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渡邊雄太 中学生との交流-永塚和志撮影
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クリニックではダンクも披露した-永塚和志撮影

ダンクも披露した渡邉雄太-永塚和志撮影

参加した中学生たちが感じた特別な一日

国立中学校のバスケットボール部に所属する2年生の瀧口瑞稀君と中西成史君。今回のクリニックがプロの選手に指導を受ける初めての経験となった。2人とも世界最高峰・NBAでもプレーをした渡邊の技術が参考になったと話した。

クリニックの冒頭、瀧口君は渡邊雄太から誘われペアとなってウォーミングアップをした。「びっくりした」という瀧口君。一方で、渡邊がつくボールに触れることが場面では「お、すごいね」と言われ「嬉しかった」という。

そんな瀧口君の様子を、渡邊の千葉Jの試合を観に行くこともあるという中西君は「羨ましかった」と苦笑した。いずれにしても、彼らにとっては非日常とも言える貴重な1日となった。

国立二中の女子バスケットボール部の2年生で「一応、キャプテン候補」だという青山あんさん。シューティングゲームの最中、渡邊も見守る中、自身のシュートが外れると顔の表情や全身を使って悔しさを表すなど、参加者たちの緊張を大いにほぐしていた。

将来はバスケットボールで培った「コミュ力」を生かして美容師になりたいという青山さん。渡邊のクリニックは「人生で一番、有名な人にあった体験」になったと笑顔を弾けさせた。

中学生と笑顔で練習する渡邉雄太-永塚和志撮影

中学生と笑顔で練習する渡邉雄太-永塚和志撮影

渡邊雄太が体現する夢への挑戦

少年時代の経験がクリニック開催の原点

かつて香川県の少年だった渡邊雄太。当時は、bjリーグの高松ファイブアローズ(現香川ファイブアローズ)の選手と「話す機会があったりハイタッチをしてもらっただけで、ものすごく嬉しかった」という。

自身に日本代表などの肩書きがある。そのうちにこうしたクリニック等を開くことに意味があると考える渡邊。子どもたちがプロ選手から直に指導を受けることから得る感慨を理解している。

渡邉雄太も子供の頃の体験が良い経験になった-永塚和志撮影

渡邉雄太も子供の頃の体験が良い経験になった-永塚和志撮影

現代社会に広がる「シニシズム」という空気

渡邊雄太を見ていると、「シニシズム」という言葉が頭に浮かぶ。この言葉は、元々はギリシア哲学に由来している。「富や権力、名声といった欲求を放棄し、自然に与えられるものだけで満足して生きること」を意味する肯定的な言葉だった。

それが時を経て、現代では高尚な理念や人間の美点をさげすむ、諦めや虚無感を意味する「冷笑主義」といった否定的な響きのある言葉として使われている。物事をシニカル――冷ややかで皮肉を込める。あるいは、物事を斜に構えて見る様――に見る風潮。それが広まった気がするのは、ネットやSNSの普及による影響も小さくないのではないか。

シニカルな声を乗り越えてたどり着いたNBAの舞台

元実業団チーム所属の両親を持ち「ストイックに育ててもらった」という渡邊。尽誠学園高でウィンターカップ2年連続準優勝を経験するなど、将来を嘱望される存在となった。しかし、NBA選手になる目標を叶えるために高校卒業後にアメリカへの留学を決断する。

しかし、アメリカには彼くらいの才能はいくらでもいる、また競争があまりに激しく生き残れるはずがないなどといったシニカルな声も少なくなかった。

それでも渡邊は人間的な成長も伴いつつ不断の努力を続けた。そして、ついには日本人2人目のNBA選手となった。

夢を大きく持ち、そしてそれに向かって弛まず勤しむ。その結果、目標を叶えることができたことで渡邊。それは、日本のバスケットボール界史上での最好例の一つとなった。加えて、彼の行動や言動。これも期せずして、世の中に巣食うシニシズムに対する反駁であるようにも思える。

NBA選手という夢を叶えた-永塚和志撮影

NBA選手という夢を叶えた-永塚和志撮影

渡邊雄太 交流を広げる今後の展望

地方や離島にも届けたいプロ選手との出会い

今回のクリニックは2023年、昨年に続いて3回目の開催となった。より競技力の高い学生へ向けてのクリニックは考えていないのか。そう問われた渡邊雄太は、「今のところは」と前置きしつつも考えていないと述べた。

地方都市や離島など。プロの試合を見たり、プロの選手と接する機会が「へたをしたら一生ないような」子どもたち。むしろ渡邊は、そういったところに出向きたいと今後の展望を語っている。

■記者プロフィール
永塚 和志
フリーランススポーツライター。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、FIBA W杯や米NCAAトーナメントを取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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  • 東海道新幹線 東京駅 - 中央線特別快速(33分)- 国分寺駅 - 中央線(4分)- 国立駅 - 徒歩約13分
Journal-ONE記者の永塚和志氏
取材・文:
永塚 和志( 日本 )
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