野球を続ける理由は人それぞれだ。
勝ちたいから。上手くなりたいから。仲間とプレーしたいから。だが、その土台にあるのは「楽しい」という感情なのだろう。
カスンバ選手は、その最も大切な部分を子どもたちへ届けていた。

カスンバ選手は子ども達に「楽しむ」ことを伝えた-Journal-ONE撮影
「楽しかった」で終わらせないために
閉会式では、優勝チームにKEBOZから大会優勝者だけが手にすることができる特製キャップが贈られた。
主催者を代表して挨拶した旭川ビースターズの平亮代表は、子どもたちへこう語り掛けた。
「初めて会った仲間たちと、同じユニフォームを着てプレーした。その縁はいつまでも大切にしてほしい」。
また、大会運営の中心となった朝西さんも、「みんな笑顔で楽しんでくれてよかった。」と安堵の表情を浮かべた。
さらにKEBOZ関係者は、「地域の子どもたちのために何かしたいという思いで賛同した。これからももっと盛り上がり、継続していくために工夫していきたい。」と話していた。
この大会が目指しているのは、一度きりの思い出づくりではない。子どもたちが将来に希望を持ち、野球を続けたくなる環境をつくることにあるのだ。

今大会をサポートしたKEBOZは臨時店舗を出店-Journal-ONE撮影
旭川ビースターズが描く地域スポーツの未来
独立リーグ球団と聞けば、多くの人は試合の勝敗やプロ選手の育成を思い浮かべるだろう。
もちろんそれも重要な役割だ。
だが、KEBOZ杯を取材して感じたのは、旭川ビースターズが目指している先にはもっと大きな世界が広がっているということだった。
部活動地域移行。スポーツ環境の地域格差。廃校施設の活用。地域コミュニティの再生。
こうした社会課題に対して、野球というツールを通じて新しい解決策を提示しようとしている。

開催に奔走した朝西ユース代表(左)と平代表-Journal-ONE撮影
海外からやって来た選手が子どもたちを指導し、地域企業やスポンサーが活動を支え、廃校がスポーツコミュニティとして再生される。
そして子どもたちは、その中で未来への夢や仲間との出会いを手にする。
「高校でも野球を続けたい。」猿払村から参加した中学生の一言が、この大会の価値を何よりも物語っていた。
地域に笑顔を届け、人をつなぎ、未来を育てる。KEBOZ杯は、地域密着型スポーツチームの存在意義を改めて教えてくれるイベントだった。
そして、その中心には旭川ビースターズがいる。地域とともに歩み続ける彼らの挑戦は、これからも多くの子どもたちの未来を明るく照らしていくはずだ。













