侍ジャパン大学日本代表が、ついに世界の頂点へ到達した。
ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ2026決勝戦。予選1位のアメリカ代表を相手に延長11回まで続いた死闘を制し、記念すべき第1回大会の初代王者となった。
序盤は緊張の投手戦、そして“ミス”が試合を動かす
決勝戦の舞台は台湾・台中インターコンチネンタル球場。
侍ジャパン大学日本代表の先発は、中2日での登板となった世代のエース、青山学院大学の鈴木泰成(4年・東海大菅生)。立ち上がりから150km/h超の速球を投げ込み、アメリカの強力打線に真っ向勝負を挑んだ。
一方、アメリカの先発は左腕のヴァリンシウス。最速151km/hの速球と鋭い変化球を操り、日本の上位打線を翻弄。両軍ともに走者は出すものの、あと一本が出ない展開が続いた。
試合が動いたのは3回裏。
9番ウェイトの打球をセカンドの明治大学の岡田啓吾(4年・前橋育英)が痛恨の失策。続くピッツの犠打を鈴木泰成が処理したが、内野安打に。さらに二塁けん制が悪送球となり、無死二、三塁の大ピンチを背負った。
ここで3番ケリーに152km/hの速球を右前へ運ばれ、2点を先制される。
鈴木泰成は後続を浅い中飛、見逃し三振、投ゴロと力でねじ伏せたが、この回の失点はすべてミスが絡んだものだった。

決勝に先発した鈴木泰成-Journal-ONE撮影
鈴木泰成、気迫の107球 アメリカ打線をわずか3安打に封じる
しかし、失策での失点にも、鈴木泰成は微塵も動じなかった。
4回はデイビス、ブランチ、パックJrを三者凡退。5回にはピッツに死球を与えたものの、得点圏に走者を背負ってからケリーとの再戦。落ちる球を見極めるケリーに対し、最後は低めのスライダーで二ゴロに仕留めた。
6回には4番フラリックから始まる中軸を再び三者凡退。
投球数は107球に達したが、最後まで150km/hを計測する速球を投げ込んだ鈴木泰成。その結果、アメリカ打線をわずか3安打に抑え込み、失点はすべてミスによるもの。まさに“エースの投球”だった。

6回被安打3と力投した鈴木泰成-Journal-ONE撮影
侍ジャパン大学日本代表 中山が値千金の同点打
日本の反撃は6回裏に訪れた。
この回先頭、青山学院大学の渡部海(4年・智辯和歌山)がセカンドの失策で出塁。つづく黒田が三振に倒れた直後、二番手投手・キングの一塁けん制がショートバウンドとなり外野へ転々。渡部はこの間に一気に三塁へと進んだ。
ここで6番、亜細亜大学の山里宝(4年・神戸国際大附)が投前への緩いゴロを放ち、渡部が生還して1点を返す。
さらに7番、法政大学の井上和輝(2年・駿台甲府)が右中間を破る二塁打。2死ながら同点の走者を置くと、8番、大阪商業大学の中山優月(3年・智辯学園)が中前へ運ぶ値千金の同点打。球場の空気が一気に日本へ傾いた

値千金の同点適時打を放った中山-Journal-ONE撮影
大城が151km/hの快投、角田が火消し 救援陣が流れを呼び込む
7回、日本は予選でアメリカ打線を三者三振に斬った左腕、仙台大学の大城海翔(3年・滋賀学園)を投入。
大城は、この日も151km/hの速球で連続三振。最後はピッツを力ない一ゴロに仕留め、完全に流れを日本へ引き寄せた。
8回途中からは、今大会クローザーの富士大学の角田楓斗(4年・東奥義塾)が登板。MLBドラフト上位候補のパルティーダを遊ゴロに抑える見事な火消しで、球場の空気をさらに日本へ引き寄せた。
9回は、来年のMLBドラフト1巡目指名が確実視されるバルベリと、NPBドラフト1位候補の角田が互いに剛球を投げ込み、スコアは動かず。球場は完全に“決勝戦の空気”に包まれ、勝負は延長タイブレークへ突入した。

MLBドラフト候補と堂々の投げ合いを見せた角田-Journal-ONE撮影
全員野球でもぎ取ったタイブレークの4得点
10回表、日本は岡田が犠打を決め、赤堀の遊ゴロの間に勝ち越し。しかしその裏、角田が粘るアメリカ打線に同点を許し、再び延長へ突入した。
両軍のベンチからは、選手たちの声が一段と大きくなり、球場の緊張感は極限へ達した。
つづく11回表、日本は再び黒田が犠打で走者を進めると、山里が一、二塁間へ技ありの打球。これをセカンド・ウェイトがうまくさばいたものの送球が大きく逸れ、走者2人が生還。













