愛知・名古屋で開催されている第20回アジア競技大会。初採用となった注目の新種目「パデル」は、大会最終日の10月3日。ついに男女ダブルスの決勝戦が行われた。
日本代表から女子ダブルス決勝に挑んだ徳本佳恵・塚本早紀ペア。なんと、インドネシア代表との死闘を制し、セットカウント2-0(6-3、6-4)でストレート勝ち。このアジア大会のパデル競技において、記念すべき初代金メダリストに輝く偉業を成し遂げた。

パデル女子 アジア大会初の金メダル 塚本・徳本ペア-Journal-ONE撮影
準々決勝の暗雲を払う、唯一のベスト4進出
日本パデル界の期待を背負い、男女4ペア・8名の日本代表が出場した今大会。 男子の富田一輝・畠山成冴ペア、安藤輝明・中村進之介ペア。そして女子の佐藤千文・小澤琴巳ペアの3組は、準々決勝で惜しくも敗退となってしまっていた。本人たちにとっては悔しいベスト8。しかし、日本パデル界の歴史に刻まれる大健闘を見せたのだった。
そんな中、唯一決勝へと駒を進めたのが塚本・徳本ペア。前日の準決勝ではインドネシア代表に2-0のストレート勝ちを収め、勢いそのままに決勝へ到達。「今までやってきたことをぶつけるだけ」と強い想いを胸に、決戦のコートに向かった。
そして、選手たちの「パデルを広めたい」という熱意に応えるように、パデルの注目度も沸騰。連日スタンドは満席となり、最終日には入場制限がかかるほどの盛り上がりに。そんな、自国開催の熱気と大観衆に包まれる中、ついにアジアNo.1を決める一戦が幕を開けた。

日本の大応援団を背に戦う塚本・徳本ペア‐Journal-ONE撮影
その決勝の相手は、準々決勝で仲間である佐藤・小澤ペアを破った宿敵。日本勢としてのリベンジを懸けた、運命の戦いが始まった。
第1セット
会場を揺らした“場外からの神返球”!逆転で主導権を握る
試合はインドネシアペアの強烈なスマッシュからスタートし、立ち上がりこそ相手の力強い攻撃で2ポイントを先行された。しかし、日本ペアは落ち着いていた。徳本選手が壁際を狙った低空打球で相手の崩しを誘えば、塚本選手は打ちにくいコースへロブを配球。落ち着いたゲーム展開でポイントを連取し、まずは第1ゲームを先取した。
しかし、続く第2・第3ゲームは相手の配球に苦しみ失点。壁やネットにかかるミスが増え、1-2とリードを許してしまう。
さらに独特の緊張感からか、硬さが見えた二人。しかし、コートチェンジの際に「流れを変えるよ!」と声を掛け合うと、すぐさまギアを切り替えた。そして、粘りのラリーでデュースに持ち込みゲームを奪い返すと、続く第5ゲームは相手に1ポイントも許さずキープ。ロブで相手の動きを冷静に見極め、相手の強攻をいなす巧みなテクニックで主導権を引き戻した。

徳本選手の相手の隙を突く攻撃が決まる-Journal-ONE撮影
塚本選手の流れを変えるビッグプレー
そんな一進一退の攻防が続き、5-3で迎えた第9ゲーム。ここで、会場のボルテージを最高潮に高めるスーパープレーが飛び出した。
相手の放った強力な打球がコートの壁を越えて場外へ。しかし、それを瞬時に予測していた塚本選手がコート横の出入り口から飛び出し、場外で追いついて打ち返したのだ。さらにその返球は、ネットと平行に相手コートのサイドを打ち抜く高難度のウイニングショット。奇跡的な一打に、相手も拍手で賞賛していた。そして、スタンドの観客も総立ちとなり、大歓声に包まれた。
このプレーで完全に勢いに乗った日本ペア。その後、スターポイントまで及んだ激闘を制して第9ゲームを獲得。そのまま6-3で第1セットを先取した。
第2セット
1-4からの怒涛の4ゲーム連取!粘りのパデルで掴んだ世界の頂点
続く、第2セット立ち上がり。勢いに乗るインドネシアペアに2ゲームを先行される苦しい立ち上がりとなった。
なお、第3ゲームの途中には、塚本選手がネット際で返球した勢いで相手コート側に転がり込んでしまうアクシデントが発生。すると、すかさずインドネシアの選手が手を差し伸べて立ち上がらせたのだ。この勝負を超えたスポーツマンシップあふれる一幕に、会場からは温かい拍手が送られた。

塚本選手も気合を入れて、果敢に攻め込む-Journal-ONE撮影















