「ガラスならいつでもセーフ」と覚えるのも誤りになる
金網とは反対に、「ガラスに当たったボールは必ず続行」と考えるのも危険です。ガラスが使えるのは、相手コートでバウンドした後と、自陣のガラスを使って返球する場合に限られます。
打ったボールが相手コートの床に落ちる前に相手側のガラスへ直撃すれば、打った側の失点です。ネットに触れてからガラスに当たった場合や、自陣のガラスで跳ね返したボールがそのまま相手のガラスに届いた場合も、同じ判定になります。
サーブも、ボックス内でバウンドする前にガラスへ当たればフォルトです。ガラスか金網かより先に、「相手コートの床に落ちたか」を確認する習慣をつけておきましょう。
自陣の金網に当たると壁を使ったつもりでも失点になる
自陣のガラスを使った返球に慣れてくると、今度は自陣の金網に当ててしまうミスに注意が必要です。自陣で使えるのはガラスだけで、金網に当たった時点で打った側の失点になります。
見落としやすいのが、横壁の段差型コートです。後ろ壁から2〜4mの部分はガラスの高さが2mしかなく、その上は金網になっています。ガラスを狙ったつもりでも、少し高く当たると金網に触れてしまう作りです。
ネット寄りの横壁も、ガラスではなく金網です。初めてのコートでは、自陣のガラスがどの範囲まで、どの高さまであるかを事前に確認しておくと、無用な失点を防げます。
壁際で慌ててラケットを落とすと即失点になる
2026年1月1日から施行されているFIPの規則では、プレー中にラケットを落としたり、セーフティコードが切れたりした場合、そのペアはただちにポイントを失うと定められています。
壁際では、跳ね返りに合わせて体をひねったり、無理な体勢で手を伸ばしたりする場面が多くなります。そうした場面でグリップが緩み、ラケットが手から離れてしまうと、その時点で失点です。ボールに向かってラケットを投げて当てた場合も、失点と規定されています。
セーフティコードは使用が義務付けられているため、必ず手首に通してからプレーしましょう。汗でグリップが滑りやすいときは、こまめに手を拭くことも有効です。
パデルの壁に関するよくある質問
ここまでの内容に加えて、壁について初めての人が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
ノーバウンドでの返球や天井に当たった場合の扱い、壁を使うショットの名前、日本語の競技規則との違いなど、プレー前に目を通しておくと、実際のコートで判定に迷う場面をぐっと減らせます。気になる質問から確認してみてください。
壁から跳ね返ったボールはノーバウンドで打ち返してもいい?
打ち返して問題ありません。自陣の床で1回バウンドしたボールは、壁や金網から跳ね返った後、床に2回目のバウンドをする前であれば空中で打ち返せます。FIPの規則でも、返球の期限は2回目のバウンドの前と定められています。
また、壁に当たる前のボールを、床にバウンドさせずボレーで返すことも有効です。ただし、サーブに対してはボックス内でのバウンドを待つ必要があり、ノーバウンドで返すことはできません。
注意したいのは、相手の打球が床に一度も落ちずに自陣の壁へ直接当たったケースです。この場合は壁に当たった時点で相手の失点が決まっているため、無理に打ち返す必要はありません。
天井や照明にボールが当たったらどうなる?
相手コートでバウンドする前か後かで判定が分かれます。打ったボールが相手コートの床に落ちる前に天井や照明に当たった場合は、打った側の失点です。FIPの規則では、ガラスや金網だけでなく、コートと関係のない物にノーバウンドで当たった場合も失点とされています。
一方、相手コートで正しくバウンドした後に天井や照明に当たった場合は、打った側の有効な返球です。
屋内施設の場合、天井までの高さも規則で定められており、コート全体で6m以上、新しい施設では8m以上が推奨されています。それでも高く打ち上げたロブが届く可能性はあるため、屋内コートでは打ち上げる高さにも気を配りましょう。
壁を使うショットにはどんな名前がある?
日本パデル協会のサイトでは、壁を使うショットがいくつか紹介されています。基本となるのは、後ろの壁から跳ね返ってきたボールを打つ「レボテ」で、スペイン語で「はね返り」を意味する言葉です。
ほかにも、2つの壁に当たったボールを返す「ドブレパレット」、自陣の後ろの壁を使って相手コートへ返す「コントラパレッド」、横の壁を使って返す「コントララテラル」などがあります。高く跳ね返ったボールを上から振り下ろす「バッハーダ・デ・パレッド」のように、壁を使って攻めるショットも上級編として挙げられています。
協会のサイトでもレボテは基礎編に位置付けられているので、まずはレボテから練習してみましょう。
日本語の競技規則と2026年版で壁のルールは違う?
日本パデル協会のサイトに掲載されている日本語の競技規則は、FIPの2015年版を訳したものです。2026年1月1日施行の現行規則と比べても、バウンド後の壁や金網はインプレー、相手の壁への直撃は失点、自陣のガラスは使えるという基本的な考え方は共通しています。












