「声出していこう!元気出していこう!」と自らを鼓舞し、第3ゲームを取り返した日本ペア。しかし、相手の前に出るネット際での攻撃に押され、ゲームカウントは1-4と大きく引き離されてしまう。
しかし、ここから “塚本・徳本ペアのパデル” が真価を発揮する。
運命の瞬間がついに
得意のロングラリーを展開し、約20往復におよぶ死闘を制してブレイクに成功。1ポイントずつ確実に積み重ねると、第7・第8ゲームも流れるように連取した。そして、一気に4-4の同点に追いついたのだった。完全にコートの空気を支配した徳本・塚本ペア。続く第9ゲームも相手のミスを誘ってキープ。なんと、あっという間に4ゲーム連続奪取で5-4と逆転に成功した。そして、ついに優勝へ王手をかけた。
迎えた第10ゲーム。マッチポイントを迎えると会場の熱気は最高潮に達した。焦ることなく最後まで粘り強いラリーで相手を追い詰める日本ペア。最後は相手のガラス壁のコーナーを巧みに突いた配球に、インドネシア選手が返球できずゲームセット。

優勝を決め涙で抱き合う塚本・徳本ペア‐Journal-ONE撮影
勝利が決まった瞬間、会場は割れんばかりの歓声と拍手に包まれた。1-4からの劇的な逆転劇で見事勝利を収めた徳本佳恵・塚本早紀ペア。日本のパデルの強さと魅力を世界に証明し、初代アジアチャンピオンの座に輝いた。
試合後インタビュー
見事にアジア大会の初代金メダリストに輝き、日本のパデル史にその名を刻んだ徳本・塚本ペア。試合直後のコートサイドで、互いへの感謝と歴史的快挙達成の喜びを語ってくれた。
応援をそのまま力に——感謝と手応え
——金メダル獲得、本当におめでとうございます!今の率直な気持ちをお聞かせください。
塚本「ずっと『金メダルを取る』と言い続けてきて、それを本当に実現できてめちゃくちゃ嬉しいです。試合が終わるたびに、たくさんのメッセージをいただいて。……私たち二人はそういう応援をそのまま自分の力に変えられるタイプなんです。なので、皆さんの応援があったからこその結果です。本当にありがとうございます!」
徳本「コートのどこを見渡しても応援してくれる方がいて、まさに『全員で一緒に戦っている』と感じていました。苦しい場面もありましたが、皆さんの顔を見て『こんなに応援してくれる人がいるんだから、絶対に勝てる』と信じてプレーし続けたことが結果に繋がって本当に良かったです」

アジア大会 パデル女子のメダリストたち‐Journal-ONE撮影
1-4からの劇的逆転劇——勝敗を分けた「戦術」と「切り替え」
——第2セット、1-4とリードされた絶体絶命の場面。なんとそこから、見事な4ゲーム連続奪取で逆転しました。あの時、コート上では何が起きていたのでしょうか?
塚本「私たちは良い時も悪い時も素直にプレーに出てしまうタイプなんです(笑)。でも、そこからいかに気持ちを切り替えられるか。お互いを信じて声を掛け合い、自分たちらしく一つ一つ粘り強く戦えたことが、あの場面をひっくり返せた要因だと思います」
徳本「1-4になった時は『ここからもうやるしかない!』と覚悟が決まりました。個人的にも気持ちは落ち着いていて、自分のプレーに集中できたのが良かったです。私の持ち味であるロブを主体にしつつ、途中で相手の裏をかく短いボールやストレートを織り交ぜたんですが、それがたまたまあのタイミングで綺麗に決まりました。相手の疲労も見えていたので『ここは体力勝負。気長にいこう』と冷静に捉えていましたね」
パデルの魅力——「力だけじゃない」「小柄な日本人でも世界で勝てる」
——今回の快挙を通じて、見ている人たちにパデルのどんな魅力を伝えられたと感じますか?
塚本「今日の決勝は、両ペアのスタイルが非常に対照的でした。パワフルな相手に対し、私たちは拾って粘ってカウンターで仕留めるスタイル。『決まった!』と思った球がつながり、攻め込まれてもカウンターで巻き返すパデルならではの面白さを表現できたと思います。実際に試合を見てくれた人が『ちょっとやってみたいな』と思ってくれたら一番嬉しいです。本当に面白い競技なので、騙されたと思って一度やってみてください!(笑)」
徳本「インドネシアの選手たちはもともとテニスのナショナルチーム出身で、単純なテニスの技術なら相手の方が上でした。でも、壁を使った『パデル』という競技だからこそ、私たちは勝負ができたんだと思います。パワーだけが全てじゃないのがパデルの最大の魅力です。















