄ると、固く抱き合う。すると、東スポーツセンターの観客席からは、この日最大の歓声が沸き起こった。
パデルが正式競技として初めて採用されたアジア大会。その記念すべき初代女王の座を、日本代表の塚本・徳本組がつかみ取った瞬間だった。


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東スポーツセンター
- 東海道新幹線 名古屋駅‐桜通線/東山線 久屋大通-名城線 ナゴヤドーム前矢田-徒歩5分
- 取材・文:
- 編集部-矢澤( 日本 )













