反対に、高く上がったロブが後ろ壁の近くでバウンドすると、ガラスの高い位置に当たってから壁の近くへ急角度で落ちてきやすくなります。壁際の低い位置で処理することになるため、受ける側にとっては返しにくいボールです。
回転の影響もあり、順回転のボールはガラスから速く高く、逆回転のボールは低く壁沿いに跳ね返りやすいとされています。まずは速さと高さの違いから意識してみてください。

初心者の壁の使い方は待つことから始まる
初心者が壁際で戸惑いやすいのが、「どのタイミングで打てばいいのか」という点です。壁のあるパデルでは、ボールを追いかけるより、壁から戻ってくるのを待つほうが打ちやすい場面が少なくありません。
待ち方・構え方・打つタイミング・返球の選び方の4つを、図解とあわせて順番に押さえていきましょう。
ボールを追いかけず壁から跳ね返るのを待つ
相手の打球が頭上を越えて後ろへ飛んでいくと、テニスの感覚では下がりながら追いかけたくなります。しかし、パデルでは自陣で1回バウンドしたボールは、壁から跳ね返った後でも打ち返せます。無理に追いかけず、ボールが壁に当たって戻ってくるのを待つのが基本の考え方です。
壁の手前で打とうとすると、後ろ向きの苦しい体勢になりやすく、ミスにつながります。壁から戻ってくるボールは自分の前方へ向かってくるため、体の正面側で余裕を持って打てるのが利点です。
1球に対して「壁に当たる前」と「壁に当たった後」の2回、打つチャンスがあると考えると気持ちにも余裕が生まれます。ボールの行き先を目で追うことから始めましょう。
壁に張り付かず横向きで構える
待つときにやりがちなのが、ガラスのすぐ前に立ってしまうことです。壁に近すぎると、跳ね返ったボールがすぐ体に迫り、ラケットを振るスペースがなくなります。壁との間に跳ね返りを見られる距離をとり、窮屈にならない位置で待つことを意識しましょう。
適切な距離は打球の速さによって変わり、外の解説でも目安の数値には幅があります。勢いのある打球ほど大きく跳ね返るため、速いボールのときは壁から離れて待つと対応しやすくなります。
構えは、ネットに対して体を横向きにするのがポイントです。横向きなら壁とボールの両方を視界に入れやすく、戻ってきたボールに対してそのままスイングに移れます。
跳ね返って落ちてくるボールを体の前でとらえる
壁から戻ってきたボールは、跳ね返った直後はまだ勢いが強く、高さも安定していません。そこで焦って打つのではなく、跳ね返りの勢いが落ち、ボールが下がってきたところを体の前でとらえるのが安定して返球するコツです。
タイミングをつかむには、「床でバウンド」「壁に当たる」「打つ」の3拍子を頭の中で数える方法があります。ボールが体の後ろに入ると力が伝わりにくいため、打点は常に体より前に置きましょう。
打つ高さについては、腰からひざくらいを目安にするのがおすすめです。ただし、2回目のバウンドの前に打つ必要があるので、待ちすぎて床に落とさないよう注意してください。

壁からの返球は強打よりロブで時間を作る
壁際から打つのは、相手にネット前へ詰められ、自分たちが守りに回っている場面が中心です。ここで低く強く打ち返しても、ネット前の相手にボレーで決められる危険があります。
そこで基本となるのが、相手の頭上を越えて後ろ側へ深く落ちるロブで返し、体勢を立て直す時間を作ることです。ロブが深く入れば相手は下がって処理しなければならず、そのあいだに自分たちは前へ出る準備ができます。
返球した後は、壁際にとどまらずコートの中央寄りへ戻りましょう。壁を使った返球はあくまで守りの一打で、得点はネット前のプレーで狙うのがパデルの基本的な流れです。
初心者が壁でつまずきやすいポイント
壁のルールは、ざっくり覚えたままプレーすると、思わぬところで判定を誤りがちです。とくに「金網」「ガラス」をひとまとめに覚えてしまうと、ラリーを自分で止めてしまったり、気付かないうちに失点したりすることもあります。
初心者が勘違いしやすいポイントを4つ取り上げ、正しい覚え方とあわせてまとめました。
「金網はすべてアウト」と覚えると判定を誤る
金網に当たったボールの扱いは、場面によって有効にも失点にもなります。「金網に当たったらアウト」と一律に覚えるのは、ラリー中の判定として誤りです。
これまで見てきたように、相手コートの床でバウンドした後なら、金網に当たってもボールはインプレーのままです。一方で、サーブがバウンド後に金網に触れた場合や、打球が相手の金網にノーバウンドで当たった場合、自陣の金網に当たった場合は、それぞれフォルトや失点になります。
困るのは、バウンド後に金網へ当たったボールを「アウトだ」と思って見送ってしまうケースです。そのまま2回目のバウンドをすれば、見送った側の失点になるので気を付けましょう。












