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ワラビーズ との対戦でボールキャリーするLOディアンズ主将 (C)JRFU
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ワラビーズとの再戦で示された日本代表の現在地

試合前の背景と日本代表の布陣

8月15日(土)、タウンズビルの『クイーンズランド・カントリー・バンク・スタジアム』。ラグビー日本代表(世界ランキング12位)は、ワールドカップで2度の優勝を誇る「ワラビーズ」こと、オーストラリア代表(8位)と再戦した。

2027年のワールドカップ開催国であるオーストラリア代表。ラグビー日本代表は前の週、大阪『東大阪市花園ラグビー場』で対戦していた。その結果は、善戦したものの惜しくも32-35と3点差で敗戦。過去の対戦成績は0勝8敗、今回こそオーストラリア相手に初の白星を目指した。

1戦目はラインブレイクした後のサポートが遅れたことが響いた。そのため、日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は渡り鳥の映像を選手たちに見せた。そして、「金魚ではなく雁(ガン)になれ。」と話したという。

また、南半球では冬の試合となりピッチが固い。そのため、ボールがはやく動く試合になると予想された。それも踏まえ、FL(フランカー)に走力の高いティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)を起用。

加えて、BK(バックス)は12番にスキルとランに長けたCTB上ノ坊駿介(スティーラーズ)が初先発となった。さらにWTB(ウィング)の両翼も入れ替え。木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、早稲田大学4年の矢崎由高のランナー2人を先発に起用した。

ワラビーズ戦 アタックで持ち味を見せた初先発のCTB上ノ坊 (C)JRFU

アタックで持ち味を見せた初先発のCTB上ノ坊 (C)JRFU

前半の攻防と日本の反撃

前半6分、スクラムから相手にラインブレイクを許し、簡単に先制トライを許してしまった。しかし、12分、身長208cmのLO(ロック)ハリー・ホッキングス(東京サントリーサンゴリアス)が相手のキックをチャージ。そのままトライを挙げ、5-7とした。

さらに1トライを許した後の26分。日本代表は素早いアタックからゴール前で反則を誘い、SH(スクラムハーフ)齋藤直人(サンゴリアス)がクイックタップから仕掛けた。そして、自ら中央にトライを挙げて12-14と追い上げた。

さらに33分には、ボールを素早く展開するとHO(フッカー)江良颯(スピアーズ)がゲインしてチャンスメイク。そして、最後はSH齋藤からパスを受けたCTB(センター)ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が相手ディフェンスの間を力強く突破。右隅にトライして17-14と逆転に成功した。

日本代表は、このままリードして前半を終えたかった。しかし、39分にゴール前でフィジカルの強い相手FW(フォワード)陣を止めることができず。その結果、トライを献上して17-21と逆転されてハーフタイムを迎えた。

前半、ジャパンはマイボールラインアウトを5本中2本しかキープできなかった。それでも、内容は上出来だったと言えよう。

ワラビーズ戦 日本代表を率いるジョーンズHC (C)JRFU

日本代表を率いるジョーンズHC (C)JRFU

ワラビーズ戦後半に表れた課題 ― ワラビーズの圧力

空中戦での劣勢と試合の流れ

点差は4点。後半、日本代表が先に得点を挙げて、勝つ流れに持って行きたかった。しかし、相手のプレッシャーの前に、まったく主導権を握ることができなかった。

まず、フランス代表戦から大きな課題となっているキック後のハイボールの競り合いで相手に上回られてる。すると、試合の流れが相手に傾いてしまった。さらにアタックしても、ボール奪取力の強い相手選手に何度もスティールを許してしまう。その結果、後半20分までに2トライを奪われて17-35と大きくリードされてしまった。

アタックの起点となるはずのラインアウトは前半同様に安定せず。そのため、スクラムでもプレッシャーを受けた。なかなか相手を上回るエリアがなかったこともあり、そのままワラビーズのペースで試合は進んでいく。

その後も2トライを許すと、さらに後半36分にはイエローカードを受けて数的不利に。そして、終了間際にも1トライを与えてしまった。結局、後半は得点を挙げることができず、17-56とトリプルスコアで大敗した。

連続で先発出場を続けるSO伊藤(明治大学4年)(C)JRFU

連続で先発出場を続けるSO伊藤(明治大学4年)(C)JRFU

ワラビーズが語る勝因と試合の主導権

ホームで快勝したワラビーズのキャプテンNO8(ナンバーエイト)ハリー・ウィルソン。

「(1戦目より)FWがよりフィジカルにプレーでき、チームにも勢いの出るプレーが多く生まれた。日本代表のようにテンポの速いチームを相手にするときには、自分たちが試合の主導権を握り、自分たちのテンポでプレーすることが重要。」

■記者プロフィール
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。2012年から2015年までエディー・ジャパン全54試合を現地で取材。ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「今こそ行きたい 欧州サッカースタジアム巡礼」(エクスナレッジ)など著書多数。
≫「X」アカウント
https://twitter.com/saitoh_k
Journal-ONE投稿記者-斉藤 健仁
取材・文:
斉藤 健仁( 日本 )
この記事に関連する人物
リーチ マイケル

1988年生まれ、ニュージーランド出身のラグビー日本代表フランカー。東芝ブレイブルーパス東京所属。2015年ワールドカップで日本代表主将として歴史的勝利を導き、2019年大会でもベスト8進出に貢献した。豊富な経験とリーダーシップでチームを支える精神的支柱として、現在も世界の舞台で活躍を続けている。

佐藤健次

2002年生まれ。桐蔭学園高では全国高校ラグビー大会2連覇に貢献し、早稲田大学でも活躍。大学4年時からラグビー日本代表に招集された若手フッカー。現在は埼玉ワイルドナイツに所属し、ワールドカップ出場と海外挑戦を目標に成長を続けている。

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