それでも13分にゴール前でチャンスを得ると、再びLOディアンズがトライ。またもや、28-28の同点に追いついた。
その後は終始、ブレイクダウンでプレッシャーを受けたラグビー日本代表。勝てると思われていたスクラムで互角となる。加えて、課題のハイボールキャッチでも乱れるシーンが目立ち、なかなか自分たちの時間を作ることができなかった。
なかなか好機を作ることができないラグビー日本代表。すると、逆に自陣でペナルティを繰り返してしまう。その結果、20分、29分とPG(ペナルティゴール)を沈められてた。
PR(プロップ)木原三四郎(東京サントリーサンゴリアス)、LOルアン・ボタ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、CTB(センター)李智寿(朝鮮大学校4年)。初キャップとなった3人を含むリザーブの選手を全員投入したラグビー日本代表。
しかし、追加点を奪うことができず、そのまま28-34でノーサイド。協会創立100周年の記念試合を白星で飾ることができなかった。

フィジー代表のHOイカニヴェレ主将(栃木ホンダヒート)‐斉藤健仁撮影
ラグビー日本代表が直面した空中戦と接点の課題
『超速ラグビー』を発揮できなかった理由
別府合宿で鍛えてきた相手陣22m内での遂行力は増していたことは事実だ。
ただ試合後、ジョーンズHCが「(ハイボールの競り合いである)空中戦、グランドワーク、ブレイクダウンにも負けてしまった。それゆえ、タイトゲームで(トライを)取りきれなかった。」と振り返った。
ジョーンズHCが話したとおり、ラグビー日本代表は空中戦、接点のコンテストで後手を踏んだ。これでは、『超速』を掲げる日本代表らしさを出すことはできなかった。
共同キャプテンのLOワーナー。4つの失トライがすべて自分たちのミスが起点だったことを踏まえてこう話した。
「まずはブレイクダウンと簡単なミス。今日はミスがかなり多く、最初にブレイクダウンへ入る選手も少し遅れた。相手にボールを遅らせることを許してしまった。欧州勢との試合に向け、そこを修正しなければならない。」と悔しそうだった。

この敗戦を糧に、欧州で白星を重ねることができるか‐斉藤健仁撮影
選手が口をそろえた改善ポイント
「ファンのために勝ちたかった。」という、同じく共同キャプテンのSH齋藤。
斎藤も「(欧州遠征に向けて)ブレイクダウンとハイボール。(合宿でも)取り組んできたが、しっかり見つめ直し、解決策を見つけなければいけない。欧州ではさらに厳しくなると思う。コーチにも助けてもらいながらチームとして改善していきたい。」と前を向いた。
また、9月のフィジー代表戦では反則数は日本代表が5、フィジー代表が14だった。しかし、この試合では日本代表が10、フィジー代表が3と逆転していた。
2007年のワールドカップで南アフリカ代表を優勝に導いたホワイトHC。その下で、フィジー代表は日本代表のアタックをブレイクダウンで絡んで遅らせた。加えて、規律の意識もより高かったこともうかがえる。

フィジー代表の新指揮官ホワイトHC‐斉藤健仁撮影
ラグビー日本代表に求められる「ラグビーをする勇気」
ジョーンズHCが語る課題は”勇気”
100周年の記念試合に勝つことができなかった。
これについて、ジョーンズHCは「それ自体は私にはコントロールできない。私たちにできるのはしっかり準備し、気持ちを込めてプレーすることだ。それはできていた。ただ、今日は十分に良くなかった。」と話すにとどめた。
1年後のワールドカップでベスト4以上を狙う指揮官。試合後に選手たちに「日本代表がティア1(世界の強豪)レベルで勝つ。そのためには、ラグビーをする勇気をもっと示す必要がある。フィールドには必ずスペースがあるが、スペースをすぐに攻めることが十分にできなかった。」と指摘した。
そして、「スペースがあるにも関わらず、相手が固く守っている場所へボールを運んでしまった。その結果、2人のディフェンダーにタックルされ、ボールを遅らせられたり、ターンオーバーされたりした。これは教育と経験の問題でもある。それでも私たちはラグビーをする勇気を示したい。今日は多くの機会を逃した。しかし、日本はこういうラグビーをするのだという姿勢を、しっかり示していきたい。」と伝えたという。
欧州強豪4連戦で見せたい日本代表らしさ
記念試合で敗戦した日本代表。この後は、10月27日から欧州遠征に臨み、11月は『ネーションズチャンピオンシップ2026』に参戦する。

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