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桶谷大 日本代表HCが川崎ブレイブサンダースHCに就任-永塚和志撮影
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桶谷大 男子バスケットボール日本代表ヘッドコーチが新境地へ。

Bプレミア開幕を前に川崎ブレイブサンダースのヘッドコーチへ就任した名将・桶谷大。低迷する名門の再建と新たな文化づくりという大きな使命を背負い、新天地での第一歩を踏み出した。

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桶谷大が川崎を選んだ理由

チームを移って新天地で指揮を執るのは、初めてのことではない。それどころか、プロでの約20年にわたる指導歴の中で、北は岩手、南は沖縄まで、いくつかのチームを渡り歩いてきた。

なのに、白髪の交じる坊主頭の48歳は用意された就任披露の記者会見の冒頭、照れた表情で集まった多くのメディアに向けて話し始めた。

就任記者会見での桶谷大HC(中央)、川崎渉社長、佐藤賢次GM-永塚和志撮影

就任記者会見での桶谷大HC(中央)、川崎渉社長、佐藤賢次GM-永塚和志撮影

新天地への照れと覚悟

「皆さん、こんにちは。ヘッドコーチに就任しました……なんかね。『川崎の桶谷です』って言うのなかなか恥ずかしいですけど、これから川崎の桶谷になりますので、よろしくお願いします」。

桶谷大 HCがなぜ面映ゆいもの言いをしたのか、わからないでもない。20年前にbjリーグ・大分ヒートデビルズ(現愛媛オレンジバイキングス)で初めてHCを担うようになった。その当時、桶谷大 氏はまだ20代後半の何者でもない人物だった。

そこから琉球ゴールデンキングス、岩手ビッグブルズ、大阪エヴェッサ、仙台89ersで同職を務める。そして経験と実績を積み重ねると、2021-22からは再び琉球へ。その結果、5年連続でBリーグ決勝にチームを牽引し、うち1度は頂点に立った。

今年2月には男子日本代表のHCにも就任し、さらに広く認知されるようになった。プロ選手としてのプレー経験もなく、指導者として無名だった彼。しかし、いつしか琉球を常勝中の常勝チームとし、日の丸を背負うコーチとなっていた。

桶谷大 HCの指導信念や原理原則は変わっていないのかもしれない。しかし、取り巻く環境が変わった。照れは、自身が置かれる立場が大きく変化したからこそ生じたものだったはずだ。

就任会見で照れ笑いをする桶谷大HC-永塚和志撮影

就任会見で照れ笑いをする桶谷大HC-永塚和志撮影

Bプレミア開幕を託された川崎の新たな船出

6月14日。川崎は桶谷大 氏が新HCになる旨を発表した。Bリーグは2026-27シーズンよりトップカテゴリーを「Bプレミア」として出発する。それに際して彼らはこの名将にタクトを渡す決断をした。

このごろではSNS等で様々なインサイダー情報が飛び交う。その中で、桶谷大 氏の去就について記したものも出ていた。その意味で、発表で虚を突かれた者は多くはなかったはずだ。それでも発表が公式なものとなって皆、彼が川崎という馬車の御者としてどのように手腕を振るっていくのか。本格的に色めき始めたのではないか。

桶谷大HCが見守る中精力的に練習に取り組む川崎ブレイブサンダースの選手たち-永塚和志撮影

桶谷大HCが見守る中精力的に練習に取り組む川崎ブレイブサンダースの選手たち-永塚和志撮影

再建への強い思いに共鳴

なぜ、川崎だったのか。このチームには80年近い歴史があり幾度もの優勝経験のある古豪という強い印象がある。だが、近年では低迷を余儀なくされてきた。その中で、再び輝く姿を取り戻したいという気概が彼らを覆っていたところに桶谷大 氏は、いわば呼応したのだった。

「一番の決め手はこのチームが今の順位のままで終わりたくない、これからもう一度、前の輝いている姿を取り戻したいという気持ちが一番強いチームだったというところに僕がやりがいを感じました」。

桶谷大 HCはこのように話した。これまでの指導歴の中でロスターのより多くの選手を起用し彼らに自身の存在意義を感じてもらえるような手法を取ってきた。しかし、彼自身も川崎の再建という簡単ではないプロジェクトにやはり強いやりがいを感じたということではないか。

ブレイブサンダースの選手たちと対面した桶谷大HC‐永塚和志撮影

ブレイブサンダースの選手たちと対面した桶谷大HC‐永塚和志撮影

桶谷大が築く新たな文化

Bリーグは選手の移籍が激しい。桶谷大 HCが連続でリーグ決勝に進出した5年間も例外ではない。それでも勝ち続けたのは、彼が中心となってチームに文化が根付いたからだと言われることが多い。

文化とは皆で作り上げるもの

我々はこの「文化」あるいはその英訳である「カルチャー」という言葉を、時に安直に用いる。

■記者プロフィール
永塚 和志
フリーランススポーツライター。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、FIBA W杯や米NCAAトーナメントを取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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Journal-ONE記者の永塚和志氏
取材・文:
永塚 和志( 日本 )
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