国際大会のキャンプ地誘致から女子チーム創設へ
女子ラグビーの発展を見据えたチーム創設構想
さらに「キャンプ地だけでなく、この盛り上がりを次につなげよう。」と話し合いは続いた。
そして、岡山県美作市を本拠地とするサッカーのなでしこリーグの『岡山湯郷Belle』の例を念頭に、「美作市同様に、長門市は温泉地もたくさんあり、温泉旅館で選手を雇ってもらえればチームができるのでは?」と女子のラグビーチームの創設の話が出た。
また、女子のラグビー選手が大学を卒業した後に就職先があまり多くなかった実情があった。そのため、「女子選手の受け入れ先にもなるのでは?さらには日本の女子ラグビーの強化につながるのでは?」と、当初から考慮していたという。
結局、温泉で働きながら選手活動を続ける……という形にはならなかった。しかし、長門市に本社があり、東京スカイツリーや国立競技場など、日本を代表する大型建造物の鉄骨製作・施工に携わっている建築用鉄骨の専門メーカーである『株式会社ヤマネ鉄工建設』がスポンサーとなることが決まる。こうして、2017年11月、女子ラグビーチームである『ながとブルーエンジェルス』が誕生した。

ずっと一緒にいるという、仲の良い選手たち‐斉藤健仁撮影
ながとブルーエンジェルスの名前とブランドに込められた想い
「ブルーエンジェルス」というチーム名は公募によって決まった。
長門市と言えば美しい自然と青い海のイメージが強い。波穏やかで優しい時や、時には荒々しく力強いところがラグビーと共通している。その海から飛び出した7人の天使をイメージして命名されたという。
加えて、青いホームジャージーやエンブレムも、「エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明監督が代表取締役を務める株式会社カラーに所属し、映画『シン・ゴジラ』でゴジラのイメージデザインにも参加した前田真宏氏がデザインを担当した。

本当の家族以上に、濃密な時間を過ごしているブルーエンジェルスの選手たち‐斉藤健仁撮影
ながとブルーエンジェルスが貫く『女子選手が輝ける場所に』という理念
当時社長だったヤマネ鉄工建設の山根正寛会長に、新しく長門市にできた女子ラグビーチームを支援する理由を聞いた。
すると、「今回の話を聞いたときに、直感的に応援したいと思いました。また、支援したいと腑に落ちたのは、(当時の)『ジェンダー・ギャップ指数』は、144ヵ国中、日本は114位でした。女性が男性と変わらぬチャンスに恵まれた環境に変わっていく一助になればと思いました。」と説明した。
チーム誕生から携わり、現在でも強化の中心にいるのが村杉徐司氏。ながとブルーエンジェルスのハイパフォーマンスディレクターだ。杉村氏は、現役時代にニュージーランドや清水建設ブルーシャークスでWTB(ウィング)として活躍した。
そして、選手引退後は「当時、他の人があまりやっていなかった。」と、『Rugirl-7』(ラガールセブン:女子7人制ラグビーの強化・普及を目的として活動したチーム)を中心に女子選手の指導にあたっていた。

ながとブルーエンジェルスを支えて10年目となる村杉氏‐斉藤健仁撮影
仕事とラグビーを両立できる環境、4連覇を支える『ファミリー感』
ながとブルーエンジェルスを支える充実した競技環境
誕生したばかりの女子チームをヤマネ鉄工建設も全面的にスポンサード。その結果、ラグビーに集中できる環境が整備されていった。
もともと本社があった建物をウェイトルームが併設されたクラブハウスに改築。さらに、近くにあった紡績工場を買い取って室内練習場とした。
また、選手たちはヤマネ鉄工建設が借り上げたマンションで暮らうす。加えて、軽自動車も貸与されているのだ。
例えば、ヤマネ鉄工建設で働く日本人選手たちは、車で10分ほどの場所にある会社で午前中働く。その後、社食で昼食(選手によってはお弁当を作っている)を摂り、午後はクラブハウスでウェイトトレーニングやラグビーの練習に精を出している。
さらに、週3回はクラブハウスから車で15分ほどの場所にある『ヤマネスタジアム俵山』を使用することができる。
現在、ブルーエンジェルスでは日本代表、元日本代表を含む12名ほどの選手が午前中は働き、午後からラグビーに打ち込む生活をしている。2018年から『太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ』に参加。つづく、2019年には年間総合初優勝を飾った。

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ヤマネスタジアム俵山
- 山陽新幹線 新山口駅 - 山陽本線(49分)- 小月駅 - サンデン交通バス(65分)- ヤマネスタジアム俵山停留所 - 徒歩6分
- 取材・文:
- 斉藤 健仁( 日本 )













